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みなしごとしての幸せ  作者: CORE-失踪P-
10/12

気づけない、気持ちに。

いやだよ。

怖い。

振り返るのも、ここにいるのですら。

「っ…ぅ」

知らないうちに、泣きそうだった。

嫌だ。

きっと嫌われた。

「おい、なにをしている。通せ。」

こんなに強気な子の前でも、泣きそうで。

「…入らせてもらうぞ。」

さっきの台詞を言われても、反応出来なくて。

「…ボク…出てくる…」

辛い。

ここには…ボクの居場所があるのかわからないよ…


気づいたら、走ってた。




_____

「っ…は…ぁ」

苦しい…

どんだけ走ったのかわからないよ…

いつの間にか、膝を擦りむいてたみたいで、でも…

「あんな話、しなければよかった。」

でも、話しておこうって思った。

いつかはわかる話だから…

嫌われる。わかってた。

いや、嫌われなくても、きっと近寄って来ないでほしいって思ってるはずなんだ。

自分から話して、勝手に出てって…自分勝手すぎるのはわかってるんだけど、どうしても耐えられなかった。

「帰りたい…のかな…」

正直わからない。

いやだよ、帰りたいよ、でも帰りたくないよ…

目の前にあるのは、コンビニ。

お腹空いたな…でも、お金持ってないや。

ティアスのご飯、どんな高級レストランにも負けないくらい美味しかった。でも、帰り道もわからないし、帰りたくないのかもわからないし、勝手に出てって迷惑をかけてるのに。今更携帯使って図々しく家に帰るの?

だめだよ。

それこそ嫌われたって当たり前だ。

「ティアス…」

3人目の大切な人。

子猫と、お姉ちゃんと、ティアス。

でも

ティアスだけは、みんなへの大切となにか違った。

ずっと一緒にいれたら。

ずっと抱きしめられていたら。

やだな。

泣きそうだよ。

「そういうの、恋って言うんですよ?」

「っ!?」

だ、れ?

黒髪の美人さん。会ったことないはず。

「ふふふ、可愛い事で有名な中学校3年生、アトラさんですわね?」

く、詳しい…でも可愛いは否定。

「アトラ…ですけど…」

声が出ない…

「随分泣き疲れているようですわね。」

泣き疲れて…?ボク、泣いてたの?それより、恋って…?

「人を、特別に大好きになる事ですわ。ティアスさんに恋をしてるのですわ、あなたは。」







わからない。

何を言ってるの?

気づいて、自分の気持ち。

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