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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

炎上系エッセイ

【実録】!!日本における人種差別の実態!!【フィクション】

作者: NiO

NIOさんは人種差別に断固反対致します!

 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。


 これは、日本国憲法第14条にある、法の下の平等を記した一文である。


 多くの日本人は、自身らを『差別のない国民』だと自負してやまない。


 しかし、本当に、そうであろうか?


 今回は、その実態の一部を記録したので、報告する。





 東京都・〇〇区。



「ふざけるな、出ていけバケモノめ!」



 とある食堂の裏口から、一人の若い男性が、店の主人と思われる男に、投げ出された。



「お前みたいなガイジンを雇ったのが、そもそもの間違いだったよ!」



 そういうと、ごみ箱をひっくり返して若い男に投げつけたのだ。



 明らかな人種差別であり、ヘイト行為である。



 そのまま塩までまかれ、扉を力いっぱい閉められるのを、『ガイジン』と呼ばれた若い男性は、静かに見ていた。


 彼こそが、今回取材に協力してくれる在日外国人の男性である。



 我々は、彼に声をかけることにした。



 --どうしたんですか?--



「ハハハ……いや、実はココ、もう1年近く働いている職場なんですよ……いや、だったんのですよ(・・・・・・・・)、が、正解ですかね」


 男性は「たった今クビになっちゃいました」と、日本人と遜色ない流暢な話口でそんな言葉を口にしたのだった。



 話を聞くと、先ほどヘイト行為を行った男は、もともとは非常に気さくな食堂の大将であり、外国から来た若い男性である彼に対しても『もはや家族も同然である』などと話していたようだ。


 そのため、彼は今回一大決心をして、自身の出身地や生い立ちについて、語ることにしたのだ。


 しかし……その返答は、残酷なものであった。



「もう二度と来るな、だそうです。


 給料分のお金も投げつけられましたよ……いえ、いつもより少し多いみたいです、大将らしいなぁ……」


 ボロボロになった洋服をはたくと、なんでもないかのように男性は立ち上がった。


 しかし、カメラは彼の目に浮かぶ涙を撮り逃すことは、なかった。



 これは、未だに人種差別を続ける日本社会と。


 その社会の中で必死に抗いながら、それでも日本を愛し続ける在日外国人:ニホンジン・タベルさんとの。


 ……悲しい、衝突の、記録である。



#####



 ニホンジン・タベルさんは、もともと食人文化を持つ某国の出身であるという。


 その中でも、特に日本人を専門的に食するジャパンスキー族に生を受けたタベルさん。


 日本人を食べているうちに、次第に日本の文化や伝統などに興味を持ち、いつの間にかすっかり憧れの国になってしまっていたのだという。


 18歳の時、とうとう居ても立ってもいられなくなったタベルさんは、単身、日本へと向かうことになった。


 ……しかし、タベルさんを待っていたのは、憧れの国の、優しい歓迎では、なかった……。



「確かに、日本人は優しいです。


 でも、それは、相手が日本人の時、だけなのかもしれません。


 どんなに仲良くしていた人たちでも。


 私が外国人であることを知ったり、更には出身地の伝統、文化について理解すると、途端に態度を一変させるのです」


 力なく笑うタベルさんは、更に言葉を続ける。


 無視されるならば良い方で、罵倒や侮蔑、時には暴力を振るわれることもあるのだとか。


「日本人の彼女がいたこともあります。


 結婚前提のお付き合いでした」


 しかし彼女と、その彼女のご両親に自分の生い立ちなどを説明した時、それまで笑顔だった3人の日本人は、『ガイジン』であるタベルさんに、冷たい言葉を投げかけたのである。


「彼女のご両親は、『娘がお前の故郷に行ったら、食べられてしまうじゃないか!』と叫んでいました。


 もちろん、そういった可能性もゼロではありません。


 しかし、日本人を家族として連れて帰り、その日本人が食べられてしまったケースなんて、年に数件程度しかありません」


 それは、日本で自動車事故にあう可能性よりも低いものだ、とタベルさんは話をした。


 もっと言えば、日本で暮らすよりも、ある意味安全であるのだ、とも。


 しかし。


「彼女のご両親も、彼女自身も、おそらく頭では納得されているのでしょうけど、心で納得できなかったのでしょうね。


 そして、それこそが、『人種差別』と呼ばれるものだとも、知らずに」


 残念ながら日本には、外国人の……例えばタベルさんの国や部族の文化や伝統についても、尊重するどころか、理解をしようとすらせずに、悪いものであると思考停止している日本人が大多数であると言う。 


「当然、私が日本にいる間は、日本の伝統や文化を尊重しています。


 日本国内で日本人を食べることは、もちろんありません」


 日本を愛し、日本の風習に従っても、日本に受け入れてもらえないタベルさんに、どうして日本はこんなにも硬直した社会であるのか、尋ねてみた。


「恐らく、江戸時代に行われていた鎖国から端を発している、外から来た物は全て悪いものであるという考え、でしょうか。

 さらには世界大戦でも行われた他国を侵略するという(おぞ)ましく残虐な行為。


 こういったものが、残念ながら現代日本人の心の中にも、脈々と受け継がれているのでしょう」


 ただ、それは、日本だけの物ではない、とタベルさんは補足します。


「言ってしまえば、私たちジャパンスキー族も、そう言った考えがある、とも言えなくもありません。


 お世辞にも開放的な部族とは言えないし、好戦的な相手には勇猛果敢に戦ってきた歴史がありますからね」


 日本人とジャパンスキー族は、ある意味よく似ている、とタベルさんは言葉を続けました。


「だから、もっと、仲良くなれると思うんです。


 いつの日か、お互いの文化、伝統を尊重した、真の友達に、ね」



 そう言うと、タベルさんは、手首に巻かれたブレスレットを私たちに見せてくれた。


 それは、今まで部族の歴史の中で食べてきた日本人の左手薬指を集めて作られたものだという。


 食べられた日本人は、死ぬのではなく、ジャパンスキー族の魂と一体となり、永遠を供にする伴侶となり生き続ける---これは、その感謝を忘れないように作られた、ニホンジン・タベルさんの祖先より代々受け継がれてきた大事な宝物であるのだ。


 そしてそれが、きっと近い将来、日本人とジャパンスキー族を繋ぐ、象徴的なものとなることを、タベルさんは、願って、止まない。

人種差別は、何があろうとも、絶対に許されない行為です!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 名前。ふふってなります。 [気になる点] 年に数件………? 少数民族なことを考えると結構食べられてるじゃないですかやだー! [一言] 何を言っても、結局タベルさんが日本人を複数人食べている…
[気になる点]  ブレスレットになった人達の親族は捜索しなかったのだろうか・・・ [一言]  互いの文化は尊重して然るべきもので、国際交流の基本です。相手の文化に触れたときに嫌悪するのではなく、まずは…
[一言] 執筆お疲れ様です。 NiOさんの小説だから素直にはいかないと冒頭から警戒しながら読み進めましたが、そっか、「ニホンジン・タベル」さんかあ。 食べちゃったのかあ(絶望) この既視感の正体…
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