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聖痕の聖騎士〜溺愛?狂愛?私に結婚以外の選択肢はありますか?〜  作者: 白雲八鈴


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505 やはり欲しいのは陰陽師だよ

「だって痛いほどの視線が……」

「ああ、お昼どきに呼び出してしまったね。誰か伯爵にも出してくれるかな?」


 私がいいどもっていると王様が、団長(コマンドール)にも出すように言ってくれた。

 しかし、伯爵と呼ばれるとなんだか違う人に呼びかけているように思えてしまう。


 それではこの焼き菓子は、私が気兼ねなく食べていいということだね。

 私が焼き菓子を掴んで食べようとしていると声をかけられてしまった。


「何故、将校(オフィシエ)アンジュにはわかったのですか?」


 疑り深い侍従(シャンベラン)からだった。


「さぁ?気持ち悪い視線を感じただけだからね。たぶん擬態していたのだと思うよ。それに私は朧が姿を消したら感知できないからね」


 君たちのように王族ではないからと、言葉にしないものの匂わせておく。


 そう、王族は姿を消した黒狼の者たちを見ることはできるけど、私には見えない。だから、団長(コマンドール)にお茶とお茶請けを持ってきた者が、いつ室内に入ってきたのかは私にはわからないのだ。

 ただ、偽者の王様の視線が動いているので、誰かがいるのだろうと予想するぐらいしかできない、


「そうだね。今は終わってしまったことをどうするかより、二日後のことを話し合おうか」


 私の言葉に納得できず、不満気な表情を浮かべている侍従(シャンベラン)に王様が釘を刺す。

 今は終わってしまったことを言うべきではないと。


 確かにそうなのだけど、あの目はまた現れるかもしれない。でも対策のしようがないのも事実。


 陰陽師でもいれば、違ったのだろうけどね。


 何度も言うけどこれって陰陽師案件だよね。私では荷が重すぎると思うのだよ。


 何やらいろんな意見が出ているようだけど、私が今考えているのは別のことだ。

 どうすればあと二日間の間、目を侵入させずにいられるかどうかだ。


 ん?そう言えば、酒吞と茨木が何かした後にあの目は姿を現した。ということは、看破する方法はあるということだ。


 私はルディの膝の上からおりる。真剣な話をしているからか、ルディの手が私から離れているのだ。


 そして、壁際にいる酒吞と茨木のところに飛んでいった。歩いていくと魔王様に捕まる可能性があるからね。


「ねぇ、さっきの目が現れたのは何をしたの?」

「あ?ただ単に気を放っただけだ」

「弱いモノは、ああやって姿を隠しますが、すぐにボロがでますよね」


 ん?それだけ?

 でも目に見えて何かをしたわけではなかったので、二人の言っていることは正しいのだろう。


「それじゃ、あれを侵入させない方法はある?」

「あ?普通はあんなモノが近寄ったりしねぇから、知らん」

「そうですね。偶然鉢合わせてしまうぐらいですね。それに気にしたことはないです」


 もしかして雑魚すぎて、二人はわざわざ構うほどのモノではないと。

 でも気にしないと言いつつ、その視線は気になったわけだ。


 ということは、酒吞の言葉が的を得ているのではないのか。鬼の二人には近づかないと。いや、近寄れないか。


「強いモノには近づかない?」

「隠れ潜んでいることはあるでしょうが、普通は強いモノには近づかないでしょう」


 ふーん。ということはだ。

 私は振り返ってルディに声をかけようとすると、目の前に壁があった。視線を上に向けると私を見下ろしている魔王様がいる。


 いや、話し合いを続けてよ。

 よく見ると、神父様も王様も偽者の王様もこちらを見ていた。

 気にしないでいいよ。


「ルディ。あの目の解決策があるかも」

「その前に勝手にふらふらするな」

「え?同じ室内だけど?」


 もしかして不安症候群は、私の姿が見えていないと駄目なのだろうか。シャワー室と違って、振り返れば見えるところにいるのになぁ。


「それでなんだ?」


 何故か抱えられて、元の席に戻ってしまった。

 え?私は話し合いの邪魔にならないように、そのまま壁と同化するぐらい気配を消して立っていようと思ったのに。


「あの……安易な名前の……そう!リト!精霊(リト)からとった名前の」

「いや、守護者(リトティーア)のリトだ。それがどうした」

「それを出しておけば雑魚は寄ってこないはず!」


 八岐の大蛇だからね。あれの性格は問題だけど、目に見える分まだましというもの。


「出てこいリト」


 ルディが呼びかけると、黒髪の見習いが着る隊服を着ている少女が現れた。相変わらず女の子っぽい容姿だ。そして髪の中に混じる太い髪が異様に蠢いているのが気持ち悪い。


 そして前髪で顔の半分が隠されているため、片目しか見えない金色の瞳をルディの方にむけた。


「黄泉の王の御前に参上(つかまつ)りました」


 あ、髪が蠢いているのはフルフル震えているからだ。うんうん。ルディはきちんとしつけができているようだ。


死野神(しののかみ)もご顕在で……なによりで」


 ……意味はわからないけど、凄く酷い名を呼んで私を見たような気がするのだけど気の所為なのかな?


 通訳の茨木に視線を送ってみる。これは何を言ったのかな?

 すると、すすすっと私の背後まできて、コソコソと教えてくれた。


「恐らく荒神(あらがみ)のひと柱だと。確か道行く人々を殺した神を死野(しの)と呼んだと」


 これは茨で絞め上げて毒を与えた仕返しかな?

 そして茨木は元の場所にさっさと戻っていった。

 そう、茨木の言葉が魔王様にも聞こえていて激怒なのだ。茨木。コソコソするなら私に耳打ちする距離でしてよ。

 思いっきりルディに聞かれているじゃない。


「ぽぎゃ!」


 そして、ルディの不機嫌をいち早く感知したヘビの一匹から悲鳴が漏れ出たのだった。


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