23 弟の願い (最終話)
卒業式が終わっても在校生には授業がある。テストだってこれからだ。
放課後の部活が終わって家に戻ると、玄関には男物の靴が揃えられている。
今日もコウは来てるんだ。
「あっ、お帰り」
「……」
「今日は鍋な」
「……」
「何?」
「いや、なんでもない」
「もうちょっとかかるから、先に風呂に行ったら?」
「……そうするわ」
湯船に浸って考える。
姉ちゃんが結婚したらこういう日があるんじゃないかって。
まさか家に帰ってきたらコウが夕飯作って待っているなんて想像もしたことがなかったわ。
でもあれか、結婚したらうちじゃなくてコウの家か?
それにしても姉ちゃんが料理してろよな。コウもあまり甘やかさない方がいいって。
風呂から出て姉ちゃんに釘を刺したら、俺が帰ってきたときはちょうどトイレで、鍋はちゃんと作ってたって。
コウもそう言うけど、甘やかしていそうな気もする。
でも、もし将来二人が結婚したらこうなるのかなって思ったら、それはそれでいいんじゃないかと思えた。
コウなら何とかしてくれそうな気がする。
しかしあれだ。小学生の姉ちゃんに一目ぼれしたが奴がいて、それがコウだったって。そして将来を約束している。世の中わからないもんだな。
だから頼むぜ、兄貴。
おしまい
最後までお読みいただきありがとうございます。
この作品は、高校生の男の子が結婚指輪を送るってシチュエーションを思いついたので物語にしてみました。
特に十八話の誓いの言葉を書きたかったんですよ。オチも含めて。
だからそこに至るまでの過程を持っていくのに苦労しました。難産でした。
あとシスコンの弟君のコイバナも入れようかと考えたのですが話がそれちゃいそうで断念しました。
彼にはツンデレの彼女に振り回されるのが似合うと思いませんか?
あと、この作品で一番のお気に入りが宝石店のチーフ。彼女にはぜひ幸せになってほしいです。
あー連載が苦しかった。
ほんと何十話、何百話って書いてる人ってすごいですよね。
苦しかった分、ポイントをください(笑




