道中、諸葛亮に遇う
携帯のバッテリー表示が、1%からゆっくりと上昇し始めた。
【充電中:2%...3%...】
古代と現代が混ざり合った制御装置から、安定したエネルギーが流れ込んでくる。雷鳴はまだ周囲で轟いているが、装置の範囲内は不思議に静かだ。一種の防御フィールドが張られているようだった。
「これで、ようやく……」羅夢はほっと息をついた。
「しかし、此の装置、いつまで持つかわからぬな」曹操は周囲の雷雲を見上げながら言った。「雷が収まれば、エネルギーも止まるだろう」
「ならば、充電できる内に、できるだけ充電せねば」信長は相変わらず楽観的だ。
趙雲は警戒を続けている。「何か来ます」
彼の指さす先に、人影が見えた。
雷光に照らされ、ゆらゆらと近づいてくる。一人の男だ。身につけるのは青色の道服、手には白羽の扇。長い髭をたくわえ、目は鋭く澄んでいる。
その風貌を見た瞬間、曹操の体がわずかに硬直した。
「……諸葛亮」
その名前を聞き、趙雲も目を見開いた。「丞相!?」
信長は興味深そうに眉を上げた。「おお、此れがあの『伏龍』か」
諸葛亮はゆっくりと近づき、一行を見た。その目は曹操の上に一瞬留まり、微かに動いたが、すぐに平静に戻る。次に趙雲を見て、わずかに頷く。そして信長と羅夢を見て、少し首をかしげた。
「……曹操公、子龍。そして、お二人は」諸葛亮の声は穏やかだが、雷鳴の中でもはっきりと聞こえる。「此処でお会いするとは、何という縁だろう」
「孔明」曹操は冷静に、しかし警戒を解かない。「何故ここに」
「風を借りに来た」諸葛亮は白羽扇を軽くあおいだ。「赤壁の戦いのため、東南の風が必要と聞き、此の地に来たのだが……どうやら、場所を間違えたようだ」
「風を借りに……」羅夢は思わず声に出した。「でも、ここは雷の嵐ですよ?」
「然り」諸葛亮は空を見上げた。「本来、風が起こるべき場所に、雷が起こっている。此れは、天の理が乱れている証拠だ」
彼の目が、羅夢の手に持つ携帯に留まった。
「そして、其の方は……何か、天の雷を小さき匣に封じ込めようとしているのか?」
「え?いえ、これは充電で――」
「充電?」諸葛亮は聞き慣れない言葉を繰り返した。
【オフライン翻訳、起動中!】
小弥の声が、再び陽気に響いた。
【ユーザー羅夢の発言『充電』を解析!】
【古代中国語への適切な翻訳を検索中!】
【候補:『蓄電』『充能』『蓄雷霆之力于方寸之間』】
【文脈に合わせて、三番目を選択しました!】
「蓄雷霆之力于方寸之間?」諸葛亮の目が輝いた。「雷の力を、方寸の間に蓄える……なるほど」
「いや、正確には――」
「妙なるかな!」諸葛亮は突然興奮したように近づいてきた。「雷は天の怒り、瞬時にして消えゆくもの。それを器物に蓄え、自在に使うとは!」
彼は携帯をじっと見つめ、そして羅夢を見た。
「其の匣、見せてくれぬか?」
羅夢は少し戸惑いながらも、携帯を差し出した。バッテリーは15%まで回復している。
諸葛亮は慎重に携帯を受け取り、裏表を観察した。
「金属と……何かの黒き素材。軽く、薄い。然して、此の光る面……」
彼は指でそっと触れた。画面に、猫の待受画面が映っている。
「此の獣は?」
「私の猫です」羅夢は説明した。「まんじゅうって言います」
「猫……か」諸葛亮は深く頷いた。「虎に似て小さい。飼い慣らされているのか?」
「まあ、そうですけど……今はそれどころじゃなくて」
諸葛亮は携帯を返し、再び装置を見た。
「では、此の装置で、雷の力を其の匣に蓄えていると?」
「はい。バッテリー、つまりエネルギーが切れちゃってて」
