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まだ見ぬ君に  作者: 苳子
126/129

幕間 

青蘭と雪蘭のエピソードになります。

結末にかわりはありませんので、お読みになられなくても支障はありません。



 青蘭との再会がかなってからほどなくして、雪蘭はひそかに聖地に逼塞した。

 最も濃い王家の血を引きながらも、王家の所有する奴婢であった母を持つ雪蘭もまた、母と同じ身分とされる。しかし今は、岑家の養女であり、大貴族の姫である。

 父の意向で生まれてすぐに岑家の養女となった雪蘭は、岑家の子供たちと共に育った。そんな経緯もあり、雪蘭は現在の岑家当主袁柳とも親しい。

 にもかかわらず、彼女は岑州へ戻ることを望まなかった。

 岑家の城には、今でも雪蘭の母蓮霞れんかが健在だ。蓮霞とも面識のある青蘭は、生母との再会を望まない素振りの雪蘭に、首をかしげた。

 青蘭の目からすれば、蓮霞は特に問題のある女性ではない。美しく穏やかで、未だに十分魅力的な女性でもある。

 うまれてすぐに母を失った青蘭からすれば、自慢にはなっても、忌避する理由が見つからない。

 納得できないでいる青蘭に、雪蘭はただ「お会いしない方がいいの」と答えるのみだった。

 彼女が岑州へ戻らないことの理由は、もう一つある。

 嵜州の戦場での再会で、二人が従姉妹同士であり、女王である青蘭が雪蘭に深い信頼と愛情を寄せていることは周知の事実となってしまった。

 その上、二人は入れ替わることができるほどに、相似性の高い容姿をしているということも知れ渡ることとなった。

 実際、雪蘭がどの程度女王と似ているのか。それを己の目で確かめたものはごくわずかだが、偽の女王として明柊を欺いたことは周知の事実でもある。

 その結果、雪蘭に興味を抱くものは多い。たいていは下世話な好奇心の域を出るものではないが、中にはその容貌や立場を利用しようとするものが現れてもおかしくはない。

 それ故に、雪蘭の所在は秘した方が良い。それは雪蘭だけの意見ではなく、里桂や碧柊も同意した。

 青蘭は再び雪蘭と離れることに難色を示したが、雪蘭自身に諭されて不承不承ながら彼女を見送った。




 不安定になる一方の国内情勢の中、比較的事情が安定しているのは聖地だった。山の懐に抱かれ、正面に広大な湖を控えた聖地は、天然の要害の地でもある。

 翼波の西葉への侵入が迫ったときには、一時的に青蘭もこの地に逃れた。

 翼波が国内から一掃されるまでの二年間。翼波と戦うために不在がちな夫や側近たちの留守に、青蘭はひそかに不安を感じ続けていた。

 久しぶりに再会のかなった青蘭は、かつてのように雪蘭に傍らにいてほしいと望んだ。しかし、彼女はそれをやんわりと拒んだ。


「あなたはもう女王として即位したのよ。私の役目はもう終わったの。最初の予定通り、あなたが妃として東葉にあったなら、私もただの女官としてそばにいられたでしょう。けれどあなたは、女王として即位することを選んだ。夫である碧柊殿と協力して、新しい“葉”を治めていかなければならない。私はいつまでもあなたのそばにいるべきではないわ。確かにあなたは私にとって、大切で親しいかけがえのない人。けれど私は岑家の養女に過ぎず、あなたは女王。私たちがいかに互いに親密であっても、それは他者には関わりのないこと。私たちはそれを弁えておかなければならないわ。親交を断つ必要まではなくても、距離をおいた方がいいでしょう――わかるでしょう?」


 たとえ、これまでと同じように後宮にあってごく控えめに青蘭を補佐しようとしたところで、二人の関係はすでに周知のものとなっている。ましてや情にほだされやすいと思われがちな女王のそば近くに、ともに育ち心を許している従姉がつねにはべっているとなれば、必ずそこにつけ込もうとするものが出てくるだろう。

 政治まつりごとにはいっさい関わらないとしたところで、二人の親しいつながりをどんな風に利用しようと考えるものがあるか。それはいかに聡明な雪蘭であっても、防ぎきれるとは限らない。

 ましてや東葉王家出身である碧柊を王配として迎えたことに反感を抱くものは多く、そんな西葉貴族と東葉貴族の溝は深い。

 今は翼波という共通の敵を目の当たりにしているため、顕著な問題とはなっていない。しかし、国内が治まれば、真っ先に、そして長く深刻な問題として引きずることになるのは明らかだ。

