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ヘタレ女の料理帖  作者: 津崎鈴子
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眠り姫が目覚めたあとに5

夏祭りの企画案を出したんだけど、渋い顔のマサキさんとタカシさん。

ヨーコさんが手伝うってことがなんか引っかかってるような感じ。


ヨーコさんの謎が深まるなぁ。


 ヨーコさん、家業を継いだからエミさんのとこの住み込みの仕事は辞めたって言ってたけど

最近はしょっちゅう遊びに来ていてほぼ実家みたいな感じ。


エミさんも心強いってうれしそうだし。


でも、街コン一本での夏祭り企画はやっぱり厳しいみたいだから別の企画も考えなくちゃ。


エミさんに、相談してみたら意外なことを言われた。


「そりゃ、夏祭りってのに子供の参加する余地がないじゃない。ゴールデンウィークにあれだけ子供たちが集まってくれたんだから子供も楽しめる企画を少し入れてみたら?」


確かにそうだ。街コンで喜ぶのは出会いを求める男女位なものだし。


子供も喜ぶ企画かぁ。


☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・



夏祭りって言ったら縁日、だよね。それから盆踊りに花火。


商店街の広場くらいでは花火は厳しいかなぁ。


今までどうしていたんだろう。商店街のご隠居さんたちに話を聞いてみることにした。



いつも井戸端会議しているおばあちゃんたちが今日も元気に話をしていた。


 挨拶をすると、みんな笑顔で返事を返してくれる。


「やぁ、ユキちゃん。エミさんの具合はどうだい?」


みんなエミさんの事件のことは知っているけど、事件記者のように厳しい質問はなかった。不思議に思っていると、どうやらそれまでの動きを見て、おばあちゃん探偵たちが午後のサスペンス状態でいろいろと情報を突き合わせて真相をなんとなく察したらしい。


聞かないでいてくれることをありがたく思いつつも、去年までの夏祭りの内容を教えてくれるようにお願いした。


小さな縁日に出店であんまりパッとしなかったらしい。


準備に避ける予算もあるしなかなか目新しい企画って難しいよね。


「それに暑くなってくると夏バテであんまり手伝えないかもしれないわ」


おばあちゃんたちが額を寄せ合う。酷暑で体感温度が40度くらいに上がるらしい。

そりゃ熱中症で倒れるわ。


やっぱり、涼しくなり始める夕方から9時ごろまでがベストかな。


子供たちの夏休みとかもあるから遅い時間まで出歩けるイベントはなぁ。


そう、考え込んで歩いていると、ロクさんが声をかけてきてくれた。


「ユキちゃん、眉間にしわ寄せてどうした?」


今日も豪快にニッと笑う。白い歯がまぶしいです、ロクさん。


かいつまんで企画を練るのに煮詰まっていることを説明する。


「ほほう。子供たちが遅い時間まで出歩くのはよくないと?」


意外なことを言うなぁと聞いていると、ロクさんによると、そんな遅い時間まで出られるのは祭りの時ぐらいだし、子供時分にそんな遅い時間に出かけたことがいい思い出になるだろう、と。

それに本当に小さな子供は親が絶対についていくし、第一この地域では昔から地域が子供を育てるっていう考え方の人が多くて、大体遊びに来る人たちは顔見知りばかりだって。


 最初に考えた案も意見を聞いてみたら、商店街の後継者問題にも絡んでくるからアイデアは悪くないねぇとほめていただいた。ただ、ヨーコさんの意見と似たような視点でいくつか指摘をされたけど。


 やっぱり夏は浮ついた若者がトラブルを起こしやすいから酒が飲める時間帯は注意が必要だって。


 でも逆にそこをクリアできればこの企画いけそうな気がする。


企画を無理にひとつに詰め込まないで、楽しめるものに出来ないかなぁ。



 ☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・


翌日、ハロワの認定日が近いので、就職活動をしにパソコンで求人情報を探している。


最近思うんだけど、私、どんな仕事がやりたいんだろう。

今やってる企画考える仕事って求人無いのかなぁとか思ってみたり。


仕事っていろんなのがあるよな、とか思う。

イベント関連ってだけでも、広告とかテレビ局の求人もある。


 つい前の職場の同種の求人に目が行くけど、仕事を選ぶのも難しい。




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