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聖痕の聖騎士〜溺愛?狂愛?私に結婚以外の選択肢はありますか?〜  作者: 白雲八鈴


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457 第一部隊長は木の棒が欲しかったらしい

「何故、神父様のチートな結界で、飛べないってなるの?嵐が止むまで待機とかなしだよ」


 第一部隊の駐屯地の建物内にある食堂の一角を間借りして、作戦会議をしている。

 そしてこの第一部隊には豊富な食料があった。


 が、出されたものは、王都の聖騎士団の一般食堂と同じで、野菜のごった煮スープと硬いパンと硬いお肉だった。

 しかし贅沢は言えないので、硬いパンをスープに浸して食べている。


「あと、二日ほど経つと雨は止むと思うが」


 そして何故か、第一部隊長も混じって一緒に食べている。


「周期があるのか?」


 私は第一部隊長に尋ねるルディの膝の上で捕獲されて食べている。いや、ワイバーンの上じゃないから、もういいと思うのだけど。


「三日おきに晴れと雨を繰り返している」


 これはヴァルト様が聞いてきた話と同じだ。この周期的というのは何の意味があるのだろう?


「ロベル第一部隊長。関係のないことだけど。気候は他の地域と変わらいのに、食料が豊富なのね。雨でも普通に食べ物が売っていたわ」


 お昼ぐらいに買い出しに行ってくれたリザ姉の言葉だ。そう、以前来たときは保存食しかなかったのに、今は普通に食べ物があるみたい。


「アレからワイバーンで定期的に食料を運ぶようになった。今は一週間に一度しか運び込めないが、数を増やして対応している」


 ああ、雪に埋もれた町を見て、私がブチギレた話ね。食料事情の改善を聖騎士として行っている?……それだけで、この町全体に行き渡るとは思えないけど、何かからくりがあるのかな?


「聖女様のご希望に添えているかはわかりませんが、使えるものは使いました」


 私のことを見ながら聖女だと言わないでもらえる?それも敬語で。


「私はただの将校(オフィシエ)です」

「『ただの』じゃないと思うが?」

「ファル様うるさいです」


 だったら普通の将校(オフィシエ)だと言うしかないよね。


「ロベルも聖騎士というモノがわかってきたようですね。部隊長だからと思い上がらないことですよ」

「はい」


 以前は第一部隊長が聖騎士とは何かという神父様からの質問に、言いどもって答えられず殴らていたからね。それは改善するだろうね。


「あの……それで……私は聖女様の剣の……」

「ロベル。貴方はそれを口にするほど、何かを成しましたか?」

「う……」


 第一部隊長が何かを言いかけたのを神父様が言葉を被せて止めた。何が言いたかったのだろう?


「ロベル第一部隊長。あの時凄く木の棒をガン見していたよね」

「きっととても欲しかったのね。木の棒」


 ロゼとリザ姉は心当たりがあるらしい。木の棒ってなんのことなのかな?


「さて、大方食べ終わりましたか?状況把握とアンジュへの回答をしましょうか」


 その言葉に食べていた手を止めて、神父様に視線を向ける神父様の教え子たち。

 因みに酒吞は別のテーブルでお酒を飲んでおり、茨木と緑龍も同席している。緑龍は鬼たちと気が合うのかよく話をしている。


 そして私はスープを吸ったパンをもぐもぐしていた。


 しかし結局神父様が仕切る方がまとまっていると思う。私たちの師は神父様で、洗脳教育と言っていいほどのことを幼い頃から叩き込まれたのだ。

 それは、ピタッと食べている手を止めるよね。私はもぐもぐしているけど。


「現状ではアンジュの言っていたように、力の波があるようですね」


 足止めを食らった原因だ。突如として前方から突風とバケツをひっくり返したような雨が降ってきたのだ。それにより、ワイバーンたちが怖気付いてしまったのだ。


「進行方向からということは、目的地周辺から発生したとも仮定ができます」


 そうかもしれないし、そうではないかもしれない。という曖昧さだけれど、向かっていっている先にとてつもない何かがいることがわかるというものだ。


「そして引き返した理由ですが、アンジュはダンジョンのような結界を張っていると思っているでしょうが、あれだとワイバーンは飛べません」

「え?何故?」


 私はてっきりダンジョンと同じような空間断絶の結界を張っているものだと思っていた。


「もし同じであれば、雨は入ってきませんよ」

「はっ!確かに!」


 言われてみればそうだ。空間を断絶していれば雨は入ってこない。だけど、ものすごく雨が当たっていた。


「実際には騎乗するときの結界と同じようなものです。ただワイバーンの飛行を助けるために上空では薄い魔素を集めているだけにすぎません」


 あ……神父様がいるいないで、到着時間が大幅に変わる理由は、ワイバーンの飛行の補助をしていたからなんだ。

 騎乗のときに私たちが纏う結界は、空気抵抗の無効化と上空での気温低下の減少が主な役割となっている。


「思っていたより普通だった」

「アンジュ!バカ!」

「アンジュちゃん!そんなことを言うと……」

「あ……」

「アンジュ!お前なんていうことを!」


 何が駄目なのかなぁ。

 ただ単に私たちの騎乗時に使う結界を大きくしただけじゃない。


「アンジュ。魔素が乏しい空間にワイバーンがいるとどうなるか、知っていますか?」


 知らないけど?


遅くなりました。後で誤字訂正します。

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