1話 追放されました
「ボブ。お前をパーティーから追放する!」
冒険者パーティー「砂漠の剣」のリーダーをしてるダンが言った。
ボブが言った。
「どうして僕が追放されるんだ。僕は貢献してきたじゃないか」
「ただの荷物持ちの何が貢献だこのウスノロ!」
いきなりダンに蹴られた。
ボブは壁に背中を打ちつけた。
「大したスキルもないお前を一応今まで雇ってやったがな、俺たちもそろそろA級パーティーになるんだ。足手まといがいたらカッコがつかねえだろ」
ボブは反論できなかった。
確かにボブはバトル系のスキルを持ってなかった。だから荷物持ちしかできなかった。
ダンジョンまで付いていくけど戦いが始まると後ろで荷物の見張りしかしてこなかった。
「砂漠の剣には最強の勇者と戦士と忍者と魔法使いがいればいいんだ。なあお前らもそうだろ?」
ダンがそう言うとリンダとジェシカが言った。
ふたりともダンの足元にはべっていた。
「そうよ。このパーティーに足手まといの荷物持ちはいらないわ」
「最強のダン様にお仕えするにはあんたじゃ不足だわ」
ダンがニヤニヤ笑って言った。
「そういうわけだからお前は追放だ。今までの給料も払いすぎだから金は全部おいてけ」
「そ、そんな……」
「あとギルドにお前が役立たずなこと言っといたからどこのパーティーも雇ってくれないぞ」
ボブは財布の中身を机の上に広げるとパーティーの借りてるアパートから出ていった。