俺様の自信家と初仕事
「場所は、ココから少し離れた発展途上国だ。
そこで最近、政治家の暗殺が多発していてね、
銃撃戦もよくあるらしい。
その政治家の中に
重要な情報を持っている人がいる。
見つけ次第、情報を吐かせて始末するんだ。」
なるほど
銃撃戦に混じってターゲットに近づいて
吐かせてそのまま殺せと。
「えぇ〜!始末するんですか!?
僕、ちょっと無理です…」
「銃撃戦ですか…
オリヴァーが適任だと思いますが…」
「あぁ、別に構わねーよ。俺が行く。」
初めての仕事はオリヴァーさんとペアか…
「じゃあ、オリヴァーとティナがペアだね。
よろしく頼むよ。
ネシスがヘリを出してくれるらしい、
30分後にスーツに着替えて準備して
屋上に集合だそうだ。」
「マジかよ…
本っ当にココ部署の仕事は突発的だよな…
まぁ、慣れちまったんだけど。
おい、ティナ準備できるか?」
「はい、すぐに。」
「じゃあ、30分後に屋上だ。またな。」
そう言ってオリヴァーさんは準備の為に
部屋を出ていった。
「そうそう、ティナにはこれを渡しとくよ。
あっちの資料だからざっと覚えて。」
そう言って辞書のように分厚い資料が渡された。
「うわぁ… 鬼ですねホールさん…
僕ならポイってしちゃいますね〜」
「ティナさんはエリオットと違って、
androidだから大丈夫ですよ。」
「そうでしたね!魔法でちゃちゃっとですね!」
「いや、あの、普通に頑張りますから。
では、準備するので… 失礼します。」
私も部屋を出て準備に取り掛かった。
用意してあったスーツに着替えて、
最低限の持ち物を持って屋上に向かった。
「おっ、ティナもう来たのか。
まだ15分しか経ってねーけど。」
「オリヴァーさんの方が早くいるじゃないですか。」
「俺はいいんだ、ティナは新入りだろ。
ほら、行くぞ。」
私たちはヘリに乗った。
すると、もう既に操縦席には
ネシスさんが座っていた。
「…なんでネシスがいんだよ。
普通に関係ねーだろ。」
あっ、オリヴァーさんイライラしてる…
ネシスさんの事あまり好きじゃないのかな?
「調査偵察班はlexxの中でも特別ですからね、
わたくしがお供させて頂きます。」
うっわぁ… ネシスさん怖いくらい満面の笑み…
険悪ムードの中出発した。
オリヴァーさんと一緒に資料の確認をしていく。
毎日といっていいほど、
一日単位で政治家の暗殺事件がある。
厄介なのは、
多数のグループが政治家を狙っているせいで、
グループ同士の勃発もある事だ。
「だから銃撃戦って事か…
他のグループがそいつを殺したら、
自分たちのグループの利益はねーからな。」
オリヴァーさんの言う通りだ。
「それじゃあ、私たちも他のグループを名乗って
紛れて暗殺すれば問題ないですね。
今回の仕事って…」
「「 ちょろいな / ですね 」」
あっ、ハモった…
「ふっ…、いや…、すみません…。
フフフッ、ハッ……」
ダメだ… じわじわ笑いがこみ上げてくる…
「ティナもちょろいって思ってんなら、
すぐ済ませて、すぐ戻んぞ…
お前、笑うなよ、俺も笑っちまうだろ…
クッ…」
あっ、オリヴァーさんも笑っちゃってる…
誘い笑いってやつだよ…
「御二方はすっかり意気投合していらっしゃるのですね。」
「は?なんだよ。
ネシスはついででこの場にいるからな。
仲良くなんてならねーよ。」
あぁ…まただ…完全にこの2人は仲が悪い…
すると、
オリヴァーさんは少しこちらに目配せをした。
ネシスさんには聞かれたくない話なのだろう。
私も目を合わせて、
オリヴァーさんの次を待つ。
〝ネシスの事は向こうについて、
時間がある時に話すから、
今は少し待ってろ。〟
声には出さずに目で伝えられた。
こういうのは慣れている。
私は〝了解しました。〟と伝え、
再び資料に目を通す。
「あと少しで国に着きますので、
準備をお願い致します。
ヘリは建物を見つけ次第近づきますので、
飛び降りて仕事に取り掛かってください。」
外の景色も建物が見えてきた。
「それでは、検討を祈ります…!
ターゲットの始末が完了したら迎えにきますので、
ご連絡お願い致します!」
ヘリのドアが開ていたから、
ネシスさんは声を張り上げて私たちに言ってくれた。
「ティナ!ココから飛び降りんぞ!
できるよな、いくぞ!
3、2、1!」
私とオリヴァーさんは、
ヘリから建物の屋上に飛び降りた。
ダンッ
「着地成功だな。
ほら、怪しまれる前にココから降りんぞ!」
私とオリヴァーさんは建物内に入り、
地上へと向かった。
建物内で誰にも気づかれること無く
また外に出た。
私はこういうのは8歳からやっているから、
慣れている。
オリヴァーさんもそのようで、
特に焦る事もなくスグに外に出れた。
多分彼も
長い事こんな仕事をしているのだろう…
そういえば、ヘリの中やここに来るまで
よく見てなかったけど、
イケメンはスーツを着るだけで違うな…
紅髪に合わせて
ネクタイもオレンジがかった紅色。
背も高いだけあって、逆に…
「オリヴァーさんスーツ着こなしてますね。
目立ちそうですね。紅い髪と同じ色の瞳が。」
「おいおい、それティナが言うのかよ…
お前も充分着こなせて目立ってんぞ…
その青髪に紫のメッシュに加えて
オッドアイだからな。」
あぁ、確かにそうかもしれない。
無駄に色んな色素が入っているから…
いやでも…
「「仕事できるから問題ないよな / です。」」
「 …アッハハハ!!
なんでこんなに揃うんですか。
オリヴァーさん私の脳読まないでください。
気持ち悪いですよ。」
「それはお前だろ。
ヤバイ薬でもやって
俺の幻聴が聞こえんじゃねーの。」
「だから、やってないですって…!」
そんな会話をしながら、人に紛れて街を歩いた。
オリヴァーさんは話しやすいな…
私たちは、栄えている所にまで歩いてきた。
〝〇月✕日! △△党の公演会を開催!〟
〝本日の19時〜 ◇◇党主催ディナーショー…〟
「随分と政治熱心な事だな。怖いぐれーに。」
そんな貼り紙があちこちにある。
「とりあえず、ターゲットを狙うのは夜だよな。
今は夕方だからもう少し待ってねーとな…
なんか食うか?
俺が買ってきてやるから待っとけよ。」
そう言ってニヤニヤしながら
オリヴァーさんは売店に行った。
あっ、戻ってきた…
「新入りだからな。俺の奢りだぞ…♪」
オリヴァーさんはハンバーガーを買ってきてくれた。
「丁度お腹空いてたんですよ。
ありがとうございます。いただきます。」
オリヴァーさんから
必要以上に視線を感じながらもパクッと食べる。
…ん! これは!
「仔牛の脳みそバーガーじゃないですか!
大好物です!ありがとうございます!」
あ〜!!やっぱり美味しい!
朝はカエルのお刺身食べ損ねたから〜♪
「 …なんでそーなるんだよ!!!おい!!」