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ワタクシ流創作術概論  作者: 市境前12アール
序文:創作論に入る前に。
1/9

はじめに。――自己紹介がてら、この創作論を書こうと思った理由をつらつらと述べてみる。

 私がこのサイトを知ったのはいつの頃でしょうか。書店でたまたま手にした「月が導く異世界道中」という書籍がきっかけだったのは覚えているのですが、詳しい時期はもう覚えていなかったりします。

 その頃の私は、ユーザー登録もせずにランキングを中心にいくつかの作品を読むだけの、まあ軽い読み専さんだった訳ですが。ここで作品を読んでいる内に、そういえば自分も、大昔に一度、物語を考えたことがあったな、なんてことを思い出しまして。


……と言っても、プロットの作り方みたいな本を買ってノートに一行だけ書いて、それで終わってしまった話なのですが。


 その位で書けるようになるのなら、世の中小説家だらけだよねと、当時の私は思ったのですけどね。まあ、それも間違いだとは思いませんが。でもまあ、今となってはこう思う訳ですよ。


――世の中って、意外と小説家だらけだよね、と。


  ◇


 私が、以前は失敗した執筆という行為にもう一度向かわせることになった作品が一つあります。「かわいいコックさん」という、更新速度が大幅に落ちた今でも人気を保っているその作品は、同時にとても初々しい作品でもありまして。

 主人公の一人称を基本としながらも、物語が進むごとにこまめに他者へと視点を変更して真相を明らかにしていくというそのあり方は、いかにもアマチュア作品らしいあり方で、同時にそれが魅力にもなっている、そんな作品でしょうか。


 五十万字を費やしてなお終わりの見えない、とても進みの遅い話でもあるのですけどね。


 そんな、いかにも小説家になろうらしいとも言える「かわいいコックさん」という作品ですが。この物語には「小話部屋」という面白い場所がありまして。

 ここには、作者の方が本編と重複してでも書きたかった視点の話や本編からこぼれた話が収められてるのですが。それがまた面白くてですね。ついつい読んでしまうのです。


 まあ、それは単に、私が「かわいいコックさん」という話が好きなだけという側面もあるのですが。同時に、それは商用作品にはない魅力でもありまして。自分も小説を書いてみたいと思わせる、そんな作品でもあると思います。


――何より、この「かわいいコックさん」という作品は、筆を惜しまず自分の好きに書いてもいいと、そう自分に教えてくれた作品でもあったのです。


  ◇


 そうして、自分も小説を書いてみようと決心をして。インターネットで小説に関する基本的な知識を軽く調べてから、再び執筆に挑戦して。

 不思議なもので、当時はほとんど書けなかった物語が、その時はすらすらと書き進めることができまして。気がつけば数万字、物語の冒頭をあっさりと形にすることができました。

 そうしてある程度書き進めてストックを作ってから、一週間に一話のペースで投稿を始めたという訳です。


 まあ、ブクマは十件程度、感想は誰からも貰えてない状態だったのですが。それでも、キャラが勝手に動いて次から次へと物語が浮かんでくるのが楽しくてですね。十人程度とはいえ更新するたびにアクセスされているのも確認していましたし、まあこんなものかなと納得しながら、更新を続けていたのですが。


 何ヶ月かした頃にふと、このままで良いのかななんてことを考えてしまいまして。


 で、何ていうか、作家としての心構えというか励ましというか、そういうことが書かれたエッセイをいくつか読んで、感想を書き残してみまして。


――それが、私にとって初めての、他の作家さんとの交流の始まりになりました。


 そうして、他の作家さんと馬鹿話や創作に関するさまざまなことを話したりもして。そうですね、その時の縁が形を変えて、今も少し残っているのですが。


――同時に、そのやり取りのかなりの部分が、埋もれてしまったり消えてしまったのもまた、事実なのです。


 私のユーザーページの片隅には、三年以上の月日によって積み重ねられ消えていった、十万字を超える創作論の断片が埋まっているのです。


  ◇


 まあ、その創作論のほとんどは会話の形ですし、重複もしています。なので、整理しないと本当の分量はわからないですし、そのままでは表に出せないような代物です。そんな理由で今までずっと眠らせていたままだったのですが。


――でもね、いつまでも眠らせておくのは少しもったいないと、そう感じていたのも事実でして。


 私が小説を書き始めたときに、先人たちが書き残してくれた創作論が、私の背中を押ししてくれました。交流していた方の論は執筆の後押しにもなりました。

 創作のやり方って、作家の数だけあると思うのです。そしてそれは、他の人が見ても意味がないなんてことはなくて。むしろ、他の人がどういうやり方をしているのかというのは参考になるし、常に一定の価値があると思うのです。


――だからきっと、私のユーザーページの片隅に眠っている創作論も、誰かにとって、きっと価値のあるものなのかな、なんて思うのです。


 で、それを掘り起こそうかななんて思って、今この文章を書いている訳です。……まあ、実際のところ、掘り起こすというよりは「頑張って書き下ろす」ような作業になりそうなのですが(笑)


  ◇


 そんな訳で。このエッセイは過去に自分が書いた活動報告や感想を元に整理をした、そんな創作論の集まりになると思います。

 できるだけ基本的なことを書き記していきたいなんて思っていますが、どこまで上手く書けるか、書いてみないとわからないところもあるかな、なんて思ったりもしています。


 そんな、先がいまいち見通し切れていない創作論ですが、誰かの参考になるようなら嬉しいなと、そんなことを思いつつ。良ければ目を通していただけると嬉しいなと、そんな風に思います。

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― 新着の感想 ―
[一言]  ……物語が書けなくなって、交流も出来なくなって、……唯一書けるもの(エッセイもどき)を書き散らして、幻滅して……結局、物語が書けないまま……なんて、笑い話に見えますか……?いくら書く方法…
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