【バッテリー:16%】
「十六パーセント……か」諸葛亮はその数字を理解したようだ。「完全には、百パーセントか」
「そうです!でも、雷が止まっちゃうかもしれないし、この装置も壊れそうだし――」
「ならば、助けてあげよう」諸葛亮は突然言った。
四人は一瞬、言葉を失った。
「……助ける、だと?」曹操が慎重に聞き返した。
「然り」諸葛亮は白羽扇を軽くあおぎながら、装置の周りを歩き始めた。「此の装置、古代の祭祀台に、何者かが後付けしたもののようだ。然し、接続が不完全。雷の力の半分も引き出せていない」
彼は突然、扇で装置の側面をトン、トンと叩いた。
その瞬間、装置の表示画面がパッと明るくなり、数値が急上昇した。
【エネルギー変換効率:35% → 68%!】
【充電速度、2倍に向上!】
「おお!」信長が驚嘆の声を上げた。
「どうやって……」羅夢は目を見開いた。
「単純だ」諸葛亮は淡々と説明した。「雷の力は、天から地へ流れる。然るに、此の装置は、天からの力を取り込むことにばかり気を取られ、地からの力を無視している」
彼は地面を扇で指した。
「雷は、天と地の間で起こるもの。両方を使わねば、効率は上がらぬ」
「……成る程」曹操は感心したように頷いた。「天地陰陽の理か」
諸葛亮は曹操を見て、微かに笑った。「曹操公も、お分かりのようだな」
「少しばかり、学んだことがある」
二人の間に、不思議な緊張感が走った。敵同士だが、知性に対する敬意がある。
【バッテリー:20%】
「速くなった!」羅夢は喜んだ。
「しかし」趙雲が心配そうに言った。「雷が強すぎれば、匣が耐えられぬのでは?」
「其の懸念はもっともだ」諸葛亮は頷いた。「ならば、雷の力を『選別』すれば良い」
「選別?」信長が首を傾げた。
「雷にも、強弱がある。強すぎる雷は避け、適度な雷のみを導く」諸葛亮は扇を掲げ、空中に何か印を描くように動かした。
その動きに合わせて、周囲の雷の光が変わった。幾筋かの稲妻が、装置から少し離れた場所に落ち始める。
「雷を……操っている?」羅夢は信じられなかった。
「操るなど大層なものではない」諸葛亮は謙遜したが、目は確かに輝いていた。「只、雷の流れやすい道を、少しばかり整えているだけだ」
曹操は深く観察している。「風水の理か。雷も、自然の流れの一部ならば――」
「其の通り」諸葛亮は曹操を見て、またしても微かに笑った。「曹操公、やはりお見込み通りだ」
【バッテリー:25%】
充電は順調に進んでいる。しかも、雷が装置から離れた場所に落ちるため、安全性も高まった。
信長が感心してうなずいた。「なるほど、軍師というものは、戦場だけでなく、天候さえも味方につけるのか」
「戦場の天候は、勝敗を分ける」諸葛亮は平静に答えた。「風も、雨も、雷も、全てを計算に入れねばならぬ」
その時、羅夢の携帯が震えた。
【新着メッセージ:現実世界より】
【差出人:ルームメイト(ゆり)】
【件名:大丈夫?】
【内容:今、救急車で病院に運ばれてるよ。あなたの携帯、部屋にないみたい。どうしたの?連絡して。】
「っ!」羅夢の顔色が変わった。
「どうした?」趙雲が敏感に気づいた。
「現実世界で……私、病院に運ばれてるみたい」
曹操の目が鋭くなった。「危険なのか?」
「まだ大丈夫みたいだけど……でも、心配してる」
諸葛亮が興味深そうに聞いていた。「現実世界……とは?」
「彼女の本来の世界だ」曹操が説明した。「我々が今いる此の地は、現実ではない。融合した時空なのだ」
「時空融合……」諸葛亮は深く考え込んだ。「道理で、天象が乱れているわけだ」
