表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖痕の聖騎士〜溺愛?狂愛?私に結婚以外の選択肢はありますか?〜  作者: 白雲八鈴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

150/502

147 リュミエール・ラディウス・レイグラーシアという人物


「スラヴァールを身動きが取れない状態にしたことで、プルエルト公爵はその首は未だに繋がっていますけどね」


 ロリコン貴族!!ということは白銀の王様に毒を盛ったのはロリコン貴族だったってこと?ロリコンも犯罪だけど、毒殺は駄目だよ。なんで、未だにのうのうと過ごしているのだろう。


「白銀の王様に毒を盛ったのはブタ貴族ですか?」


「ぶぐっ!ぶた!!」


 ファルが私の言葉に反応して、口元を押さえている。神父様の前でどうにか取り繕うとしていて、肩がフルフル震えて笑いをこらえているみたい。


「ブタ貴族とういうのは誰のことですかね?」


 え?神父様にはブタ貴族で通じない?ブタ貴族で通じないのなら、ロリコン貴族の方が良かった?


「恐らく、プルエルト公爵のことではないかと」


「それ!」


 ルディが補足を入れてくれた。そうそう、プルエね。忘れると思うけど。


「違いますよ。毒殺の主犯は王妃であったアンドレイヤー家の者ですよ」


 あれ?その名前最近どこかで聞いたような?アンド?アンド····公爵家···あ!さっきぶっ飛ばした偉そうな5男の家の名前!


 でも、王を暗殺しかけたのであれば、お家お取り潰しになってもおかしくはないと思う。なのに、未だに健在な理由がわからない。


「主犯は王妃でしたが、五大公爵家と10の侯爵家と30の伯爵家の総意でしたからね」


 そ····それは王家への反逆!!いや、やりすぎた白銀の王の弑逆。


 違う。それはおかしい。そもそも狂信者共の行いに対して母親を失った子供の復讐だったと思われる。


 ああ、違う。違う。違う。この国がおかしいのだ。

 聖女という偶像物の影響力が大きすぎるこの国がおかしいすぎる。王家よりも聖女を重要視するこの国がおかしい。


「やっぱり、一度国を壊すべきじゃない?」


 そう白銀の王様の言う通り、聖女に頼らない国を作るべきだと思う。それにあの白銀の王様なら作ることができるだろう。


「それは、中々厳しいことを言いますね。しかし、今回平民に月の聖女が現れ、それも聖痕が現れた時に、大いに輝いたことが多くの村人の目に触れたことで、貴族共が騒ぎ出したのも事実ですね」


 貴族共!!何気に神父様も貴族嫌いってことだよね!


「聖女は貴族にしか現れないという常識を根底から覆した上に、微妙に力を使えていることから、月の聖女をどう扱おうかと、戸惑いが見え隠れしていますからね」


 ん?この流れは高位貴族の血では上手くいかなかったので、ゲームどおりに平民の聖女と聖騎士とのR18の話になるのだろう。

 そう200年前の聖女と同じ白銀の色を持つ王が生まれても貴族に牙を剥く者になり、その王弟であるルディは痛い二つ名を持つほどの事件を起こしている。侍従(シャンベラン)は早々に王族から離れ、聖騎士団に在籍することで、その身を貴族にいいように扱われないようにした。高位貴族の彼らにとって王族の彼らは扱い難く、失敗したと判断されたのだろう。


 そして、一番彼らにとって恐ろしいのはきっと目の前の神父様なのではないのだろうか。

 私に精霊の指輪を与えたということは、未だに王族に在籍しているということだ。その上、神父様の手足として動く者達の存在。彼らの力は騎士(シュヴァリエ)に匹敵すると思われる。そう、一個人で騎士(シュヴァリエ)クラスを育て上げ、抱え込んでいるのだ。

 しかし、私はゲームをしていなかったけれど、妹のコレクションスチルに神父様は存在しなかった。妖怪の雑魚キャラでさえ、コレクションしていた妹が神父様のスチルがコレクションから外れるとは考えにくい。


 ということは····恐らくゲームでキルクスは今回の常闇の発生で甚大な被害を受けたのではないのだろうか。

 神父様という王族であり個人で巨大な組織を構築した存在がいなくなり、白銀の王様も毒を得たままだとすれば···もしかして、ゲームの状況って最悪な状況になっていたってこと?


「その中には太陽(ソール)の聖痕が存在しているのでは?と考えている者もいます」


 ウッぎゃ~!!思考の海に没していたら、とんでも無い言葉が聞こえてきた。

 神父様、恐ろしいことを言わないでよ!私は絶対に狂信者共の言いなりにはなりません!


「さて、月の聖女の扱われ方が、わかったと思います。そして、太陽の聖女は似たようなものですが、少し違ってきます」


 神父様。言ってはなんですが、聖女の扱われ方というよりも、王族と高位貴族のひび割れた関係の話の方が長かったと思います。あ、いえ、なんでもありません。


「太陽の聖女は力の搾取が行われます」


 それは、何となく予想済み。月の聖女が力を発揮するには太陽の聖女の力が必要だと。


「特定の古文書にしか残っていませんが、初代の太陽の聖女は男だったとあります。正確には太陽の聖王と記されています」


「あれ?もしかして聖騎士に成るときの文言は元々は王に対して行う言葉だった?」


「さぁ、それはどうですかね」


 あれ?違うの?聖王に太陽の聖痕が顕れたということは、天使の聖痕は男性にも顕れていたということ。


『我が剣は魔を払い。我が盾は闇を払い。我が身は天使の聖痕を化現されし、聖なる者を命をかけて守らん』


 これは聖王と成った者に対して誓う言葉だと思ったのだけど?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