表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白虹こはく  作者: 雨世界
5/5

5 綺麗な声だね。君の声。大好きなんだ。

 綺麗な声だね。君の声。大好きなんだ。


 こはくの声はとても綺麗だった。

 出会ったときから(高校生のころだ。なつかしいな)そう思っていたけど、白虹こはくになって、こはくの声はますます綺麗になった。(いっぱい歌のトレーニングをしたし、のどにもきをつけた生活をするようになった)

 その歌声は、本当に美しかった。(ちゃんと人気もちょっとずつだけど、きちんとでていた)

 ぼくは自分の声があんまり好きじゃなかった。(まあ、別に気にしていたわけじゃないけど)

 でもこはくは「私、ことりの声。すっごく好きだよ。変な声だなんて思ったことないよ」と子供っぽい顔で笑いながら言っていた。

(教室でよく二人でだらだらしてた。あのころは本当に楽しかった)

 高校生のときは、本当かな? って思っていたけど、今はこはくは本当に『ぼくの声が好きだって』、そう思っていたんだってわかるようになった。

 こはくが好きだよって、言ってくれたから、ぼくは自分の声が嫌いじゃなくなった。(本当の本当は少し気にしていたんだ)

 だから、ありがとう。こはく。

「ほ。よっと」

 と言いながら、こはくはジャージを着て、ダンスの練習をしている。運動神経が悪いから、それはとってもぶかっこうな風景だった。(思わず、少し笑ってしまった。それでこはくに怒られた)

「コスプレ? こはくの?」と汗をタオルで拭きながら、こはくは言った。

「うん。動画にしようよ。絶対に人気が出るよ」とぼくはいった。

 それからぼくは自分で作った白虹こはくの衣装をこはくに見せた。するとこはくは「おー。すげー」と言って、目をきらきらとさせて、驚いた。

 本人が映る動画ははじめてだったので、かなりどきどきしたけど、こはくは白虹こはくの衣装を着て、顔は写さないままで、画面の中ではしゃいでいた。

「では、少し恥ずかしんですけどね、歌を歌っていきたいと思います。なにがいいですかね? リクエストとかありますか? うん。はいはい。なるほど」

 といいながら、白虹こはくのコスプレをしているこはくが、楽しそうな声でみんなとお話をしている。

 そんなこはくをみて、頑張って、白虹こはくの衣装を作って(すごく大変だったけど)よかった、とぼくは思った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