彼は羅夢を見た。
「ならば、急がねばならぬな。早く其の匣を満たし、貴女が本来の世界に戻れるように」
「でも、戻り方もわからないし――」
「一つ、提案がある」諸葛亮は突然言った。「其の匣、完全に満たされた時、何か起こらぬか?」
羅夢は考えた。「多分……システムが完全に起動して、もっと機能が使えるようになるかも」
「システム……か」諸葛亮はその言葉を噛みしめるように繰り返した。「では、それを見るためにも、充電を急ごう」
彼は再び扇を動かし、雷の流れを調整し始めた。
【バッテリー:30%】
充電はさらに加速した。
その間、曹操と諸葛亮は、距離を保ちながらも、時に言葉を交わした。
「赤壁の戦い……か」曹操は遠くを見つめながら言った。「あの時、東南の風が吹いたのは、貴様の仕業か」
「天の気まぐれです」諸葛亮は平静を保った。「亮が、風を呼べるわけがありません」
「ふむ……そうか」
「しかし」諸葛亮は曹操を見た。「あの戦いがなければ、天下はまた違ったものになっていたかもしれませんな」
「……それもまた、運命だろう」
二人の間には、奇妙な尊敬と警戒が入り混じった空気が流れていた。
信長はその様子を面白そうに見ていた。「はは、なるほど。これが『好敵手』というものか」
趙雲は複雑な表情を浮かべていた。彼にとって、諸葛亮は主君・劉備の軍師であり、曹操は敵である。その両方が、此処にいる。
【バッテリー:40%】
「順調だな」信長が満足そうに言った。
しかし、その時——
装置が軋み始めた。
「……!?」羅夢が慌てて装置を見た。
表示画面がちらつき、数値が不安定に揺れる。
「エネルギーが、乱流している」諸葛亮が眉をひそめた。「何かが近づいている」
「歴史修正者か?」曹操が剣に手をかけた。
「いや、違う」諸葛亮は空を見上げた。「もっと……大きなものが」
空が歪んだ。
雷雲の向こうに、巨大な影が現れ始めた。
それは、雲そのものが形を成したような——龍の姿だった。
【警告:超大型データ生命体を検知!】
【名称:時空の歪みが生み出した『雷雲龍』】
【特徴:雷エネルギーそのものが具現化した存在!】
【戦闘力:計測不能!】
【提案:逃げましょう!今すぐに!】
「龍……!?」信長は目を見開いたが、驚きよりも興奮が先に立っていた。「面白い!ついに、龍と戦える時が来たか!」
「馬鹿者!」曹操が叱った。「あれは、戦える相手ではない!」
趙雲も槍を構えながら、冷汗をかいている。「此れは……普通ではない」
諸葛亮は冷静に状況を分析していた。「雷のエネルギーが過剰に凝縮され、自我を持ったようだ。……我々の充電行為が、引き金になったかもしれぬ」
「え!?私達のせいですか!?」羅夢は青ざめた。
「間接的にはな」諸葛亮はうなずいた。「大量の雷エネルギーを一点に集め、変換している。其れが、此の地のエネルギーバランスを乱したのだろう」
龍は、ゆっくりと頭を下げ、彼らを見下ろす。その目は、雷光そのものでできている。
【バッテリー:45%】
「まだ半分も行ってない……」羅夢は絶望的だった。
「孔明」曹操が声をかけた。「策はあるか?」
諸葛亮は一瞬考え、そして答えた。
「二つの方法がある。一つ、此の場を捨て、逃げる。ただし、龍が追ってくる可能性が高い」
「もう一つは?」
「雷雲龍そのものを、エネルギー源として使う」
沈黙が流れた。
「……何だと?」信長が聞き返した。
「つまり」諸葛亮は説明した。「装置で、龍から直接エネルギーを引き出すのだ。それなら、充電は一瞬で完了する」
