諜報機関へ
ーーーピンポーン
朝の9時ちょうどに家のベルが鳴る
私はドアを開ける
「おはようございます。
諜報機関〝 lexx (レックス) 〟から参りました。
私は、ネシスと申します。
レンさん ティナさんでお間違えないですか?」
「おはようございます。
わざわざお迎えまでありがとうございます。
僕がレンです。よろしくお願いします。」
「私はティナです。よろしくお願いします。」
男として働けという事で
声もいつもよりトーンを下げて挨拶した。
「ティナさんは今は女性のままで結構ですよ。
lexxへご案内致しますね。」
なんだ… ネシスさんは知っているのか…
私達はネシスさんの車に乗り込む
発進してから間もなく、
「お2人にはこれからlexxの総司令官クロス様と対面して頂き、
その後、早速ですが、
それぞれの部署で仕事して頂きます。」
「僕たち、別々の部署という事ですか…?」
「そうなります。
御二方の能力に合わせて適任な所へ…
と思ったのですが全てが優秀でして…
劣るという言葉は存在しないのですね。
素晴らしい限りです。」
アステル最高官も似たような事言ってくれたな…
「レンさんは化学研究班に、
ティナさんは調査偵察班に配属されています。」
レンとは別々なんだ…
まぁでも同じ家に住んでいるわけだし
大丈夫かな…。
「化学研究班は名前の通りですが、
薬品の解明や製造になります。」
「あぁやっぱりそうですか。
僕なんかでできますかね?独学ですが…」
「独学でそこまでの実力をお持ちなら
全く問題ありませんよ。
ティナさんの調査偵察班は
簡単に言えば現場の前線でドンパチする感じですね。」
「ハハ、やっぱりそうなりますよね。
その方が性に合います。」
「…………
(なぜ僕は研究班でティナが現場でドンパチなの!?)」
レンは何か考ているような顔をしているけど
まぁいいか、とりあえず頑張ろう、うん。
「ちなみに、ティナさんを女性と知っているのは
クロス様、調査偵察班リーダーのホール、そして私になります。」
調査偵察班のリーダーも
私が女ってわかっているなら
かなり楽じゃない…?
「わざわざ教えてもらってありがとうございます。
頑張りますね。」
私達は車を降りてlexxの最上階へ向かった。
エレベーターで最上階に着くまでそう時間はかからなかった。
扉を開けると…
「ここへ来たことを歓迎しちゃうよ〜
は〜い、いらっしゃ〜い」
lexxの最上階、総司令官のクロスさんは…
ゆるい人なのかな…?
「話はアステルから全部聞いたから大丈夫で〜、
909でこの成績なら全然問題ないから、うん。
寧ろ、lexxに預けちゃっていいの〜って感じ。」
見た目からしてアステル最高官と年はあまり違わないかな…
なんかテキトーそうな人だな…
実力は確かなんだろうな…
「レンはこのまま化学研究班の所行ってね、よろしく〜
ティナはちょっと残ってね、うんうん。」
「じゃあね、ティナ…
部署は違うけど… 頑張ろうね」
「そうだね、頑張ろうレン」
レンは部屋を出てエレベーターに乗った。
「さっ、ティナの事なんだけどね。
これからは男でよろしくね。
理由は行けばわかるから。
調査偵察班が特殊なんだよ色々とね〜」
クロスさんが言うならそのようにしよう…
色々ってなんだろう…
「ネシス〜、ホール呼んでるっけ〜?」
「只今、こちらに向かっているそうです。
もう暫くお待ちくださいませ。」
「あの…
ちなみにネシスさんはどんなお仕事しているんですか?」
「私は、主にクロス様の補佐、
たまに他国の金融機関の破壊くらいですね。」
え!?ネシスさんそんな物腰柔らかなのに、
軽々しく金融機関破壊しちゃうんですか。
カルウィング…
私なんかより物騒な人見つけたよ…
「ネシスの実力はすっごいんだよ〜
俺の補佐もしてもらっちゃってね〜」
「お褒めにかかり光栄です…」
ガチャーーー
「お呼びでしょうか?クロス様」
「ああ、ホールねいらっしゃ〜い
その青い子がティナね、
今日からそっちに配属される子だから、
面倒みてあげて、よろしく〜」
黒髪でスラリと長身の…
凄く落ち着いた大人という印象だ。
スーツを着ているだけなのに…
何故こんなにもイケメンなんだ…?!
え!?え!?
「ティナだね?初めまして、
調査偵察班リーダーのホールだ。
男として大変かもしれないけど、
頑張っていこうか。」
「はい… よろしくお願いします…」
私はこの時まだ知らなかった
調査偵察班がとんでもない所というのを…