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最弱学校の異端児「ルデア」  作者: 烏猫秋
第1章〜異端児、夏の2校トーナメント戦に向けて〜
20/35

2校トーナメント戦③

 

 シズの快撃から、5分が経過した今でもまだ会場の喝采は続いている。

 これは、プレッシャー半端ないな。

 俺の頬に冷や汗が垂れる。


「楓守が勝ったら、そこでもう終わり」

「そうだけど・・・・」

「大丈夫。絶対に勝てる。楓守は、誰よりも強い」

 

 手を取り、シズが励ましてくれる。

 優しい妹で良かった。

 比べて、俺の師匠兼姉のようなメイは、これはこれは性格が悪いことで、困っていたものだ。


「分かった、ここで終わらせる。酒木君」

「はい、兄貴」

「酒木君の出番は、回ってこないと思うよ」


 カッコいい、宣言をしてみる。

 やってから思ったが、けっこう気持ち悪かったかも。


「やっちゃってください!」


 何かやけに必死な返しだな。

 ・・・・・! 分かった!

 

「さては、会場で鳥化見せたくないんだな」

「!? 何故それを・・・!」

 

 図星だな。

 能力としては、強いんだから恥じることないのに。

 そんなんだったら、成長しないぞ!

 俺が、酒木君の鳥化のことをいじっている時、


「1年生代表の部、第2回戦の選手は準備をしてください」


 アナウンスが流れた。

 こんな風にアナウンスされると、余計に緊張するから止めて欲しいわー。

 

「行ってらっしゃい」

「絶対に勝ってきてくださいね!」


 2人の声に押されながら、俺は会場の真ん中に足を進めた。




「ではこれより、1年生代表の部、2回戦。国上、佐々木海人 対 羽愞、古谷楓守の試合を始めます。双方、向き合ってください」


 審判に指示に従い、双方向き合う。

 けっこうな迫力があるな。

 服を着ていても分かる筋肉の隆起。日頃から、筋肉トレーニングをしていることが見受けられる。

 身長は、俺と同じくらいか。

 持久戦に持ち込んだら、俺の体力が先に尽きることは明白だ。

 だから、すぐに終わらせる!!


「では、始め!!」


 審判は、上に挙げた手を勢いよく振り下ろす。

 やはり、国上はいきなり特攻か。

 地面を抉りながら、こちらに走ってくる。

 見切れるか、これ。

 眼を中心的に活性化をかける。


「死ねぇぇー!!」


 野蛮だな。怖い怖い。

 そんな力任せの攻撃、見え見えだよ。

 正直、眼に活性化をしなくてもよかったかも。


「そのまま返す!」


 飛び込んできた相手の勢いを利用して、心窩に活性化した拳を見舞う。

 これでどうだ!


「おあぁぁぁーー!!」


 あまりの衝撃に、腹を押さえてのたうち回る。

 やりすぎたはないよな。

 あっちもあっちで鍛えてるし。


「おぁぁー!!ギ、ギブ。ギブ・・・・」

「えっ、ああ。試合終了!!国上、佐々木選手のギブアップによって羽愞、古谷楓守選手の勝利!!これによって、1年生代表の部羽愞の勝利が決定しました!」


 ?

 一撃だけだよ?本気じゃないし。

 国上のレベルが、落ちた?


「羽愞!羽愞!羽愞!羽愞!・・・・・」


 今度は、羽愞コールかよ。

 嬉しいは嬉しいけど、顔が赤くなっちゃうよ。

 結果楓守は、本気を出さずに勝ってしまった。

 何か、申し訳ない・・・・。

 2人の方に視線を向けると、


「やった~~!!」

「よっしゃーーーーーーーー!!!!」


 笑顔で喜んでいた。

 まあ、約1名が異常に喜んでいたのは、見なかったことにしておこう。



   2校トーナメント戦④につづく


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