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聖痕の聖騎士〜溺愛?狂愛?私に結婚以外の選択肢はありますか?〜  作者: 白雲八鈴


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478 意趣返し

 神父様は、私の行動を阻害することは基本的に無かった。そして、私の行動に対応してきた。

 全盛期ではない神父様がだ。ある意味恐ろしい。

 だけど、私の行動についてくるために光の翼を生やしたのだ。


「『暁の明星の聖騎士』は世界を無に帰す力を示した。『光輝の聖騎士』は世界を自由に移動する力を示した。ならば、『天玄の聖騎士』は何の力を示す?」


 だったら、ルディは何の力を得るのか。


「それは神との戦いで見せてくれたらいいよ。神父様、そろそろ向かおうか」


 アマテラスのように引きこもっている内に、向こうの現状を把握しておきたいしね。

 再び嵐になる前に、敵を倒しておかないと、約束の日に間に合わない。

 そう、月が世界を照らす満月の夜にね。


「そうですね。シュレインも念願の太陽(ソール)の印が刻まれたようですしね」

「え? いつの間に?」

「アンジュが太陽(ソール)の聖痕を取り出したときにですよ」


 あっ……確かに左目が熱くなって、思わずとりだした。その時にルディに火の粉が飛んでいたの?


 相変わらず、この聖痕の仕様がさっぱりわからない。


「それからシュレイン。守るべき太陽(ソール)の聖女に諭されているようでは、聖騎士として未熟ものですね」


 ふぉ! これはさっきのルディへの意趣返しなのでは?

 リザ姉とロゼが徐々に下がっていって、神父様からかなり距離をとっている。


 絶対に神父様の古傷をグリグリこじ開けたルディの所為だ。


「リュミエール神父。立場としては同じだ」


 そう言って、ルディは右手の甲を神父様に向かって掲げる。私からは見えないけど、太陽(ソール)の聖痕を模した紋様が焼き付いているのだろう。


「羨ましい。私も欲しい」

「ロベル。やめておけ、碌なことにならないぞ」


 ファル。それはどういう意味かな?

 ちゃっかりと、聖剣を持っているファルに言われてもねって感じ。

 まぁ、ファルの聖剣は普通の剣だけど。私は檜の棒ぐらいに、変化するのを期待していた。


 いや、元は木の枝だから、そのままだから変化しなかったねと、私なら言っていそうだ。


「よく言いますね。無理やり聖騎士の名を言わせて、太陽(ソール)の紋様が刻まれなかったなど、私なら恥ずかしくて、聖女様の隣など立てませんね」

「怖い。怖い。怖い」

「殺気が酷いわ」


 ロゼとリザ姉はとうとう離れて、こちらの様子を窺っている鬼の二人と緑龍のところまで下がってしまった。

 隣にいる二人も怖いのだよとは言わないでおくよ。


「神父様。その憤りは、何とかっていう雨を降らす神にでもぶつけてよ」

計蒙(けいもう)です」


 緑龍に訂正されてしまった。


太陽(ソール)の聖女様の(おお)せのままに」


 だから、神父様からそう言われると肌が粟立つんだよ。普通にして欲しい。


「それでは、転移をするので、こちらにきてください。そうですね。半径三メル(メートル)範囲ぐらいです」


 思っていた以上に広範囲だった。

 設置型の転移陣は、人数制限があると聞いたので、転移範囲が狭いのかと思っていた。


 それに指輪の転移は、装着者に接触していないと転移できないと思っていた。

 これが空間を隔離することで、転移範囲を陣を描くことと同じ役割があるということなのだろうか。


「リザネイエ。ロゼ。そこにいては、転移外ですよ。聖剣を手にしたのですから、逃げ出すというのは許されません」


 神父様の言葉に、渋々という感じで二体の鎧が近づいてくる。そして、横倒しになった空き樽をまたいで来る酒吞と茨木と緑龍。


 五つぐらい空き樽が転がっているけど、全て酒吞が飲み干したようだ。

 どうみても樽の大きさと酒吞の胃袋の大きさが合っていないと思う。飲んだ酒は異次元にでも消えたのだろうか。


「あの……リュミエール神父。私も聖女様のお力に……」

「ロベル。貴方の役目は伝えたはずですよ」


 そう言えば、ファルの横に第一部隊長さんがずっといるなと思っていたら、ついてくる気満々だったらしい。

 それを神父様は、遠回しに駄目だと言った。


 第一部隊長さんはここの指揮官だからね。勝手に消えちゃうと問題になるよね。


「帰りの転移の指標になってもらわないと、使い勝手の悪い転移陣を使わないといけなくなりますからね」


 あ、そうか。ワイバーンをここに置いていくから、帰りも転移でここまで戻って来なければいけない。だから第一部隊長さんに転移の指輪を渡しているってことなんだね。


 渋々離れていく第一部隊長さん。

 何も知らなければ、凄くビクビクしている二体の鎧と、ものすごく肩を落とした一体の鎧が入れ替わったというだけだ。


「成功率は半々なので、結界から絶対に落ちないようにしてくださいね」

「は?」


 ちょっと待って神父様。成功率が五割りって低すぎない?


「それは危険じゃないの!」

「空間を断絶した結界から、落ちなければ大丈夫ですよ」


 落ちなければって、神父様の空間断絶の結界から落ちるって、落ちることがある方がおかしいんじゃない!


「アンジュ。俺は……」


 え? ルディ。今何か言われても困る。もう神父様が、転移の準備を始めているのに。


「アンジュの聖騎士として……」

「『転移(ハッギラジュ)!』」


 そして世界は反転した。

 ……反転?



短編の宣伝をさせてください。


【真実の愛って何なのかしら?】

「私、愛人を作ってみようと思うの」

もう、夫と離婚してもいいと思うの、だから愛人を作ればいいと思ったのです。

さて、誰に愛人役を頼めばいいのかしら?


みたいな話。興味があればお願いします

https://ncode.syosetu.com/n1717kz/


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