表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱学校の異端児「ルデア」  作者: 烏猫秋
第1章〜異端児、夏の2校トーナメント戦に向けて〜
16/35

VP、休日に街へ出る③


 シズが、この学校に転校してきてからだが、時が過ぎるに連れ、本当の妹のように見える。

 甘えてくるし、スキンシップも多いし。

 シズがそんな風に接してくるなら、俺も兄のように接しないとな。


「今日、どこか一緒に出掛けるか?」

「いいの!?」


 2段ベッドの上から、嬉しそうに身を乗り出す。

 シャツがたるんで、アレが見えるから止めなさい!


「する事ないしな」

「じゃあさ、食べ歩きしに行こうよ!」


 1人で「レッツ、ゴー!」と叫んで、行く気満々だ。

 かわいい奴だな。


「いいよ。今から行く?」

「今、すぐ!」


 いい返事だ!

 お兄ちゃんも、楽しみになってきたぞ。


「レッツ、ゴーー!!」


 2人で腕を上げて叫んでいる様子は、傍から見たら親と子供、または兄妹のように見えた。

 ちなみに、他の3人は訓練に励むようだ。

 偉いな、俺と違って。

 俺たちは、スキップ気分で街に向かった。



 ・・・・。

 同じショッピングモールか。

 俺たちが向かった所は、この前シビーと行ったばかりのショッピングモールだった。


「ふうま~、元気ない?」


 ヤバい!悟られた。

 ポジティブシンキングだ、俺。

 この前シビーと行ったのは、服屋だけだ。

 だから、まだまだ行ったことのない店がある。

 そうだ、この考えが正しい。


「全然。元気いっぱいだよ」


 俺の筋肉を見ろ!の時に使うポーズで元気をアピールする。

 こんな所で恥ずかしいけど。


「良かった。さあ、行こう行こう!」


 手を引かれるままに、連れてこられたのは、


「アイスクリーム!」


 アイスクリームの専門店だ。

 女性は、甘いものが好き。

 これは、鉄則のようなものだな。


「何にしますか?当店のおすすめは、チョコアイスクリームです」


 チョコは、ちょっと苦手だな。

 甘すぎるのは、頭が痛くなるからな。


「私はチョコアイスクリームで。楓守は?」


 無難で行くか。


「じゃあ、俺はバニラアイスクリームで」

「かしこまりました。2分ほどお待ちください」


 1分30秒くらい待っていると、すぐに手元にアイスがきた。

 俺たちは、溶けたら困るのでベンチに座って食べることにした。

 俺は、心の中でツッコんだ。

 食べ歩きちゃうやん!!

 まあ、そんなこと本人に言えるはずもなく、モクモクと食べていると、


「交換しよう」


 語尾を上げて、可愛くおねだりしてきた。


「俺は良いけど、シズはいいのか?」


 交換したら、間接キッスになるわけだから一応の確認だ。


「バニラ食べたい~」


 あっ、これは何にも考えてないな。

 妹だから許せるけど。

 『妹』だからね!


「はいはい」


 仕方なく、仕方なく交換をする。

 分かってるか!仕方なくだぞ!


「おいしい~。楓守のバニラ、甘くておいしい」


 おい!

 爆弾発言やめろ!

 今はこの周りのベンチに誰もいないけど、居たらどうするんだ?

 シズは、無垢な女の子だから兄として寛大に許すけど、ワザと言ってるんだったら犯罪に近いものだからなそれは!

 よく覚えとけよ。特に、ミク先生。


「完食~!」


 両手を上にあげて、喜ぶ。


「シズ、口の周りチョコで汚れてるぞ」


 俺は、妹には恥をかかせたくない。

 単純に、かわいそうだから。


「拭いて~」


 甘えん坊さんですね。

 ポケットから、きれいなハンカチを取り出して口の周りを拭いてあげる。


「んぐ:*>‘ぞぉ」


 拭いてる手が振動するから、喋らないで。


「プハー!」


 よし、これできれいになった。

 チョコ唇から、ピンク色のきれいな唇に戻る。


「ありがとう!」

「どういたしまして。それで、次はどこに行く?」

「ん~~、まだ決まってない!」


 ガクッ!

 ベンチから落ちそうになったが、ギリギリ耐える。


「じゃあ、探そうか」



 そして、俺たちは新たな店を目指して、歩き始めた。


            ⅤP、休日に街へ出る④につづく

   


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