 そして雪蘭は女王の従姉というだけでなく、紅桂こうけい王太子の忘れ形見でもある。人望の厚かった亡き王子のその血筋に、想いを寄せるものは未だに少なくない。

 そんな事情を持つ碧柊と雪蘭が、ともにようやく統一なった“葉”の女王のそばにあるのは、いつか火種となるかもしれない。たとえ、雪蘭と碧柊、当人たちにそんなつもりはなくても、だ。

 西葉王女という立場のため、統一された葉の女王としての即位という思いがけない選択を迫られた青蘭には、それがわかっている。

 雪蘭が皆まで云ってきかせなくても、青蘭は伏し目がちに寂しげに微笑んだ。


「……そうね、わかっていたわ。わかっていたけれど……駄目ね、やはり私はあなたに頼ってしまう。これは私の弱さ――あなたが近くにいてくれる限り、私は必ず無意識であれどうであれ、きっと頼ってしまうわね」

「おそらくはそうなると思うわ。あなたが頼るべきは私ではない。碧柊殿であり、信頼できるほかの人たち。けれど、私はいつまでのあなたの姉で、従姉で、友人よ――なにがあっても私はあなたの味方。それだけは忘れないで」

「……忘れないわ」


 そういって微笑む青蘭の頬を伝う滴が、雲の切れ間からさしこんだ陽光をはじいた。雪蘭はまぶしげにかすかに眼を細め、静かに従妹を抱擁した。


「私は女王としての役目を全うするわ――雪蘭、あなたはどうするの?」


 青蘭のために、父の命で奥の宮に入ったのは八つの時。それからずっと雪蘭は従妹のために生きてきた。それは青蘭も承知していた。

 本来なら、雪蘭はずっと青蘭のそばにいるはずだった。彼女自身そのつもりでいたし、だからこそ東葉に輿入れする青蘭につき従ったのだ。それが思いがけないことから想定していた未来が狂い、一時はもう二度と生きて会うこともできないと覚悟すらした。

 それは杞憂で終わったが、やはり女王となった青蘭のそばにいつまでもいるべきではない。何事も青蘭のためと思うなら、身の引き際も弁えるべきだと、雪蘭は離れていた時間に思い定めていた。


「それはこれから考えるわ。思いがけず機会を得たのだもの、有意義に使わなくてはね」


 さびしさをにじませず、むしろ楽しげに考え込むような素振りをしてみせる従姉を、青蘭はものいいたげな表情で見つめている。

 雪蘭にとって青蘭が大切であるように、その逆も同じだった。

 文字通り姉妹のように育った青蘭には、雪蘭の心中をうかがうことはある意味容易い。雪蘭が青蘭の前でだけ見せる顔があることも、承知している。いくら上手に雪蘭が自分の心を偽っても、本質的な意味でごまかすことはできない。それが二人の絆の証でもあった。


「いつでも会いに来るわ」

「――本当に?」

「ええ、本当よ」


 きっぱりと雪蘭は断言して微笑んだが、それでも青蘭は不安そうだった。

 彼女の言葉を疑っているわけではない。雪蘭が必要もないのに青蘭に嘘をつくことはない。それでも素直にその言葉を受け取れなかったのは、なにかしら予感めいたものを感じていたためかもしれない。

