学校に行くまでは。
翠
妹であり、姉はあとから出てくる。狐族で、優しく、頭が異常によく、法律とかなんだとかなく、理事長先生が高校の先生として働く許可を出した。
黒
翠の彼氏であり、狐族。あまり話さないが、アトラの様に見た目はイケメン。頭は良いくらいだが、身体能力が異常に高い。
狐族であると、何かしらずば抜けた部分があるが、天使と狐のティアス、悪魔と狐のアトラは、いまだにその部分はわからない。
「う…」
チチチッと鳥が鳴いている。でもおかしいな、
やけに音が大きいような…しかも、手の上に少し爪のような感覚が…
「うぁあ!?」
鳥が!すずめ!?すずめがボクの手の上に!あれ、そういえば、なんか左側がぽかぽかする…なんか背中がふわふわする…
「え?えぇ!?」
左を見ると可愛い少女。背中のあたりを見ると青っぽい布団。干されてないこれ?
「う…何…アトラぁ…」
可愛い少女起きた!しかもボクの名前…
「えっと…あ」
そうだ。昨日ボクは少女ティアスに助けられた(?)んだ…そして、気づいたら寝てて…
-みなしご…
そう。みなしご。これだけで、冷たい目を向けられて…
「…何思ってるのかよくはわからないけど、私はアトラを捨てないよ?」
って!めっちゃ嬉しい言葉言ってくれる少女がマフラーくれて…
「あ、ははっ」
痛みが引いてる。精神的にはまだまだ痛いけど…身体的には痛くない気がする…
-しいて言えば、この左腕が、左腕が痛い…
ずっとティアスが寝転がってるんだもんなぁ…
「起きよ、ティアス。」
「う、ん…」
ふわっと笑うティアス。思わず笑ってしまう。わからないけど、ティアスはボクの事を悪魔として、みなしごとして見ていないらしい。
-思えば、優しくしてくれた人って、ティアスだけだったなぁ…
でも、そろそろ行かなきゃ。迷惑かけちゃうな。
「ティアス、ボクはもう行くね…」
「わかった…ついでに麦茶とお菓子買ってきて…」
手を振るティアス。あれ、おつかい?行くけど…また戻ってきちゃうけどねwまあ、おつかいは恩返しということで…
「ん、わかった。行ってきます。」
「おつかいおわったら、学校いくからね…授業参観だから、来てね…」
え?まだいるの?
「わ、わかった。」
うんとりあえず言う事聞こう。
「ねえ、アトラ。今日からまた宛もなくさ迷うつもり?」
「…ちが、うの?」
「なんで、あんな所にもどろうとするの?」
え ?だって、迷惑かけちゃうし…
困っていると、
「いいよ、戻らないで。ずっとここにいていいよ。」
え!?
「いいの…?」
いいのじゃないよボク!断らな…
「いいよ。っていうかいて。」
…もう断れないじゃん…
「…うん。」
「…あああああ!」
「んえぁ!?」
へ、変な声でたっ!?
「ど、どうしたの?」
「す、翠!黒!」
翠?黒?何の話だろう…
コンコンッ
あ、ノック…
「出てくるね」
「お、お願い!」
誰だろ、とりあえずは…
「こ、こんにちは…」
目の前には、少し背の高い男性と、少し背の低い女性。男性は、片方だけ髪が長くて、肩から6cmくらいのところまで伸びている。女性はとても髪が長くて、上から下に水色から青に、グラデーションをつけてかわっている。
「初音ミク…みたい」
あ…言っちゃった…:(;゛゜'ω゜'):
「あ、ははっ、よく言われます」
そう言ってニコッと笑う。おとなしめ…みたい。
「…ティアスは?」
「あえ?あ、はい、呼んできます!」
そういって少しはや歩きする。後ろから「ティアスちゃんの彼氏さんかな」って聞こえたから、
「違いますっ!」
って振り向いて答えた。ティアスにはもっといい人がいるでしょ。
「助けてティアス」
「どうしたのよ?」
「初音ミクみたいな人と、片方だけ髪が長い男性が…」
「…それ…」
「?」
「翠ぃぃい!黒ぉおぉお!待っててええぇ!」
「にゃあ"ぁ"!?」
び、びっくりしたっ!急に叫ばないでください!ってか翠さんと黒さんってあの方達!?
「早くこいぃぃ」
「待ってますよー!」
…いいな。なんか
「ティアス、どうすればいい?」
「着替えて!これ!」
そう言って渡されたのは、猫耳つきパーカーと猫柄のTシャツ。
「…男性用?」
「もちろん!」
女性用に見える。着替えがないので仕方がなく着替えて、翠さんと黒さんの前へと。
「は、はじめまして…?」
おずおずと前へ出て、フードを取る。
「あ、アトラです!」
「声、少し高いですね…翠です。」
「黒」
そっと深呼吸して気分を落ちつかせる。
「ご、ごめっ!遅れた!アトラ行くよ!」
「え、え?ど、どこに?」
「学校!それいがいにないよ!」
ぼ、ボクも行くの!?っていうか引っ張らないでー!ボク力は弱い方だから!ティアス!?
「あ、アトラさん!遅刻しますよ!制服きてくださ…」
「せいふく?」
首を傾げる仕草に、翠さんはすごく驚いて、
「い、いや高校…!!」
中学生らしいよ、ティアスによると。わかんないけど。
「行ってないから、わかんない」
そう答えると、黒さんまで驚いた。
「おい…」
「あ、の、ボクはいわゆるみなしご?ってやつだと…」
その言葉に、黒さんと翠さんは絶句した。何も言えないようだ。
「…と、とりあえず、行きましょう!」
これが、ボクが学校に、初めて入った日の、7:20までの出来事だった。
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