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聖痕の聖騎士〜溺愛?狂愛?私に結婚以外の選択肢はありますか?〜  作者: 白雲八鈴


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405 そうだ!四つにわければいい!


「ということなんだよ」

「あらあら?それは怖いわね」

「アンジュ。よくリュミエール神父様にそんなことを言えると感心するよ」


 聖騎士団本部から第十二部隊の詰め所にやってきた私は、第十二部隊長さんとの面会をお願いした。


 すると直ぐに奥に通されて、偉そうにソファーに座っているルディの隣で、今までの経緯を説明したのだ。


 そして、その感想が冒頭の台詞だ。


 因みに酒吞たちは、森で狩りをしてくると言って北の森に消えていき、私の背後に朧が着いてきているのみだ。


「リュミエール神父様の下にいる人達って、どれほどいるかわからないけど、たぶん全部隊の将校(オフィシエ)の人数より多いわよね?」

「うわぁ。その人達が動くの?確かに聖痕を使えない人たちだと思うけど、結局のところ基礎訓練ができているかどうかなんだよね」


 私の話にリザ姉とロゼは神父様の個人的に抱える部隊の人たちが動くことに色々言っている。

 いや、私が言っているのは第十二部隊の手が空いている人を動かせないかという話なんだよ。


 神父様の部隊のことは、神父様にまかせておけばいいのだよ。


「ヴァルト様。神父様が南部地方で問題を起こしている異形の始末をすると言ってくれています。団長(コマンドール)がどちらの方面に行かれるかわからないのですが、第十二部隊で手が空いている人を他の地方の救援に回して欲しいのです」

「残りはどうするつもりだ?」

「残り?」


 第十二部隊長の言葉に首を傾げる。残りってどういうことだろう?


「今、異形のことで報告が上がってきているのは八箇所だ。南部地方ということは第六部隊と第八部隊で起こっている問題に対処するということだろう?」


 山脈の南側の管轄は第六部隊と第八部隊と第十二部隊だ。ということは神父様は二箇所ので起こっている問題に対応すると言ったことになる。


 そうなると、残りは第二部隊と第三部隊で対応しているバルドール地方。第十部隊が対応しているガラヴァーニル地方。第一部隊と第四部隊が対応しているアラカンダール地方。第五部隊と第九部隊が対応しているケイザディール地方。第七部隊が対応しているダラニースエル地方。第十一部隊が対応しているジャンエース地方になる。


 あ、地方名はさっき神父様が持っていた報告書に書かれていたから、わかっている。


 その中でも第九部隊と第七部隊は先の戦いで被害が多くでており、戦闘できる騎士の人数が減っているらしく、特に第七部隊は厳しい状況にあるらしい。


 ということは残り六箇所を一週間以内にどうにかしなければならないということだ。


「無理だね」


 私はそう結論つけてしまった。

 団長(コマンドール)が出撃しても、流石に一週間では無理なような気がする。


「いや、私が行けばいいのでは?」


 そうすると二箇所つづに分担できる。移動日数を考えるとギリギリ間に合う。


「ちょっと侍従(シャンベラン)を呼んで、分担地域を決めよう!」

「アンジュ。俺が許すと思っているのか?」


 はっ!隣で魔王様が降臨されている!

しかし、玉藻対策としては部隊長クラスを控えさせておくべきだと。


「ルディ。一番に見据えておかないことを間違ったらいけないよ。というか私が一番、暇だし。ルディは着いてこなくて大丈夫だよ。王様に呼ばれているんだよね?」


 私はヘラリと笑いながら隣を見上げる。うっ!背景が歪んでいる。


「シュレイン第十三部隊長。聖女アンジュの護衛はこちらで受け持つから、安心するといい」

「ああ?何を言っているんだ?ヴァルトルクス第十二部隊長」

「私はアカツキの名をいただきましたからね」


 すると空間からビキッっと何かが壊れる音が聞こえた。何が壊れたのだろう?恐ろしくて見れない。


「……そう言えばアンジュ」


 うっ!何故に私に突き刺さるような視線を向けられるのだろう?


「俺は名を与えられていないな」


 やっぱりそれを言われるの!でもあれって名を与えようと思って与えたわけじゃないから、言われても困るんだよ。


「それはまた今度ね。今は、あと一週間でこの戦況を覆すってこと。人に紛れ込んだ異形を一週間後の聖女お披露目パーティーで倒して、常闇を完全に封じることの方が大切なんじゃない?」

「今度?」


 うっ!威圧が増えたような気がする。


「だって!あれって、たぶん名前を与えたからと言って発動するものじゃないと思うんだよ!強制的に名を要求されても無理だと思う!何か世界の威が絡んでいる気がするからね!」


 そう第十二部隊長さんの右手に焼き付いた太陽の聖痕の印。あれは私の意思ではない。

何故なら私は、太陽の聖痕の火を吹く能力は、使かわないようにしていたのだから。



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