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俺様の自信家と初仕事---誘惑

少し暗くなった道をオリヴァーさんと歩く。


「あの提案なのですが…」



「どうしたティナ。

もう仔牛脳ミソバーガー買わねーぞ。」



「えー… それはダメですよ…


じゃなくって!

今日、ターゲットを殺すのはやめにしません?」



「なんか、理由があるんだろ。言ってみろ。」



「辞書みたいな資料には確かに不足なく情報はありました。

でも今この時間のその情報については、

私たちは知らない。

よって、知らないという弱点となり、

知る必要があるんです。

だから今から情報収集をして、明日決行。

って思ったんですが、どう思いますか?」



「なるほどな… 確かにそーだな…

わかった。今から情報収集だ。

確か政治家行きつけの酒屋がここらへんに…

あ、あった。 とりあえず入んぞ。」



私たちは資料で確認済みの酒屋に入った。

金曜の夜ということもあって、

店内は賑わっていた。



「ほら!!そこの紅いお兄〜〜さん!

随分とカッコイイねぇ、ええい。

いいなぁ〜 若い子って!!」



あるグループがオリヴァーさんに絡んできた。


そして絡んできたグループは資料に載っていた…

〝重要人〟 として…



「あっちからなんてラッキーだな。

相手をもっと酔わせりゃ一発で情報ゲットだぞこれ。

やりやすいな…」



「や〜ん!!綺麗な男の子発っ見〜〜♡

どーお?お姉さんたちとお喋りしな〜い?」



私の腕を掴んできたのは、

ある女性のグループだ。

この人たちも確か…

そうだ、資料に載っていた人たちだ。



すると、オリヴァーさんは声を潜めて



「ここからは別々に情報収集するぞ。

ティナは多分未成年だろ?

酒は飲むなよ。自分は酔うな。

店の外にはでるな。連れて帰るのもダメだ。」



「了解ーー。」



私たちは別々になった。

オリヴァーさんは男の人のグループへ。

私は女性のグループへ混ざりに行った。



「ほんとーに、綺麗な男の子ね!!

ボクはまだ未成年なのかしら?」



「そんな、お姉さん達の方が綺麗ですよ。

僕、ココに来て酔ってきましたから…


お姉さん達に…♪」



オリヴァーさんは相手に酒を飲ませればいいだろう。

私は彼女たちをおだてて、

いい気分になってから情報を聞こう…



「あらやだ〜!!

綺麗な上に私達を口説いちゃうつもりなのね〜♡」



「ボク、今日は返さないわよ〜♡」

「僕、よく未成年に見られがちですが、

成人してるので、お酒飲めますよ。」



嘘です… 16歳の女です…



「じゃあ私たちとたくさん飲みましょう♡」



この人たちもう酔ってるかな…


近くにウェイターが通りかかったのでオーダーをする。



「スクリュードライバーをお願いします。


…ウォッカ無しで。」



小さな声でアルコールを抜いて貰えるよう頼んだ。

ウォッカがないスクリュードライバーなんて、

ただのオレンジジュースだから大丈夫なはずだ。


流石に酔うわけにはいかない

情報をきっちり聞き出すまでは。



「何を頼んだのボク〜?」



「来てからのお楽しみですよ…♪」



頼んだカクテルを受け取る。



「スクリュードライバーです…。

カクテル言葉をご存知ですか?」



「少ししか知らないわぁ…

なんせ、そんな事をしてくる素敵な男性に巡り合わないもの〜」



相変わらずクネクネと動くな彼女たちは…

誘っているようだが、

申し訳ない。 私は背が少し高い女だ…



「〝貴方に心を奪われた〟ですよ…♪

それでは、乾杯…」



控えめに、目を合わして、知的に微笑み、優雅に、

店内の照明が自分の目に反射する位置を確認し、

オッドアイがキラキラするように魅せる。

ネクタイを少し緩め肌を魅せる。

これで、キュンキュンしてもらわなきゃ困るんだよねぇ…

情報聞いて早くココ出たいな…



「あらやだ… それは素敵ね…」



有難い事に彼女たちは私を見てうっとりしている。

あぁ良かった、ありがとうございます。

女が女を堕とすって…

まぁ、909にいた時もやった事あるし…



「お姉さんたちは、

いつもどんなお仕事しているんですか?

いっそ、悩み事とか日頃のストレスとか、

ここで吐き出してみては…?」



「そうね…。

私はある政治家の妻なんだけどね。

今日は主人が夜遅くまで仕事だから、

寂しくてココに来ちゃったの…」



夫がいるのにココで私に媚び売っちゃダメでしょ。



「私は△△党の幹部としていつも働いてるの…

いつも男ばかりでむさ苦しいけど、

ボクは綺麗だからお持ち帰りしたいわぁ…♡」



おっ、ターゲットと同じ党の人だ!

話聞けるかな



「私も同じ△△党だけど、

議員じゃなくて、✕✕さんの秘書をやってるのよ〜」



ターゲットの秘書だと…!?

これは千載一遇のチャンス…!


「皆さん、政治関連の職だったんですね…

僕もその下っぱです。 同じですね…♪


ところで最近、物騒じゃないですか…?

毎日暗殺事件が耐えないですよね。

お姉さんは素敵な女性だから心配です…!

