2校トーナメント戦④
1年生代表の部は、難なく勝利の旗を上げることができた。
正直、1回戦目でシズが勝ってなかったら、勝てなかったかもしれない。
ここで、俺が負けても後があるという、心の余裕ができた。
「いよいよ、次は2年生代表のですね」
「そうだな。ここで、勝てるか勝てないかで大分変ってくるからな」
酒木君に相づちをうちながら、モニターで観戦する。
ここで勝ったら、25pt 対 0ptになるからかなり楽になる。
1回戦目は、国上の選手の勝ちで勝利にアドバンテージを取られている。
「試合終了!! 2年生代表の部、国上の勝利!!」
え? 終わった?
選手控室が、無音になる。
「・・・・・・もう、終わったんですか?」
「・・・・・・うん。シズ、試合見てたか?」
俺が、少し考え事で視線をずらしたその瞬間に試合終了!?
そんなことがありえるのか!?
「確かに見てたけど、眼が追いつかなかった・・・」
シズの鍛えられた眼でも、追いつかない!?
少なくても、スピードでは俺の1枚、2枚上手だろう。
かなり厄介だ。いや、厄介すぎる。
「これが、羽愞と国上の力の差だよ。これは、羽愞の選手が国上に苦手意識を持っているということもあるが、あきらかにさっきのは力量の差だな」
会長まで、国上の強さを認めてる・・・!
次は、校内代表の部だ。
悪い流れを断ち切らないと、ヤバいぞ。
「15分後に、校内代表の部の試合を始めます。代表選手は、会場に移動を開始してください」
アナウンスで、指示が出される。
空気が重いな・・・・。
けど、まだ希望はある。点数的には、5pt差で勝っている。
余裕を持て、余裕を持て。
「さあ、行こうか古谷君。勝ちか負けか、私たちに懸かってるんだからね」
「はい。絶対に勝って見せます」
自分に、学校の責任がかかっている。
肩が重すぎる・・・!
生徒会長には、どうなってもなりたくないな。
「兄貴! 待ってますよ」
「笑顔で学校に帰ろう」
俺には、みんなが付いていてくれる。
俺のことを兄貴と慕ってくれる酒木君。
本当の兄妹のように、寄り添ってくれるシズ。
負けれるはずがない。いや、負けるはずがない!
次回、2校トーナメント戦⑤です!!




