眠り姫が目覚めたあとに3
久しぶりにアヤとクミちゃんとご飯を食べる。
地元で私がご飯食べると変に知り合いが多いのでいろいろと声をかけられるのが面倒だから、商店街近くの居酒屋で食べることにした。どの料理もなかなかレベルが高いのにリーズナブルだ。
あいちゃんが実刑判決になったという事で地元では一時騒然となっていた。
もちろん、あんな事件を起こしたあいちゃんは懲戒解雇で退職金も出ない。
あいちゃんのお腹の子の父親は結局離婚、そしてあいちゃんの事件の一因になったということもあり
賠償金をたくさん請求され、親からは勘当、当然付き合っていた女たちからも次々と別れを切り出され、行方が知れないとかなんとか。
後味が悪い結末に考え込んで居たら、アヤからとんでもない忠告をされた。
私がまだフリーだから、復縁をテルにそそのかす馬鹿どもがいるそうで、さすがに最初はテルもそれはちょっとと躊躇していたけど、調子に乗せられやすいテルが復縁申し込みを真剣に考え始めているんだそうだ。 誰だ、余計な事するのは!!
「そんな気は全くないしありえないわ」
「そうだよねぇ。マジで接触し始めたら〆るわ」
アヤは頼もしく今までもすごく助けられている。
クミちゃん情報では、あいちゃんを引き留めた課長が肩身の狭い思いをしているらしい。
ただでさえさみしかった頭髪が白い色が増えたのだそうだ。
色々と大変だったねぇとお互いをねぎらっていると、別のテーブルから声がかかる。
「やぁ!!ユキちゃん達3人だけ?」
電気屋のエイジさんと花屋のユージさんが友達と飲んでいたそうだ。
一緒に飲もう、ということになって楽しく飲んでいたら、エイジさんが酒を飲み過ぎたらしく、ちょっとした愚痴をこぼす。
「なんかさぁ、出会いがないんだよねぇ。実家の家業を継いでいるとなかなか出会いがなくてさぁ」
そのエイジさんの言葉に、男性陣もうんうんとうなづく。
「タカシとかマサキみたいにイケメンだったらモテるから選び放題だけどさぁ」
他の男性陣からもぼやきが聞こえる。
その言葉に、アヤがおかしそうに笑う。
「イケメンって確かにポイント高いけどさぁ、顔だけ良くてもダメじゃん。二股かけたり不誠実だったりするよりは、人柄って大事だと思う人も多いよ?特に結婚とか考えてるんだったら経済力が条件の上位に浮上してくるんだからさぁ」
アヤの言葉は、酒が入ってうじうじしている男性陣はデモデモだってで聞く耳持たない。
「それぞれの好みのタイプってあるしね、私は手先が器用で機械に強い人が好きだなぁ」
アヤもだいぶ酒が入っている。上目遣いでエイジさんを見つめる。
その様子にエイジさんが耳まで真っ赤になっている。その様子がすごくかわいかった。
「でもさぁ、男の人とかも、美人とか好きじゃないの。好みじゃない女を邪険にするのもいるよ?合コンとかに行ったら」
クミちゃん、さすがに合コンにいろいろ顔を出しているだけある。言葉に重みがある。
「そうだよねぇ。男の人だったら、ヨーコさんみたいな美人に迫られたら一発じゃない?」
私が率直に聞くと、男性陣の顔色が一気に青ざめる。
「ない無いナイない無いナイ!!!!!」
みんなおびえた子羊のように汗をダラダラ書きながら両手をぶんぶん振り回す。
よ、ヨーコさん、一体何をやらかしたの。
よく聞いていると、商店街の若手で彼女持ちがほとんどなくてタカシさんとマサキさんも彼女が不在な時期が長いらしい。女性とお客さんとの交流くらいで出会いがないと嘆いていた。
アヤも彼氏と別れて5年くらい経ち、今度付き合うとしたら結婚を視野に入れないとと話が盛り上がる。
「そういえば、タカシさんとマサキさんから夏祭りのアイデア出してって言われていたから、それ、企画してみてもいいかもねぇ」
何気なくつぶやいた私に、一斉にみんなの視線が集まる。
「それ、合コン?!合コン企画してくれるの?!!」
男性陣の目が血走る。いやいやいや。前のめりすぎでは?!と思ったら
「この間の商店街のイベントみたいにするの?夏のイベントってことは街コンみたいなの?」
クミちゃんがハンターの目をしていた。
「沢山の人を巻き込んで、街コンしたらいいんじゃない? 合コンってメンバーが少数になるし、合う人がいないと地獄の時間だよ?」
アヤもノリノリだった。
でもこの人数でさえノリノリなら興味持ってくれる人が多い企画なんじゃないかなぁ。
「そうだ、ユキも参加しなよ!!これで彼氏作ってテルの突撃をかわそうよ!!」
アヤが拳を握りしめて熱く語る。
うーん。企画書、出してみようかなぁ。
みんなの笑顔を見ていると良い企画になる予感がした。




