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ヘタレ女の料理帖  作者: 津崎鈴子
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上を向いて歩こう4

 その夜は、エドワードはタクシーでホテルへ向かう事になって、マサキさん、タクシーを見送ってすぐに帰って行った。


そのあと、エミさんとヨーコさんにかなり遅くまで質問攻めに合った。笑顔のエミさん、ニヤニヤのヨーコさん。こ、こわいよう。


翌日、買い物に商店街に行くと、いつもより視線を感じる。

ああ、かなり目立ってたもんあぁ、と遠い目をしていると、井戸端会議のおばあちゃんたちが

手招きしている。


うわぁ。おばあちゃんたち、興味津々だよなぁ、とげっそりしていると、おばあちゃんたちの顔がちょっと心配そうにしている事に気が付いた。


「ユキちゃん。あんたのこと嗅ぎまわっている男がいたよ、気を付けるんだよ」


私の事を嗅ぎまわっている男?誰の事だろう。


「どんな人でしたか?」

「若い男だけど、取り立てて特徴の無い男でね。でもあんたに対する聞き込み方がしつこくて」

「知り合いなのかい?」


誰だろう……。


私を訪ねてくる可能性のある人って嫌な予感しかしない。


「名前は名乗りませんでしたか?」


「名乗りはしなかったねぇ。特徴なさすぎで年齢も不詳だし」


まさかとは思うけど、テル本当に探しに来たの?今更??


不安が胸にじわじわと迫ってくる。



☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・


 マサキさんに相談しようと魚六に向かうと、店には常連の女性客にマサキさんが囲まれていた。

苦笑いしている所をみると昨日の話を冷やかされているみたいだったので、ここで私が出ていくと面倒な事態になりそうだなぁとそっと踵を返した。



八百屋のタカシさんのところに行くと、タカシさんのお母さんが店番をしていた。

タカシさんを呼び出して貰おうとすると、タカシさんのお母さんが、昨日の話を笑顔で聞いてくる。


 あんだけヤンチャだったマサキ君がお嫁さん貰うなんてねぇ、と感慨深い様子だった。

うちのタカシにもいい人居ないかしらねぇと聞かれてしまったので、タカシさんもかなり人気があるんだから本気になったらすぐにでもお嫁さん見つかりますよ、と言っておいた。そのついでに、私の事を調べている人を見かけませんでしたか?と尋ねると、そういえば、と1時間前に聞き込みにきた若い男がいたよ、と答えてくれる。

名前を聞いていませんか?と聞くと、又出直してきますって居なくなってしまったって。


本当に誰なんだろう。


商店街での買い物を済ませて帰ると、家の前に怪しい男が中を覗き込んでいるのが見えた。


私が近付くのを見て何事も無かったように立ち去るけどなんか怪しい。


家の中には、エミさんとヨーコさんがいるし、なんか対策たてないと。


家の中に入り、ヨーコさんに変な男が家をのぞいていたことを説明する。


すると、不審な顔でちょっと見てくるとあわてて出て行った。


待って!!と止めようとしたけど家にしっかり鍵閉めてエミさんを護ってて!ときつく言われてしまった。

たしかに今のエミさんをひとりには出来ない。でもヨーコさんがいくら腕っぷしに自信があるって言っても女の身なんだからすごく心配だ。


マサキさんに電話すると、すぐに取ってくれたのでいきさつを説明するとすぐにそっちに行く、と言ってくれた。ヨーコさんに何かあったら大変だ、いてもたってもいられないしどうしようと思っていると

回覧板を持って、お向かいのトメさんの娘さんが来たので、事情を説明してエミさんを見ていてもらう事にして私もヨーコさんの後を追うことにした。


☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・


どっちに向かっていただろう。そう思って男の逃げた方角に走っていくと、近くの空き地で怪しい男とヨーコさんがなにか話をしている姿が見えた。

激怒してるオーラのヨーコさんにペコペコしているその男。


なんか、良くわからない光景にヨーコさんの知り合いならばとそのまま家の戻ることにした。


何だったんだろう、あれ。


ヨーコさんの謎が深まるばかりだった。


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