 そんな不安とも予感ともつかない感慨に、複雑な表情をせざるをえない。そんな青蘭の心のうちまでも、さすがの雪蘭も読みとることはできなかった。

 けれど青蘭にはそれ以上追求する言葉も手がかりもなく、ただなんとなく不満というよりは心細げに、不承不承うなずいた。

 互いに納得したわけではないという空気を感じつつも、二人は意味もなくほほえみを交わす。

 そこでふと思い出したように、青蘭がつぶやいた。


「――明柊殿の本当のねらいはなんだったのかしら」


 その表情に負の感情はない。それを雪蘭は静かに見つめる。


「――何故、今さら、そんなことを?」


 一連の争乱を仕掛けた張本人である明柊の狙いは、東葉の王権、ひいては西葉をも含む“葉”であったとされている。

 それが青蘭をはじめとする新たな“葉”政権の見解である。それに基づき、翼波に対して明柊の身柄を引き渡すように、正式な申し入れもなされている。

 翼波からの回答はなかったが、まるでその返答のように、当の明柊を対葉戦の要職にとりたてている。葉側はそれを回答とみなし、翼波を攻める根拠の一つとしている。

 翼波の手先となった明柊への王族や貴族たちの憎悪は増すばかりで、戦いを勢いづける一因ともなっている。

 青蘭もあえて、それに水をさすような言動をとったことはない。

 しかしそれはあくまで表向きのことであり、こうして雪蘭と話している彼女の気色はあくまで穏やかだった。


「碧柊殿は明柊殿に対して恨みは抱いておられないようなの――父上を喪われたとしても」

「……だから?」

「明柊殿の行動に――おかしな言い方もしれないけれど、納得できるだけの根拠をお持ちのように思うの」

「それについて話し合ったことはないの?」

「あるわ――けれど、はっきりしなくて。身内のことだから、と」

「――お二人の間だけで通じるなにかがあるのかしらね」

「そうなのだと思うわ」

「たとえば、私たちのように?」

「ええ」   


 青蘭は小さく頷き、まっすぐに従姉を見つめ

 言葉にはせずとも、“なにか”は伝わる。その確信を、雪蘭にも同意を求めるような眼差しだった。

 雪蘭は、青蘭のかわりに明柊の元に身柄のあった間のことをほとんど語らない。

 その間に明柊や蒼杞がどのような言動をとったかということは、公の場で詳細に証言している。それらは他の情報とも矛盾していないため、疑われることはない。

 だが、雪蘭と明柊の、個人の間のこととなると、彼女は静かに何事もなかったと微笑むだけだった。その真相を勘ぐる者もいたが、青蘭は彼女の言葉を信じていた。

 青蘭が明柊とかかわったのはほんの短い間であり、そのほとんどが碧柊とともにからかわれていただけのようなものだ。それでもそのときだけの印象で、彼が女性にむごい真似をするとは思えなかった。

 何事もなかったという雪蘭の言葉は、おそらく本当なのだろう。だが、何事もなかったということが、どんな影響も及ぼさなかったということにはならない。


「――雪蘭、あなたにとって明柊殿はどんな方だったの?」


 遠慮のない言葉は、この二人の間柄だからこそ許されるものだった。これ以上はないというほど、互いに互いを大切に思っている。それは無遠慮な言葉が許されるというものではない。

 核心を明らかにせず曖昧にはぐらかすのではなく、互いのことには真摯に向き合う。それが重要だと確信したとき、二人は昔から曖昧なまま問題を回避することはしてこなかった。

 まっすぐな従妹の言葉に、雪蘭はわずかに眼を伏せ、小さく息をついた。

 それがごまかすための時間稼ぎなのか、本当に戸惑っているのかを見分けることは、青蘭にとっては他愛もないことだ。

 雪蘭は思わせぶりな態度で他人を翻弄するような真似はしない。とっさに言葉が返ってこないということは、すなわちそういうことなのだろう。


「……一言で表すなら、つかみ所のない方だったわ。人を翻弄するのを楽しんでおられるようでいて、それが本当に彼の真意なのかと疑ってしまうような節もあって。それすらも他人を惑わせるための彼の演技なのか、それとも偽るところのない本意なのか、結局、見極めることはできなかった」


 それは雪蘭の本音のようだった。

 困惑気味の眼差しと、うすい苦笑が口角を歪める。青蘭とてそう何度も眼にしたことはない表情。実年齢にふさわしいあどけないものだった。


「なにがあったというの――それとも、なにがなかったの?」


 青蘭はかすかに首を傾げる。好奇心などではなく、純粋に従姉を思いやっての言葉であることは、雪蘭にもわかっている。


「なにも――世の人たちが噂しているようなこともなかったわ。あの人は私を言葉でなぶりはしても、体には触れてこなかった。言葉でなぶるにしても、それは残酷なものではなかったわ。からかいの範疇を越えることはなかった」

「明柊殿らしいわね」

「そうね――あくまでからかって楽しむだけの……どれが冗談で、なにが本音なのかさえ、見当もつかなかった」


 青蘭は、そこに碧柊と同じ複雑な逡巡を見いだした。

 明柊を憎む理由を、彼らはそれぞれに持っている。碧柊に至っては、それが烈しいものであってもおかしくない。けれど、彼の口から従兄を罵る言葉はついにでてこなかった――ただ一点、彼より先に青蘭に触れたということをのぞいては。

 雪蘭は、明柊の罪状をあげる公の場では確かに彼を告発した。それは間違いなく彼が重ねた国を裏切る数々の行為であり、責められるべき罪状であった。

 だが、こうして私的に言葉を交わす場面で、彼女が彼を責めたことはない。それは碧柊と共通している。

 彼は確かに罪をおかしたが、その当事者からそれを責める言葉が、彼ら自身の言葉として出てこない。

 むろん、明柊が引き込んだ蒼杞によって、甚大な犠牲をだした東葉貴族たちにあってはそうではない。家長を喪った次代の家長たちは肉親を殺された恨みを最大の源に、翼波との戦いにのぞんでいる。