大丈夫ですか?」



伏し目がちからの、

少し顎を引いて上目遣いで彼女たちを見つめる。


彼女たちは酒に酔って、

私に魅せられて、もうメロメロだな…



「心配してくれるの…? ありがとう…♡

職場でそんな事言ってくれる人なんていないわぁ…♡」



「そうね…

少し前は違う党が狙われていたけど、

一昨日あたりから、△△党が狙われ始めたから、

少し怖いわぁ〜 ボクに守ってほしいなぁ…♡」



「僕は下っぱですから…。

貴方に会うことすらできません…。

お力にはなりたいのは山々です…。」



恐らく明日、

邪魔だから流れ弾で貴方を殺してしまいますが。



「私も秘書で✕✕さんの傍にずっといますが、

警備が強化されてるのは実感できます…

だから今日から、いつもの専用部屋じゃなくて、

違う階の秘密部屋の倉庫に移ったわ…」



これは、とても重要な情報…!

これだけ持ち帰れば充分すぎる。


ふと、オリヴァーさんを見てみると

楽しそうに男に人たちとお酒を飲んでいるように見える。

だが、オリヴァーさんは酔ってる演技をして

全く酔っていない。


オリヴァーさんとふと、目が合った。


〝大きな収穫できました。

私はいつでも出れます。〟


視線だけでそう伝える。


オリヴァーさんはわかったようで、

少しだけ申し訳なさそうにした後



〝悪ぃが、こっちは全く口を割らねぇ

俺が情報を聴き出せたら、

お前を連れて店をでるから

それまでもっと聴き出しとけ〟



オリヴァーさんは苦戦しているらしい。

男の人たちは酔っているが、

簡単には仕事の話をせず、

違う話をしているらしい。



「ちょっと〜、ボク!

どこ見ているの〜?よそ見しちゃダメ!」



隣の秘書の女性が私の腕を掴んで寄りかかってきた。

計算された上目遣いに、

少し赤くなっている頬…


残念。私は堕ちませんよ。女ですから。



「そうですね…。

お姉さんより綺麗な人はやはりいませんでした…

近くで見るとまたお姉さんに酔ってきました…」



この人が1番情報を持っているだろう。

あとはおだてて搾り取るだけ。

「まぁ言ってくれるじゃない…♡」



「いつもお仕事大変ですよね…

おつかれ様です…

嫌なこととかありませんか?

僕で良ければ聴きますよ。」



寄りかかった彼女の腰に手を回して

自分からも密着する。



すると、彼女は話し始めてくれた。



「今日も…、荷物を秘密の部屋に移動するとき…

ほんっとに… 人遣いが荒いんです…

秘密部屋は入るのが少し面倒で、

3階にあるのに1階から入らなきゃだし…

荷物は全部私が運ばされたのに!!

殺されるかもしれないから、

その時はお前が盾になれとか…」



これまた重要な情報を…



「それは… 酷いですね。

こんなに綺麗な女性に力仕事をさせるなんて…」



「ちょっとボク〜!

私の事も相手してよぉ!

△△党の人達は最近仲が悪くて私は窮屈なのぉ〜!

私も癒してぇ!」



「それは毎日大変ですね…

お姉さんはそれでも頑張っているから強い女性ですね…♪」



今は隣のこの人からさっさと情報を聞か出さねば…

夫が政治家の人は…

おっ、疲れて寝てるね。


オリヴァーさんがいた方で

誰かが席を立った気配がした。

こちらに向かってくる足音…


オリヴァーさんだ!

よし!もう帰れる!あと一押し!



「ちなみにその秘密部屋には1階からどうやって入るんですか…?」



酔ってるから今なら教えてくれるだろう…

頼む…!



「1階の応接間の本棚を横にずらすの…

見た目に反して少しの力で動くの…

そしたら上に続く階段が見えるから…」



完璧だ! 大収穫だ♪


私は彼女の腰から手を離して、

その手でウェイターを呼んだ。


「こちらの女性にブラッディメアリーを…」



そして、

その手を誰かがパシッと掴んで私を立たせる。



「待たせたな。さっさと出るぞ。」



先程、一緒に話した彼女たちは

有難い事に酔って寝ていた。



「1ついいですか?オリヴァーさん。

私の情報は大物ですよ…♪」



「そりゃすげーだろーな。

俺も負けねぇくれーに大物収穫だけどな♪」



私たちは足早に店を出た。




「席を立たれたお客様は

カクテル言葉をよくご存知で…」



ブラッディメアリーの注文を受けたウェイターが彼女たちのテーブルにそれを置く。


〝断固して勝つ〟



もちろん、頼んだ16歳の少女は

恋愛的意味ではなく

明日起こるであろう、

出来事についての意味だーーー


真っ暗になった道をオリヴァーさんと歩く。



「流石にスーツで野宿は怪しまれるよな…

ビジネスホテル見つけて泊まるか。」



「そうしましょうか…」



今日、初対面の男の人と泊まりか…

初日で女ってバレそうだよ。

お願いだから別々の部屋で…






「意外と広い部屋が残ってたな。

とりあえずティナ先にシャワー浴びてこいよ。」



同じ部屋になってしまった…

そこしか空いてないなんて… くっ…



「ありがとうございます。

先にシャワー浴びてすぐに出ますね。」



お願いします…

浴室には来ないでくださいお願いします…


1日中ずっと締め付けていたサラシを外す。


「ティナは胸が無いから

サラシなくても男装できるよ。」


って前にレンに言われた時は、

そのまま回し蹴りを見舞いしたのを覚えてる。


それが事実なんですけどね…

さっき密着してきた女は胸が大きくて柔らかくて…

羨ましい!!!


さっさとシャワーを浴びよう…


1日の疲れを癒すべくシャワーを浴びる。


初日でこんな仕事して…

お疲れさまだよ自分…!

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