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最弱学校の異端児「ルデア」  作者: 烏猫秋
第1章〜異端児、夏の2校トーナメント戦に向けて〜
15/35

VP、休日に街へ出る②

『優先すべきは』


 走る。

 モール内を駆け回る。


「くっ・・・!どこだ?」


 全く見つからなくて、イライラを表面に出してしまう。

 俺の所為で、今も誰かが・・・。


「こっちです!楓守君!」


 シビーが手招く。

 !?

 子供が逃げ遅れている!?

 俺たちは2階にいる。その状態で、下の階を見たときそこには、1人の子供の女の子がアグロ・キュートを目の前にして、恐怖で立ち尽くしていた。


「シビーは、周りの人に見られないように隆起で、俺とアグロ・キュートを囲ってくれ!」


 子供を狙うなんて、本当に悪辣だな。


「分かりました!」

 

 ステージ2だったら行ける。

 全身活性化を使い、2階から一階に飛び降りる。


「ドォォーーン!!」


 四方に壁がそそり立つ。

 これで、思う存分できる。

 まず、子供を端に退避させてから、活性化を両腕両足にかける。


「すぐに終わらせる」


 瞬き1つの間に、15メートルの距離を詰める。

 その速さで、空気が切れる。


「ゴギィ!」


 前脚を振り上げて、俺を攻撃しようとする。

 見えてたのか。

 まあ、いい。


「隙だらけだ!」


 前脚を左手で上に弾き、急所を狙いやすくする。


「ハァァ!」


 力いっぱい握った右手で、黄色い腹を叩く。


「ガガガギーー!!」


 ・・・・ドンッ。

 やはり、ステージ2のアグロ・キュートは1撃で十分か。


「シビー、隆起を戻してくれ」


 四方の壁がなくなり、視界が開く。


「ウォォォー!!」


 ショッピングモール内が沸く。

 嬉しいんだけどさ、ちょっと晒されてるみたいで恥ずかしいんだよね。

 俺は、端に退避させていた女の子を親に返して、シビーの居る2階に逃げた。


「まだ拍手が続いてますよ」

「早く寮に帰るぞ」


 

 こんなの居たたまれないよ。

 シビーに笑われたような気がするが、今日のところは許す。

 悪いのは俺だからな。


「はぁ~。やっと着いた」


 ダッシュで学校まで逃げてきたが、けっこう長かったな。

 息も上がってるし。


「ただいま~」

「ただいま戻りました」

「おかえり~、2人とも。これ届いたんだけど」

「!、それは私のです!」


 慌てふためいて、ジェリーの持つ箱を奪い取る。

 届くの早いな。

 仕事が早い。天晴れだ。


「あれの中身って何?」

「あれは、ワンピースだよ。真っ白の」


 シビーは自分のベッドの上で、箱を開けてワンピースを広げて嬉しそうな笑みを浮かべている。


「シビーらしいわね」

「楓守君が買ってくれたんです」


 やっぱり、かわいい娘の笑顔は癒しだな。


「もう、お嫁に行けません」


 顔を赤くして、下に俯きシビーが呟く。

 ちょ、ちょっと待って。

 今の爆弾発言だよな。


「どういうことかな?」


 背中が熱い!

 真後ろからとんでもない熱気を感じる。


「誤解だ、ジェリー!俺は何にもしてない!」

「お嫁に行けないようなことしたんでしょ?」


 怖い、怖いよ・・・。

 鬼の形相のジェリーに、すべてを説明して弁明し、誤解を解くまで約1時間を要した。


 もう俺、お婿さんに行けないよ~。


               ⅤP、休日に街へ出る③につづく

 


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