表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖痕の聖騎士〜溺愛?狂愛?私に結婚以外の選択肢はありますか?〜  作者: 白雲八鈴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

518/539

515 地下牢

「隊長。話が違いましてよ」


 格子越しに文句を言ってくるミレー。その足元では冷たい石の床に頭をつけて、なにかブツブツと言っているヴィオがいる。

 怖いのだけど。


「なぁ、もしかして堂々と持ち込もうとしたわけじゃないよな?」


 そのミレーに対して、ファルが持ち込み方を尋ねている。


 ここは王城の門の近くにある、薄暗い地下牢だ。

 いや、城が高台にあるため、高台の地下と言い換えたほうがいいのだろう。

 もう、本当に入り口で止められてしまったようだ。


 そして、ここにはヴィオとミレーの姿があるけれど、ティオとシャールの姿はなかった。


「それは、わたくしは皆の手荷物に紛れさせて持ち込むことを提案いたしましたわよ。でも、ティオとシャールが反対したのですわ」

「で?」

「ヴィオーラさんの荷物にパンパンに入れたのですわ。入らないものは私の荷物に入れましたわ」


 どうやら主犯格の二人を地下牢に入れたようだ。ということは、ティオとシャールはどこに行ったのだろう。


「で?」

「いつもどおりのドジっ子を発揮したヴィオーラさんが、門を通り抜けたところで、転んで荷物が散乱したのですわ」

「そもそも何故にヴィオーラに持たせたのだ。何度お茶を床に散布したと思っている」


 そうだよね。ヴィオは何もないところで、つまずいて転けるという謎の才能を持っているよね。


「ティオさんとシャールさんが嫌だと言ったからですわね。それで、この牢を破壊してもよろしいですか?こういうところに閉じ込められると、殺意が湧き出てきますわ」


 何故に殺意が!

 もしかして、元婚約者のことで何かあったのかな?

 ミレーが殺意を抱くのは、だいたいそれだよね。


「はぁ、牢を開けてくれ、あとこの者たちの荷物の物は陛下から許可を取っているものだから、返して欲しい」


 ファルが御城の警備の人かな?その人に牢を開けて荷物を返すように言っている。

 だけど、偉そうな感じのおっさんはピクリとも動かない。


 一応、ファルは公爵様だけど、その言葉には従わない感がありありと見て取れる。


 うーん?ファルのことをあまり良く思っていない?

 いや、こちらの方を見ているから、ルディを軽蔑しているというところか。


 それとも上の許可がないからだろうか。

 王様ではなくて、門を守っている人の所属の上官ね。


 どこになるのだろう?

 もしかして聖騎士と仲が悪いという騎士団だったりして?


「ここを開けろと言っているのが聞こえないのか?」


 今度はルディが威圧的にいう。

 最近は他人に対して胡散臭い笑顔を浮かべなくなった。その分他者に対する威圧が増えたような気がする。


 だけど、牢番は動こうとしない。

 何だろう?

 それよりも……


「お腹すいた……」


 思わず、口から出てしまった。

 やはり、お菓子だけでは私のお腹は満足しなかった。ここに到着したのがお昼。

 王様と話をしてヴィオたちが来るのを待っていたので、私のお腹は再度空腹を訴えてきていた。


 満足にご飯を食べれないし、嫌な視線をチクチクと感じるし、ここは教会にいたときのような不快感を感じる場所だ。


「はぁ、王城って嫌な場所」


 全ての誓約を引きちぎって、いっそうのこと何処かに……


「ひゃぁぁぁぁぁ!」


 私が脱走を考え始めたとき、ヴィオの悲鳴が聞こえてきた。

 どうしたのだろうと、視線をむければ牢の鉄格子が消えている。


 牢の扉が開いたのではない。

 本当に存在していないのだ。


「いつまで手間取っている。シュレイン第十三部隊長。アンジュ様を休ませる場所は用意されているのだろうな」


 あれ?もしかしてヴァルト様の謎の聖痕によって鉄格子が砂塵に変えられてしまった?


「アンジュ様。荷物はこちらで確保いたしました。残りの隊員も連れてまいりました」


 離れたところから真っ白な人物がこちらに向かってきていた。その背後にはティオとシャールの姿が見える。


 朧が別の場所にいた二人を見つけてきてくれたようだ。


「そう、戻ろうか。あと、王様に王族の言葉を聞けない門番はいらないって、言っておいて朧」

「御意」


 朧にそういえば、この言葉は偽者の王様の耳に入るだろうから、どうにかしてくれるだろう。


 色ごときで軽蔑する者が王城を守っているなんて、門番の意味を持たないからね。


 そもそも毒物を持って入ろうとしていたこちらが悪いのだけどね。それを止めたのは評価できる。だけど、その後が問題だよね。

 王の許可があるという言葉を無視するのは良くない。


 まぁ、彼がどこに所属しているのかは、私は知らないけれど。


「ままままってくだひゃい!こここ腰が……」


 私たちがもと来た道を引き返そうとしたところで、ヴィオの声に引き止められてしまった。


 これはヴァルト様の聖痕の力に驚いて、腰が抜けてしまったということだろうか。


「ティオ。ヴィオーラを担いでやれ」

「副部隊長。今まで尋問されていた俺に言うんすっか?」

「回復薬をやるからさっさと担げ」


 どうやら二人は別の部屋で、尋問されていたようだ。

 そしてファルは元は毒物の回復薬をティオに渡したのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