表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/23

03 弟の憂鬱

 ゴールデンウィークが終わった。

 なんか中学より部活がキツくね?連休明けたらインターハイの予選だからか?部活はまだ始まったばっかだってのに憂鬱だよ。

 ……憂鬱って言えば姉ちゃんだ。

 なんなん、あれ?

 がっつりコウを狙ってる。あんなん初めて見た。ってか、姉ちゃんも女だったんだな。なんていうか、いろんな意味でキモかった。

 う~ん、確かに姉ちゃんも悪くはないと思うよ。ちょっとがさつだけど、なんだかんだやさしいトコあるし。

 でもなぁ、姉ちゃんにコウはもったいない気がするんだよな。

 中学んときは誰とも付き合ってなかったと思うけど、そこそこ人気があったし。

 姉ちゃんだと……負けるよなぁ。

 あれか?コウの初恋が姉ちゃんだってので本気になった?いやいや、だって小学校の話だぜ。それはちょっとなー。

 それにコウはおっきい方が好きだしな。姉ちゃんだと……泣けてくるよ。

 どうしたんもんかなー。

 それにコウもコウだしな。


 ゴールデンウィークにやった中学のクラス会で、付き合い始めた奴はいなかったけど仲良くなったって奴がちらほらいた。

 だからコウに姉ちゃんのことを聞いてみた。


「そう言えば、姉ちゃんが初恋だって言ってたけど、今見てどうよ?」

「あー、やっぱ可愛いな」

「はい?」

「あー、やっぱり嫌だよな。身内のことを言われるって」

「そうでもねぇけど」

「そう?ならいいんだけどさ」

「なに?うちの姉ちゃんいいの?」

「なんだよ」

「なんだよはこっちだよ」

「今日はやけにグイグイくるなぁ」

「そりゃそうだろう。コウの話なんて聞いたことないからな」

「そうか?」

「ああ。それにうちの姉ちゃんがってのも気になる」

「やっぱ嫌か?」

「ちげーって。アレのどこがいいのかなって」

「アレって。まぁ見た目かな?」

「はぁ?お前おっきい方が好きだったろ?」

「なに言ってんだよ!」

「見てわかるけど、姉ちゃんちっせーぞ。いやどのくらいかはわからんけど」

「だから、そうじゃないって。清楚っていうか落ち着いてる感じがさ」

「はぁ?」

「ボブって言うのか?わからんけど、サラサラした髪とかいいんじゃんか」

「……」

「なんだよ」

「コウは知らねーんだよ。姉ちゃんはかなりガサツだぜ」

「そんな風には見えんな」

「……」

「だから、なんなんだよ」

「いや何もねーよ」

「そんな感じしねーけど」

「あと母親も胸ねーからな」

「だからなんなんだよ。それ」

「こんなはずじゃなかったとか、どうしてこうなったとか言うなよ」

「だからなんだよそれ。それってイツキのことだろ。おっきい方がいいって」

「あたりまえだろ。ないよりあった方がいいし、大は小を兼ねるって伝うし、コウだって嫌いじゃないだろ」

「そうだけどさ」

「そのコウがアレくらいでいいって言うから」」

「アレくらいとか言ってると怒られるぜ」

「……ああ、殺されるな」

「他の子にも言うなよ」

「あたりまだろ。女子全員なんか敵にできんし……でもあれだ」

「なに?」

「結構気に入ってるんだな」

「なんだよ」

「手伝えることがあれば言ってくれ」

「そんなのねーし」

「未来の兄貴かもしれんしな」

「はぁ?……でもそっか、結婚したら俺の義弟になるんだ。そう考えるとなんか変な感じだな」

「はぁ?結婚ってなんだよ」

「いやいや、たとえ話だろ。俺ら幾つだと思ってんだよ」

「いや、コウがびっくりするようなこと言うからだろ」

「それは悪かったけど、余計なことはしなくていいからな」

「わかったよ、兄貴」

「だから、そうじゃねって」


 なんだよ。コウも好きなんじゃねぇか。どっちか告ったらもう終わり、じゃなくて、始まるんじゃんか。

 でも、どーすっかなぁ。

 どっちに言ったらいい?相手も好きだって思ってるって。

 いっそお見合いにするか?

 なんだか面倒くせーなー。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