表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖痕の聖騎士〜溺愛?狂愛?私に結婚以外の選択肢はありますか?〜  作者: 白雲八鈴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

498/502

495 聖騎士の条件?

「異形が異形だとわかる理由ってなに?」


 私は逆に第十一部隊長さんに聞いた。

 何を異形と定義するのかと。


「そのようなものは決まっています。人ではないモノのことですよ」

「それじゃ、この中にその異形がいるのだけど、人じゃないように見えるモノはいる?」


 私は周りに視線を巡らせて、誰が異形かわかるかと問う。


 人の姿ではないモノがいるのかと。


「は?」


 固まったように動かなくなる第十一部隊長さん。


「アンジュは意地悪だよね。そんなの実際に見てみないとわからないじゃない」

「そうよねぇ。私たちは異形の姿を見ているからわかるけど、普通はわからないわ」


 ロゼとリザ姉は緑龍のことを言っているのだろう。二人の前に人ではない姿を見せたのは緑龍だけだからね。


「アンジュ様。レクトフェール第十一部隊長に、そのようなことを教える必要はないと思います。我々のように聖騎士ではない者に」


 ヴァルト様は、第十一部隊長さんが言いふらして、混乱をもたらすと思っているらしい。

 確かに、異形が人の社会に混じり込んでいるとわかると、隣人ですら疑ってしまうだろう。


「私が聖騎士ではないとはどういうことです!その言葉を撤回してほしいものですね。ヴァルトルクス第十二部隊長」


 聖騎士ではないと言われて、ヴァルト様に噛み付くように、言い返す第十一部隊長さん。


 あー。ヴァルト様が言っている聖騎士と、十一部隊長さんが言っている聖騎士の意味が違うんだよとは、言い出せない険悪な雰囲気が辺りを満たしている。


「部隊を超えて行動をしている理由を考えればわかること、我々は太陽(ソール)の聖女の聖騎士という意味だ」


 そう言ってヴァルト様は、太陽の聖痕をデフォルメしたような紋様を右手を掲げて見せた。


 あの……御老公の印籠のように見せないで欲しいのだけど。


 私が止めて欲しいと思っていると、なんとも言えない視線を目の前から感じた。

 いや、私がつけようと思っても聖痕をつけられないから、私にそんな視線を向けないで欲しいよ。第十一部隊長さん。


 まぁ、正解がわからないのなら仕方がないよね。

 私は左手を振って呼びかける。


「青嵐。月影」

『御意』

『御意』


 巨大蛇ではなく、中国風の武将の姿で出てきたヘビ共。

 ……毎回、なにかと絡んでくるから、指輪の中からでも外の現状をわかっているよね。

 今の話を聞いて、どうして人の姿で出てこようと思ったわけ?


 私は背後に跪きながら現れたヘビどもの首根っこを振り向きながら掴む。


「馬鹿ヘビ共。この話の流れからどうして、そっちの姿で出てきたわけ?どうでもいいプライドというものを出して、ヘビの姿で出てくる流れでしょうが!」

『『ぐはっ!』』


 巨大なヘビが地面に倒れている姿で現れた。できれば、順番としては逆が良かったのだけど、仕方がない。


「これは精霊の指輪に宿ったモノだけど、これは人?それとも異形?偽物の聖女も同じ、人の姿をしているけど、人ではない姿も持つ」

「それよりも、聖騎士とはなにです?」


 え?今の姿の変化より聖騎士についてのことの方が知りたいの?

 その説明を求められても私にもわからないところがあるし。


「一つは聖剣を持つことかな?形を変える剣。一番わかりやすいのが、先の聖女の聖騎士だったシスター・マリアの剣だね」

「シスター・マリアが聖騎士?」


 え?知らないの?

 ルディの母親をあれだけ馬鹿にしていて、妹のシスター・マリアが聖騎士だったと認識していなかった?


「聖女の聖騎士って、表舞台に立たないの?」


 聖女がいれば、側に控えそうなものだと思ったのだけど。

 私は神父様の方を見て聞いてみた。


「聖騎士は聖女の守護者ですが、表舞台に立てなかった聖女の聖騎士は表舞台には立てません」


 そうか。そもそもルディの母親が、庶子の第一王子を選んだために、聖騎士も肩身が狭い思いをしていたということか。


 考えてみればわかるか。

 シスター・マリアなら、姉の聖女が自死をしようとしたら、止めに入っていただろう。それを止められなかったということは、側に控えていなかったと。


「まぁ、王都に戻ったらシスター・マリアに確認してみてよ。聖女のお披露目パーティーまではいるだろうし」

「では、他に条件はありますか?」

「えー?それを聞いてどうするの?たぶん無理だよ。世界の意志っぽいのが関わっていると思うし」


 ルディに名を与えても、紋の焼付きが起こらなかったから、名を与えることが条件じゃないということがわかったぐらい。


「レクトフェール。幼い頃から憧れていた聖騎士というものに、手が届くと思っているようですが、神殺しの剣を手にしていない時点で諦めなさい」


 そう言って、勇者の剣を掲げる悪魔神父。

 それも第十一部隊長さんが、聖女に仕える聖騎士になることが夢だったと暴露してしまっている。


 悪魔神父。大勢の前で、幼少期の夢を皆の前で暴露するなんて、恥ずかしすぎるよね。

 だから悪魔神父を敵に回すことは危険だ。

 幼い頃から共に過ごしているので、黒歴史を全部知られているのだ。

 恐ろしすぎる。




ごめんなさい。日数計算を間違っていたので、そのうちシレッと直しておきます。聖女お披露目パーティーまでギリギリだった……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