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みなしごとしての幸せ  作者: CORE-失踪P-
1/12

少女との出会いは唐突だ。

-寒い。

寒い。どうしようもない。気温も、人も、心も、体温も、何もかも寒い。こんなところにいたくない。ここじゃないといけない。その考えだけが、ボクを蝕み、壊していく。

-怖い。

怖い。怖い怖い怖い。嫌だ。こんなところ嫌いだ。人も、心も全て。教えてくれないものは、知らなきゃいけない。そうだ。そんなものだってある。溢れかえるくらい。でも、愛情。生きる意味。偽り。こんなもの、いらない。いらないいらないいらない!!もう嫌だ!みんな嫌いだ!街の中で冷たい目を交わす人が。大好きなんて偽る親が、恋人が。どうせ金だの利益だの視線だの、そんな考えがあって偽ってるだけなんだ!なんなんだよ!意味もなく生きるなんてただ辛いだけ。なのになんで生きてるんだよ、みんなは…

「もう…いい、か。」

元々少し高い声でふっと笑う。ああ、さよなら。せめて最後に歌でも聞きたかったなぁ。



悪魔アトラは、死にます。




「う…あ…」

ん、ここは…?あっ、天国か。さっきのところ地獄だし。そう思っていると、

「あ、動かない方がいいよ。」

ん?誰の声だろ。動かない方がいいって?じゃあ試しに動いてみよう

「いだい!」

激痛がぁ!!?

「ったく、高いところから紐なしバンジーって大丈夫なの?頭は大丈夫だけど、身体のあちこち骨折れてたりするけど。」

う、ううぅ…いだいよ…

「うぅぅう(;ω;)」

「泣かないの!見た感じ高1くらい?」

高1?なにそれ?

「?な、に。それあ。」

ろれつが!すると、少女は驚いたようだ。通じたんだすごい。

「え!?」

一般常識だよ!と言われる。えぇ…知らないんだもん…

ふくれっ面をしていると、

「可愛い」

え、ボクは男ですよ。

「ボク…男…で…」

激痛でうまく言えない…

「…名前は?」

…?

「あ、とら。」

アトラだよひらがなじゃないよ!

「アトラ?…私はティアス。」

カタカナ…ボクと同じだ。もっともこの5分後、衝撃の言葉が発せられる。

「…」

「族は?」

…はい?いやいやいや族はって?なんで族についてるのわかるの?嘘だよーあ、ティアスは神様なのか。じゃ、言っていいかな。

「あ、く…まと、き、つね…」

出ねぇ。激痛め神様に恥かくとかいやだろ

「私は天使と狐。」

え、敵じゃないか。

「神…さ、ま?」

「違うけど。」

…え?

「じゃ、あ、どこ?」

「私の家」

…?待て待て、状況を整理しよう。

1 ティアスは天使で、狐族。神様ではない。

2 ボクは今、女の子の家にお邪魔している。

3 ボクは、生きている。

「しに、たいのに…」

楽になってきた痛み。嫌になった世界。冷たい目。冷えきった体。

「あ、そうだ。これ、忘れてた」

そう言うと、ティアスはボクに暖かい布団を投げる。

「みぇふっ」

わあぉぽかぽか。まって離せない。

「たす、けて…」

引き付けられるよー

「…」

あれ、ねぇなんで無言で近づいてくるの?なんかあれ?待って怖いやめて…:(´;Д;`):すると、横にばふっとティアスが寝転がった。まずいよ気まずい。

「…寝る。」

え?ボクの横で?…まあいいか、もう疲れたかな。ボクも…

「お、やすみ…さぃ。」

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