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聖痕の聖騎士〜溺愛?狂愛?私に結婚以外の選択肢はありますか?〜  作者: 白雲八鈴


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512 嫌ですわ

「一人、居ないこともないのだけど……ただ性格の問題があるんだよね」


 貴族出身の女性聖騎士の心当たりはある。

 しかし、聖女の護衛ができるかと言えば、問題が発生する。


「ヴィオーラ・アングストか?」


 ルディの出してきた名に頷く。

 第十三部隊にいるヴィオだ。

 貴族出身の女性聖騎士。最低条件としてはぴったりと言っていい。


 いいのだけど……。


「全部毒に変えるのは、護衛としてはいただけないだろう」

「え?毒?」


 背後からのファルの言葉にため息が出てしまう。

 家族から疎外されたヴィオは何かと毒を作り、淹れるお茶でさえ毒混じりになってしまう問題児。


「だけど、ミレーがいれば大抵は排除できると思うんだよ」


 他国出身のミレーは、この国の聖女信仰などどうでもいいという考えを持っている。

 だから、そちらに組いることはないはず。


 そして、個人的な恨みで暴発する雷の聖痕。あれだけなら、聖騎士の中でもトップクラスだと思う。

 ただ、私怨が強すぎるのが問題なのだ。


「それなら暇を持て余している四人に任せるか?」


 部隊長であるルディが最近外に出ているので、第十三部隊の彼らには何も仕事が与えられていない。


「あ!それじゃ。私が呼んでくる!」


 なんか居心地悪いし、魔王様がずっとピリピリしているし。


「第十三部隊。騎士(シュヴァリエ)ヴィオーラ・アングスト応答しろ」


 あ、通信のタグで呼びつけるわけね。


『ふぁい!ふぇ?たたた……たいちょう……びびびびびびヴィオーラ・アングストでふっ!』


 カミカミのヴィオの声が聞こえてきた。


「他の三人を連れて王城に来い」

『……』


 あれ?返事がないどうしたのだろう?


『ヴィオーラさん!ヴィオーラさん!しっかりなさって!』

『気を失っているっすよ』

『隊長からの突然の連絡に心臓が止まったんじゃない?』


 ヴィオは気を失ってしまったようだ。

 そうだよね。突然魔王様から王城に来いという呼び出しをくらったら、現実逃避したくなるよね。


『そのヴィオーラを連れて王城に来い』

『隊長。騎士(シュヴァリエ)ヴィオーラが気を失ってしまったために、代わりに騎士(シュヴァリエ)ミレーが用件をお伺いいたします』


 身分としては、ヴィオが男爵令嬢という地位を持っている。なので、いつもルディとの対応を任せていたようだけど、使えなくなったので、ミレーが応答したようだ。


『任務の内容を確認させていただきます』


 それはそうだ。王城に来いと言われても、どうすればいいのかわからないよね。


「聖女シェーンの護衛だ」

『え?あのわがままの聖女様の護衛ですか?』


 わがまま聖女。それが今のシェーンの印象だ。

 本部に軟禁状態だったけれど、噂というのは人の口伝えて広がってしまう。


 ときどきよく分からない言葉を言う聖女。

 意志の疎通が難しく、シェーンはそれに対して苛立ちを顕にして叫んでいる。

 そのシェーンをフォローする麒麟を渡したのはほんの一週間ほど前。

 聖騎士たちのシェーンへの印象はそれぐらいでは変わらないということだ。


 ミレー、はっきり言ってしまったけど、本人はここにいるけどね。


「その聖女の護衛だ」


 そしてルディも否定しないときた。


『いやですわ』


 ミレーは、はっきりと断ってきた。

 隊長であるルディの命令をだ。

 そういうところが他の隊と馴染まないのだろうね。


『今の時期に護衛ということは、聖女のお披露目パーティーのということですわよね』

「そうだ」

『それは教養のなっていないおバカさんを、一日でどうにかしろという無理難題を押し付けようとしていらっしゃいますよね?おバカさんの矯正ができなかったのは、聖騎士団の本部の者が責任を持つべきですわ』

「耳が痛いことです」


 私の隣にいる侍従(シャンベラン)がボソリとつぶやいた。

 そしてシェーンと言えば、赤い顔をしてプルプルしている。


 知らない人からけなされていることに、怒っているのかな?


「教養がないのはアンジュも同じだから、そこは求めていない」

「うわっ!こっちに飛び火してきた!」

『では、本当に護衛のみのお仕事ですの?』

「そうだ」

『ヴィオーラさん。起きてくださいな。お仕事ですわよ』

『ふぁい!』

『それでは準備ができ次第向かいます』

「直ぐに来い!」

『言い換えますと、ヴィオーラさんのブツが散乱しているので、片付けてからまいりますわ』


 ミレーの言葉に遠い目になる。

 またヴィオが毒の生成をしていたようだ。

 あ!そうだ。


「ミレー。それ全部持ってきて」

『検疫に引っかかりますわよ』

「はっ!」


 確かに、王様が毒殺されかかったのだから、王城に入るときは普通に持ち物を検査されると。

 私たちはルディが一緒だからか、検査されなかったけど。


「聖騎士の教育をしているシスターマリアと来い。そうすれば、問題なく入城できる」


 あ、ルディから許可がでた。

 そうか、シスターマリアは公爵家の者。そして、王族である神父様の部下として扱われるということか。


「それにアンジュに比べたら、大したことはない」

「また引き合いに出された!」

『どうせ、私の毒なんて……私なんて……』

『ほら、さっさと片付けて行きますわよ。ヴィオーラさん』


 そうして通信がブツっと切れたのだった。


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