「だが、危険すぎる!」趙雲が反対した。「龍の怒りに触れれば、一瞬で灰になる!」
「其の危険は承知している」諸葛亮はうなずいた。「然し、考える時間は少ない」
龍が、低い唸り声を上げた。空気が震える。
【バッテリー:46%】
羅夢は必死に考えた。逃げる?でも、龍に追いかけられたら終わりだ。戦う?勝てる気がしない。
それなら……
「やってみます」彼女は言った。
四人が彼女を見た。
「龍から、エネルギーをもらうってことでしょ?」羅夢は震える声だが、意志は固かった。「だって、もう後戻りできないし。現実世界でも、時間がないし」
曹操は彼女をじっと見つめ、そしてゆっくりとうなずいた。
「……よかろう。孔明、どうする?」
諸葛亮は扇を軽くあおいだ。
「では、私が龍の気を引こう。其の隙に、装置を龍に繋げるのだ」
「どうやって繋ぐ?」信長が聞いた。
諸葛亮は、装置から伸びている金属の棒——携帯に繋がっているそれを指さした。
「其れを、龍に向けて放つ。雷は金属を伝わる。龍が雷ならば、伝わるはずだ」
「だが、棒を放てば、匣との接続が切れる」趙雲が指摘した。
「ならば、切れぬようにすれば良い」諸葛亮は曹操と信長を見た。「お二人、其の棒を、龍に向けて投げつけることはできるか?ただし、手は放さずに」
曹操と信長は顔を見合わせ、そして笑った。
「面白い挑戦だ」信長はやる気満々だ。
「試してみよう」曹操は冷静にうなずいた。
「では、行くぞ」諸葛亮は一歩前に出た。
彼は扇を高く掲げ、龍に向かって叫んだ。
「雷雲の龍よ! 其の方も、時空の歪みに囚われし者ならば、我らと手を組まぬか!」
龍は、ゆっくりと首をかしげた。まるで、理解しようとしているようだ。
「我らは、此の歪んだ時空を正そうとしている! 其の力が必要だ!」
龍が唸り声を上げた。しかし、今回は怒りではなく、問いかけのように聞こえる。
【オフライン翻訳、龍語解析中!】
【……難しい。超難しい。】
【でも、多分『何故、お前たちを助けねばならぬ』って聞いてると思います!】
「助けるためではない!」諸葛亮は叫んだ。「共に、自由になるためだ!」
龍の目が、一瞬強く輝いた。
「今!」諸葛亮が合図した。
曹操と信長が、金属の棒をしっかりと握り、龍に向かって振りかぶった。
しかし、投げるのではない。棒を、龍に向けて「差し出す」のだ。
「行くぞ、曹公!」
「うむ!」
二人の力で、棒が龍の方へと伸びていく。
龍は、棒の先端をじっと見つめていた。
そして――
棒の先端が、龍の体(雲)に触れた。
一瞬、静寂。
次の瞬間――
強烈な光が迸った。
【エネルギー、超大量流入!】
【警告! 警告! 容量オーバー!】
携帯の画面が真っ白に光る。
【バッテリー:50%...70%...90%...】
数字が狂ったように上昇する。
100%
そして――
【120%...150%...200%!】
「多すぎる!」羅夢が叫んだ。
「制御できぬ!」諸葛亮も表情を曇らせた。
龍が咆哮した。今度は、苦しそうな声だ。
【バッテリー:250%! 危険水域!】
【緊急放電が必要です!】
「放電!どうやって!?」羅夢はパニックになりかけた。
その時、小弥の声が響いた。
【アイデアがあります!】
【オフライン翻訳機能、最大出力!】
【龍との直接対話を試みます!】
「何!?」
【実行!】
携帯のスピーカーから、何か——雷のような、唸り声のような音が流れ出した。
龍の動きが、突然止まる。
そして、龍の口から、言葉のようなものが聞こえてきた。
『……話せる……のか?』
人間の言葉ではない。しかし、脳内に直接意味が響く。
