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最弱学校の異端児「ルデア」  作者: 烏猫秋
第1章〜異端児、夏の2校トーナメント戦に向けて〜
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合同訓練編②


     ~きっと、このまま暮らしていたら、今日より明日の僕は狂っているだろう~


『実践』



「楓守も、メイの弟子⁉」


 こっちが驚きだわ!


「あれ?言ってなかったっけ?」


 殴るぞ、おい。

 そのわざとらしい喋り方止めろ。

 シズも俺と同様怒っている。やっぱり、メイの性格には苦労するわな。


「楓守、どういうこと?」


 あっ、ヤバい。

 チームのみんなにメイの弟子だってこと、バレた・・・。

 冷汗が、ゆっくりと首筋を通る。


「そのままだよ。楓守とシズは、私の弟子だってことだよ(ニヤッ)」


 この状況で俺とシズが、大声出せないこと分かっててやってるな、あれ。

(シズ、後で絞めるか?)

(当たり前)

 これで共闘成立!

 今日がメイの命日だ!


「これは、本人に聞いた方がよさそうね!」


 あっ、ごめんなさい・・・・・・。

 今日が命日なのは、俺の方でした。

 この惨事の後、俺は大量の謝罪と、言い訳を5人にした。

 あれ?

 何か人数多いような・・・。

 おい!シズ!いつの間にそっち側に行ったんだ。

 どっちかと言えば、シズはこっち側だろ! 



「各チームごとに、ゴーストタウンに向かってください。ただし、21時までにはこの学校に戻ってきてください。それでは、解散」


 メイの指示で、全チームが一斉に動き出す。

 俺の出る幕はあるのか?


「さあ、みんな行くよ!」


 総指揮してるときは敬語で話してるのに、俺たちの方に戻ってきたらすぐにタメ口になるって、どんな奴だよ。

 メイに連れられて、歩くこと30分。先に、頽廃した街が見えてくる。

 これが、ゴーストタウン・・・・・・。


「さあ、こっから気を引き締めてね!」


 そう言っている本人が、気を引き締めていない件について。


「私から一つ提案いい?」


 何だね、メイよ。


「まだ2人を除く、みんなの実力が全然分かってないから、アグロ・キュートに遭遇したら、初めに攻撃してくれないかな」


 確かにそれは1理ある


「そんなの死んじゃいます!」


 が、それも1理ある。


「そこは安心して。もしもの時は、私が責任をもって助けるから」


 さすが隊長、頼もしい。


「確かにそれは安心ですね。よろしくお願いします」


 これで決まりだな。

 初撃はジェリー、紗綾、シビーがすることになった。

 さあ、ここからスタートだ!


 とりあえず、ゴーストタウンの中心部に移動してみる。

 これは、メイからの提案で、街の中心部は広い場所が多いから、初めての戦闘には向いているらしい。

 しかし、その代わり奴らも拠点にしていることが多いらしい。

 周りには壊れた車や、信号、消火栓などがゴロゴロと転がっている。

 夜になると、電気が通ってないから、かなり危険になりそうだな。


「!?、ステージ1のアグロ・キュートが1体来るぞ!」


 さすがベテランハンター。

 気配だけで、ステージと、何体来るのかが分かる。


「3人で行け!」

「はい!」


 建物の影から黒い胴体が見える。

 やっぱりステージ3とは違って、大分小さいな。


「ガグーー!!」


 威嚇の叫びが、波のように街へ響く。


「シビーはサポートよろしく! 紗綾、行くよ!」

「了解!」

「いい仲間じゃないか」

「そうだね。俺は幸せだよ」


 てかそんなこと言ってる暇じゃない。

 今は、3人をしっかりと見守らないと。


「私がハイドで急所を狙うから、紗綾はアクセルで相手を誘導して」

「分かった!」


 アグロ・キュートの急所は、腹部の1部分だ。その所は、黄色く光っているので分かりやすい。ただし、奴らは四つん這いで歩いているので、狙うのは難しい。

 ジェリーの姿が忽然と消える。

 それを確認した紗綾は、サポート役のシビーが隆起を当てやすそうな場所に、得意のアクセルでアグロ・キュートを誘導していく。


「シビー、今っ!」

「ハッ!」


 紗綾の掛け声に合わせて、シビーが地面に両手をつき、能力「隆起」を発動させる。


「ゴゴグー!!」


 すると、地面が勢いよく隆起して急所にダメージを与えたうえ、アグロ・キュートの巨体を空中に持ち上げて、ジェリーに攻撃のチャンスをつくった。


「ジェリー!」

「ここだ!」


 シビーの声で、ジェリーがハイドを解き、隙だらけのアグロ・キュートの急所に渾身の蹴りを放つ。


「ガーーーー!!! ガギ・・・・・」


 ドサッ。


「やった~!!」

「わーい、わーい!!」

「完璧です!」


 あっという間に倒してしまったな。

 あっぱれと言うしかないな。すごかった。

 3人が、とても嬉しそうな表情でこちらに戻ってくる。


「3人とも素晴らしかったぞ。洗練されたチームワーク、個人の能力ごとの役割分担。いやぁ~、さすがだな!これでみんなの実力は分かった。今からは、状況に応じて対応していくようにしようか」


 3人ともメイに褒められて嬉しそうだ。

 まあ、傍から見たら日本VP序列2位の大物だからな。


「シズはどう見た?」

「・・・・・・・・。早く戦いたい」


 そうかそうか。我が妹は、そんなに戦いたいのか。

 次は、トップに走らせてあげるか。

 実力も見ものだしな。


「・・・・駆逐する」

                                    

 

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