わくわく、再生可能エネルギーへの一考察
さてさて、今回は小難しいお話です。
近年、震災での原発事故や地球温暖化、限りある化石燃料依存からの脱却を目指して、再生可能エネルギーに注目が集まっています。
需要があり、技術革新にも伸びしろのある分野です。
どんなものがあるのか見ていきましょう。
① 太陽光発電
真っ先に思い付く再生可能エネルギーですね。
太陽電池に太陽光を当てて発電。
一昔前に政府の補助金が手厚かったので、空き地や一般家庭の屋根などに大量に設置されました。
そこいら辺で見かけます。
他にも太陽光で蒸気を作るシステムもあるようですが、日本では無理なので割愛します。
利点
太陽光線と言う無料で嫌でも降り注いでくるエネルギーを電気に変換でき、ちょっとした空き地や建物の屋根などに簡単に設置できることです。
大きくて特別な施設が必要ないことが利点です。
欠点
太陽光が発電源ですので、お日様が出ていない間や天気の悪い日には力が発揮されません。電力使用量が少なくなる夜はともかく、天気が悪くなると発電量が減るのは、電力の安定供給を考えるといただけません。
地域により振り幅はあるとは思いますが、日本は雨や雪が多いお土地柄、ぶっちゃけ天気のいい国とは思えません。
このような設備は、雨? 何それ美味しいの? ってゆうようなお日様の暴虐が日常的な、砂漠地帯で力を発揮する発電方式だと思います。
そして、素人目に見ても、設備に耐久力があるように見えません。
当たり前ですが、太陽光発電は発電設備を屋外に設置いたします。つまり雨ざらし。
ただでさえ雨風が多い日本では、さらに設備の耐久度の減り具合は激しいでしょう。そうなると砂嵐が吹くような砂漠地帯も不利か。
これらの問題をクリアしても電池の構造上、何十年も稼働するシステムではありません。発電効率は年々貧弱にならざる得ません。
なにより総発電量が少ない。補助システムの域を出ないシステムでしょう。
展望
利点より欠点の方が目立つシステムですが、今後の技術改新によって成長が期待できる発電方式でしょう。
電池の技術力は、これからの日本が世界としのぎを削っていくためにも必要不可欠だと考えます。
この手の技術革新は日本のお家芸と言ってもいいので、期待大です。
② 水力発電
古典的で、最も普及している再生可能エネルギーでしょう。
山岳地などの高地にダムを造って水を溜め、下に落下するエネルギーから発電するシステムです。
利点
急峻な河川が密集し、水量も豊富な日本に相応しい発電方式です。
ダムの建設により治水工事も同時に行えるので、一石二鳥を狙えるのも高評価ですよね。
電力を必要とする日中に発電、需要の少ない夜には水をくみ上げて昼間に備えるなどという、無駄の少ないシステムです。
欠点
水で発電しますので、雨が降らないとエネルギー源を失います。
全国規模ではあまり発生しませんが、水不足に陥ると解決策が雨乞いの儀式しかないのが弱点です。
さらに水力発電はダムとセットです。
ダムは洪水や渇水に活躍する設備ですが、その性質上、大規模な土木工事を必要とします。ダムの建設はもとよりダム湖の整備や下流域の護岸工事が必須の設備の為、生態系に悪影響を与えることを避けられません。人間の事だけを考えたら、目をつぶれるのかもしれませんが、絶対に思いもよらぬ所でしっぺ返しが来るでしょう。
増やせばいいという物でもありません。
展望
昔から開発されている完成度の高いシステムです。それは逆に言うと、開発されつくして伸びしろが少ないとも言えます。
小規模な水力発電ならば開発の余地はありますが、大規模なダム計画は粗方達成していますので、新しい発電所を簡単に増やせません。
また、発電タービンやダムの設計方法によって効率が上がる余地はありますが、劇的な効果とは言えないでしょう。
この水力発電は補助ではなく、主力発電の一翼ですので、細かいアップグレードを続けていくことが肝要です。
③ 風力発電
巨大な扇風機みたいな発電機で風を受けて発電するシステムです。
山の稜線沿って何本も建設され勢いよくブンブン回っている姿を目撃しますね。
利点
勝手に吹いている風を有効利用する為、扇風機を立ててしまえば、あとは簡単なメンテナンスで長期間発電できます。
風の強い地域でしたら回し放題でしょう。
欠点
風が吹かないとただの置物になってしまいます。設置場所は限定されるのがネックですね。
また、回転音が大きく意外に遠くまで騒音が響くらしく、人家のある所にも建設できません。山奥に立てましょう。
ところが、山奥に扇風機を立てると、そのブレードで野鳥を真っ二つにするらしく、生態系への悪影響も無視できないことがわかってきました。
人がいなくて自然が少ない場所・・・・・・日本にそんな場所があるのだろうか。
展望
日本ではありませんがアルゼンチンの南側に年中風速20メートル以上の風が吹きまくっている、恐ろしい地方があるらしいです。そこに大量に建設すれば大きな発電力を得られるでしょう。