 これまで以上に翼波との戦いが激しいものとなっているのは、故国を守るという目的だけでなく、明柊をかくまっていることへの憎悪の深さがある。

 その分、感情的になりすぎて無謀な戦い方をするものが少なくないらしい。それが碧柊の悩みの種ともなっている。

 それが大方の見解であり、雪蘭と明柊が特殊な事情だということは、青蘭もわかっている。

 そして碧柊は彼ともっとも親しかった人間であり、雪蘭もああいう状況にあったとはいえ、彼と過ごした時間は短いものではない。

 そんな二人から憎悪する言葉が出てこないことに、青蘭はそれこそが明柊の本音や真意を知る手がかりとなるではないかと思っていた。


「一つだけいえることがあるとすれば、約束は守る方だったわね」


 しばらく無言で空を見つめた末に、ぽつりと雪蘭の口からこぼれた言葉だった。

 その約束は青蘭も知っている。そもそもそれは本来、苓南れいなんの砦で青蘭と明柊の間で交わされたものであり、雪蘭はそれを彼の口から知らされていた。


「そうだったわね。彼は私との約束を果たしてくださった」


 青蘭はそっと従姉の手に触れる。

 それにも気づかずに深く考え込むようすで、遠くを見つめる彼女の視点は定まっていない。青蘭はその不安定さに不安をおぼえる。


「――あれはあなたとの約束だったわね、そういえば」

「そうよ」


 青蘭の返答に、雪蘭はゆっくりと視線をもどして従妹の面をとらえる。不思議なほど深い眼差しだった。

 その深さに青蘭はかすかに肌の粟立つのを感じた。


「私は……」


 雪蘭のふっくらとした形のよい唇が止まる。それ以上の言葉を紡ぐのをためらうように。

 その逡巡の正体を、青蘭は本能的に悟った。


「彼はあなたともなにか約束を?」

「――いえ、なにかを約したわけではないわ……ただ……」

「ただ?」


 青蘭の繰り返しに、雪蘭は無言で首をふった。まるでその続きを拒絶するように。

 やがて、彼女は薄く笑った。


「約束などしてはいないわ」


 しずかな言葉に、青蘭は曖昧に微笑んだ。

 共に育った時間。共有する想いは多く、それ故に互いのことをまるで己のことのように感じることはたやすかった。

 だが、別離を強いられた時間にそれは喪われてしまった。互いに共有できない想いを重ね、ついには隣にすらいられないほどに立場も異なってしまった。

 逃亡の日々のこと、西葉に帰りついてからのこと、そして雪蘭と再会できるまでのことを、青蘭は従姉に語るには言葉が足りないほどの想いを抱えているはずだった。だが、実際に二人きりの時をもっても、あふれるはずの言葉は出てこなかった。想いはあふれず、かわりにただ言葉少なに互いの無事を喜び、静かにけれどしっかりと抱擁を交わせば、それで気持ちはおさまってしまった。

 言葉のあふれ出なかったことに寂しさは感じても、不思議には思わなかった。そして雪蘭が語る言葉も淡々としたものだった。そこに嘘はないが、あふれるような想いもない。もともと言葉数の少ない雪蘭ではあるが、そんな彼女にしても語られることはわずかだった。

 心が離れたわけではない。雪蘭よりも大切な人ができたわけではない。それでも、もはや想いを共有する必要のないことに、互いに納得している風であるのは、寂しいことではあっても、それ以上のことではなかった。

 青蘭は青蘭であり、雪蘭は雪蘭であり。互いに姉妹のようであり、親友であっても、それ以上にはなりえない。

 もし、雪蘭だったらどうするか。青蘭はいつしかその思考方法から脱却していた。


「なにがあっても私はずっとあなたを想っているわ」


 従妹の言葉に雪蘭はわずかに目をみはった。彼女の言葉はひたすらかたく秘してきた雪蘭のなにかを、確実に明らかにしていた。

 雪蘭は伏し目がちに小さく微笑むと、言葉の代わりに抱擁をかえした。


これにて終幕となります。


他にご希望のエピソードなどお聞かせいただけると参考にさせていただきます。ただし、申し訳ありませんが、ご希望に必ず添えるとは限りませんので、あらかじめご了承ください。

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