あの話をして。
「アトラ、とりあえず」
「なんだよー」
「暇」
そんなこと言われても。
「あとね」
?
「お腹空いた」
「あっ…」
言わないで…
「ボクも」
正直どっか行きたいです。
「じゃあその子も家連れてく?」
「知らない子の家に入る訳には行かないわ!」
ボク一応何回も入っててもう住んでマース状態なんですが。
「ティアスがいいならお邪魔します」
「なっ」
「アトラ住んでる状態だからお邪魔しますじゃないでしょ。」
「ま、待ちなさいよ!」
お姉ちゃん?
「初めて会ったんだもの!身元不明年齢不詳の私に毒やら薬やら入れられないわけ…」
「お姉ちゃん、それは、ボクも初めて会った時にご飯貰ったけど、何もなかった。」
「お、おかしいわ!絶対おかしいわよ!」
「それが通用するのは悪魔だけです。」
全くもう…
「悪魔だけ?」
そうだよ?
だって
「ティアスは何族なの?」
「アトラと似てて、天使と天使の間に産まれたのに天使と狐〜」
「て、て、敵じゃない!」
「お腹空いたから早く行こうぜおい」
一斉に返事。お姉ちゃんだけがかたまっていた。
「はい!」
オムライス?
「うん、眠そうだから味薄めねー」
意味がわからないが美味しそうなのでいただきます。
「いただきます」
…ティアスのご飯はやっぱりおいしい。お姉ちゃんは
「毒が入ってないか見るの!」
って言って一緒にご飯作ったらしい。美味し。
美味。
「(* ॑꒳ ॑* )」
満足。でももう少し食べたい。
「( ̄・ω・ ̄)」
「Wwwは、はいはいwww」
「あの少食がおかわりですって!?」
やめて。じみに傷つく。
「はいw」
「✿゜❀.(*´▽`*)❀.゜✿」
美味しそう美味しそう✿゜❀.(*´▽`*)❀.゜✿
「やめww顔文字やめwwww」
「おまwwww食えねぇwwwww」
えっ!これが食べれないのは大変だよ!こんなにおいしいのに!
「食べないと損ですよ」
「お前の顔文字だよ!!」
ご、ごめんなさい…
「っ!!」
なぜ反応したしお姉ちゃん。
「ぅ…」
お腹空いたらしい。さっきから言ってる。お腹なってるよ。
「食べんの?」
「だ、だって…」
どれだけ疑い深いの…
「ぅぅ…」
あーあーもう半泣きじゃん…
「早く食べないと〜ボクが貰うよ〜」
「えっ!?」
「食べたいんじゃん」
あっ…と呟く。食べなよ。冷めちゃうよ?
「…いただきます」
いいから食べなよ。
「出されたたものは全部食べてよ〜」
「わ、わ、わかった…」
震えるなぁ!うまいんだぞ!
「…おいし」
「ほんと?よかった!一応お姉ちゃんでも今は子供だから少し濃いめの味だよ!子供は味濃い方が好きじゃない?」
「…そうだけど」
疑ってた自分が恥ずかしいんだろうか…ボクの後ろに隠れて食べてる。
「ごちそうさま。」
むすってしてるのがまた可愛いな。
「むすってしてるーレアーレアー」
「怒ったか?怒ったか?」
珍しくいじってる。
「ばああか!ばーかばーか!私なんてどうせ悪魔のくせに魔力少ししかないですよばーーか!」
思いきり泣きそう。
「魔力あんまないのボクのせいですけどね」
「あ、アトラは悪くないもん!」
それじゃただの駄々っ子ですよ。
「あいつらのせいであの子が死んだならあいつらのせいだよ!アトラの感情も自由も全部奪って…!!!」
悔しそう。なんでかな、ボクなんてほっとけばいいのに?
「あの子?」
「ボクが今日助けた死霊です。」
えっ?なんで驚いてるの?
「昔、大切だった。ボクなんかの不注意で、トラックなんかに…」
嫌だった。語るのも。でも、話しておかなきゃ。
「…呪った。あのトラックと、中のヤツ。それと…」
辛かった。キツかった。生きる理由がわからなかった。それら全てを生み出した、
「あいつらを。言いたくないけど、あいつらが死んだのはボクが知らないうちに殺したらしいです。悪魔なのでこっちの常識は通用しませんし。」
捕まらないよ。
「そ、か…」
「…」
そうだよね
怖かった。
嫌われるんだ。こんな話したら。
コンコン
?
「出てきます!」
フード被って走った。顔が見れない、見たくない。
「はい…」
「あの。心ってのはここにいないか?」
え?
「ど、どうしてでしょうか…」
「その慌てようを見る限りいるんだな。」
小学生ぐらいか。気が強いなぁ…
「…入らせてもらうぞ。」
「ま、待ってください!」
「なんだよ。」
「なんでですか?」
何をしに来たんだ?
「話がある。お前らに知られてはいけないような…」
大事な話?
でも…知らない子だし。フード被ってるし…顔を見えなくしたい?
「…フードだろ。いいさ、取ってやる。」
ふわっとフードが取れた。可愛い顔には、傷跡がいくつか。綺麗な銀色の髪は、さらさらしていてとても可愛い。
「…」
「どうだ?これでいいだろ。私はこの顔を人に知られたくないんだよ。」
「ま、って、名前は?」
「っち、まだか…」
渋々といった様子で答えてくれる。
「血華!」
…
ため息をついて、ティアスを…
…
…
怖い。