2021年
おじいちゃん「…ワシも落ちぶれたもんじゃな…」
時は2021年。
世界は平和とは程遠い物となっていた。
なぜそうなってしまったか。
それはまだ話さないでおこう…
おじいちゃん「ワシの歌唱じゃ、もう誰の魂も震えてくれないのかもしれないなぁ…」
おじいちゃんは寂しい目で、枯れ果てた大地を見つめていた。
おじいちゃん「ワシは…ワシはもう終わりかもしれないなぁ…」
おじいちゃんは静かに
頭の中で浮かんだフレーズを
そっと、歌い始めました。
おじいちゃん「焼き鮭〜 焼き鮭〜
ほろり ほろり〜
焼き鮭を片手に持つ〜 愛しの貴方〜
その姿まるで〜 アラブの大富豪〜」
おじいちゃんが口ずさむと
淀んだ空から 静かに数滴の雨が降ってきました
おじいちゃん「…これだけか」
数滴の雨が落ちたのを見て また、おじいちゃんは悲しい気持ちになりました。
?「すごい力だね」
おじいちゃん「ん?なんだね、君は?」
ツヨシ「僕はツヨシ。たまたまここを通りかかって。今、偶然見ちゃった。」
おじいちゃん「…はて、なんのことやら」
ツヨシ「こんな廃退した世界で、雨なんてなん年ぶりに見ただろう…」
おじいちゃん「たまたまだよ…」
ツヨシ「おじいちゃんには、特別な力があるのかな?」
おじいちゃん「……」
ツヨシ「あんな素敵な歌を歌うぐらいだし。僕、魂が震えたよ」
おじいちゃん「…だが、ワシには…」
ツヨシ「ちょっと待って!もしかしたら、今の歌に、本格的な音楽がついたら…!!」
ツヨシは目を輝かせます
ツヨシ「おじいちゃん!ちょっとここで待ってて!!」
ツヨシはどこかに走り去ってしまいました。
おじいちゃん「一体どこへ…」
おじいちゃんには、この時まだ分かりませんでした。
これから始まる壮絶な旅に、自分が身を投じることになるなんて…。