また、日本でも人や生き物が少ない洋上にフローを並べ、そこに扇風機を設置する方式もあるそうです。今後の発展が期待できます。
④ 波力発電
岸に押し寄せる波の力で発電する方式です。
周りを360度、海海海の日本に相応しい発電方式です。
利点
これまた無料で押し寄せてくる波の力を電気に変えるので、エネルギー源の調達コストはゼロです。また、波さえ押し寄せればどこでも設置可能です。波が穏やかな入り江や内海以外であればどこでも大丈夫です。
発電効率も太陽光の20倍から30倍、風力の5倍と優れています。
欠点
とにかく維持コストが高い。
海水よる腐食やフジツボのような海洋生物からの攻撃を常時受けるので、メンテナンスを頻繁に行わなければなりません。
ここまで紹介した中で一番人件費がかかるでしょう。
さらに海に設置しますので、船舶の航行や漁業などの邪魔になる可能性があります。大量に設置できる場所は限られるでしょう。
沿岸に設置する発電所もありますが、発電効率に問題があるようです。
展望
大きく発展する余地はありますが、乗り越えなくてはならないハードルが多く、短期的なブレイクスルーは困難に思えます。
有望なエネルギー源ではありますので、今後も地道な研究が必要でしょう。補助金は年々削減されているらしいですが。残念。
親戚に潮汐力や潮流を利用した発電方式もありますが、どれも研究段階のようですね。
⑤ 地熱発電
地下の温水で発電する方式。
地下1000メートルから3000mに穴を掘って出てくる熱湯を利用します。
個人的には一押しの再生可能エネルギーです。
利点
マグマであっためられた熱水を利用するので、エネルギー源が格安です。
また、メンテナンスが簡単らしく、大規模な発電所でも無人であったりします。
温水さえ出ればどこでも建設可能。
極端な話、私の家の下でも掘り続ければいずれマグマにぶち当たります。そこに水を注げはいいわけですからね。
欠点
導入のための採掘コストが高い。
流石に3000mも穴を掘るとなると、金額がかかるらしく建設費が高くなります。
事業者としては出来るだけ、浅く掘って温水が欲しい所です。
ならば、日本各地にある温泉地に掘ればいいのてすが、そうは問屋が卸しません。
地熱発電はシステム上、汲みだした熱水で発電、利用後の冷えた水は元の帯水層に戻します。
どうなるか、温泉の温度が下がる可能性が大です。
当然温泉街は大反対。自分達の生活の糧が奪われるかもしれないのですから当然のことですね。
結論といたしましては温泉街には建設できません。
ならば、温泉街以外の温泉が出そうな場所はどうかと言うと、大体国立公園だそうです。試験採掘すら禁止。
また、発電効率もあまりよろしくないようです。
展望
最近は国立公園での建設を見据えた計画も進行しているようです。
この辺りは法律改正を行えば、進展が見込めます。政治家の皆さん、推進をお願いします。
また、穴掘り技術は石油の採掘に命を懸けているアメリカさんが高い技術を持ってるらしいので、提携して日本での穴掘りコストを下げましょう。
穴掘りコストのハードルさえクリアしてしまえば、東京や大阪などの電力を大量に消費する場所のど真ん中に建設できます。
電力を遠くに送電する必要もありません。
太陽光以外の再生可能エネルギーは発電場所と利用場所が離れているのが最大のネックです。
ただでさえ発電量の少ない再生可能エネルギー発電では、送電中の電力ロスは馬鹿になりません。
地熱発電はその問題を一気に解決します。ちょっと硫黄臭いかもしれませんが、工場地帯であれば大きな問題にならないでしょう。
⑥ パルス発電
正しくは太陽光発電による電力を、パルス波に変換して送電する未来の発電方式。
宇宙に展開した太陽電池パネルからのエネルギーをパルス波にして地上に送信。地上の受信機でパルス波を電気に変換するというシステムです。
研究段階の発電方式ですね。
利点
大気圏で減衰していない太陽光を利用可能。
桁違いの発電効率です。一基で日本の全エネルギーを賄えるらしいです。ほんとかいな。
欠点
理論段階を出ていない。
宇宙開発とセットの為、開発コストがべらぼう。
太陽光ステーションにそれの建設機器、運搬用のロケット技術など。一つ一つのハードルが富士山並みの高さです。
最後に
こうやって考えてみると、日本は再生可能エネルギーの天国のように思えます。
原発の運用方法にも限界が見え、いずれ無くなる化石燃料にいつまでも頼るわけにはいきません。
これらの発電方式の研究は、21世紀の日本を支える産業となるでしょう。
民間だけではなく国家機関による技術への投資が必要不可欠でしょう。
研究者や技術者、政治家の皆さんには頑張ってもらわんとね。
お前さんはどうなんだ? すみません。このエッセイを書くのが私にできる背一杯です。
日本国のお役に立てず面目次第もございません。
終わり
参考資料
経済産業省の発電に関するウェブページ
エネチェンジ様のウェブページ