『久しぶりだ……言葉が……』
龍の目が、羅夢——いや、彼女の携帯を見つめている。
『小さき匣……我が声を……聞くのか?』
「はい!」羅夢は叫んだ。「聞こえます!」
『……面白い』龍は、ゆっくりと頭を下げた。『では、聞け……我は、此の地に囚われし……時空そのものの涙だ』
「時空の……涙?」
『幾つもの時代が、無理に繋がれ……痛み、悲しみ、怒り……それらが、雷となり、我となった』
龍の声には、深い哀しみが込められていた。
『お前たち……時空を正そうとするなら……我が力を、使うが良い』
「でも、あなたは——」
『我は、もう長くは持たぬ』龍は静かに言った。『此の姿も、いつかは散る……ならば、最後に、意味のあることに使わせてくれ』
龍の体から、光の粒子が舞い散り始める。
『力を……受け取れ……』
そして、最後のエネルギーが、棒を通じて流れ込んだ。
【バッテリー:300%!】
【超充電完了!】
【新機能アンロック:『時空干渉(限定的)』】
【説明:周囲の時空歪みを、一時的に調整できます】
龍の体が、光の粒子に分解され始める。
『ありがとう……小さき匣の使い手よ……』
最後の声が、風に消える。
龍は完全に光になり、そして散っていった。
雷雲も、少しずつ晴れ始める。
静寂が戻ってきた。
四人は、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。
携帯のバッテリー表示は、300% のまま、ゆっくりと299%、298% と減り始めている。
「あれは……」趙雲が呟いた。「あれは、何だったのだ……」
「時空そのものの悲しみ……か」諸葛亮は深く頷いた。「道理で、あれほどの力があったわけだ」
曹操は黙って空を見上げていた。
信長も、珍しく言葉を失っている。
羅夢は、携帯をしっかりと握りしめた。
「ありがとう」彼女は小声で言った。「龍さん」
そして、新たな通知が表示された。
【時空干渉機能、使用可能】
【初回使用で、一時的に現実世界との通信が可能になります】
【使用しますか? Y/N】
羅夢は、息を呑んだ。
これで、現実世界に連絡できる?
彼女は、ゆりからのメッセージを思い出した。
『今、救急車で病院に運ばれてるよ』
「……使います」
【実行】
携帯の画面が変わり、新たなインターフェースが現れる。
【通信先を選択してください】
【1. ルームメイト(ゆり)】
【2. VRテスト会社】
【3. 緊急通報(110)】
【4. その他(手動入力)】
羅夢は迷わず「1」を選んだ。
画面が変わり、メッセージ入力画面になる。
彼女は指で、ゆっくりと文字を入力し始めた。
『ゆり、大丈夫。生きてる。詳しくは後で。心配かけてごめん』
送信ボタンを押す。
【送信完了】
【ただし、時空を越えた通信のため、メッセージが歪む可能性があります】
【届くメッセージ:『ユリ、タイジョウブ。イキテル。クワシクハアトデ。シンパイカケテゴメン』】
【……まあ、意味は通じるでしょう!】
羅夢はほっと息をついた。
これで、少しは安心させられる。
彼女は顔を上げ、四人の英雄を見た。
曹操、信長、趙雲、諸葛亮。
彼らは皆、彼女を見つめ返していた。
「では」諸葛亮が口を開いた。「次は、どうする?」
羅夢は、300%のバッテリーと、新たな機能を手にした携帯を見つめ、そして決意を込めて言った。
「時空の歪みを、正しに行きましょう」
「此の世界の真実を、知りに」
四人は、それぞれの思いを胸に、うなずいた。
雷の跡が残る大地に、新たな旅の始まりを告げる陽光が差し込み始めていた。




