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六日目

 六日目。


 煤だらけ埃だらけのゴトウ達が本社に帰ってきた。小競り合いの鎮圧かと思いきや、予想以上の大規模戦闘になってしまい、予想より手間取ってしまったのはまあ仕方ないといえよう。

 網屋はどうやら「即時投入できる戦力」として捉えられたらしく、入社して一ヶ月に満たない立場であるにも拘らず実戦部隊へと投入された。網屋自身もそれに応え、それなりの働きをしてみせたつもりだ。

 隊の連中とは随分仲良くなった。連帯感というやつだ。ゴトウ隊長殿は元からとっつきやすい人だったが、アンヘル副隊長殿と打ち解けられるとは思わなかった。まあ、どうやら彼の中で自分は「ソリの合わない奴からセクハラを受ける被害者」という立場であるらしいが。


 ちくり、と胸が痛む。彼等全員を騙しているようなものだからだ。このままバレずに済めばいいだけの話だが、それでも少し罪悪感が残る。こんな立場ではなく、ごく普通にここの隊員として就職していれば良かったのだろうか。

 しかし、そんなのは仮定の話だ。ぐだぐだ考えても仕方ない。こなすべきことをこなす、それ以外に何があるというのだ。





「網屋です、お久しぶりです。本日、帰還しました。いえ、そんな……。で、どうでしたか? ええ、はい……はい、なるほど。様子ですか? そうですね、接している分には何の問題もない感じですね。やっぱ塩野先生に一度見てもらいたいところですけど。うーん、どうだろ……普通に友達付き合い出来ると思うな。ええ、違和感みたいなものは感じませんね。もしかしたら、情が移っただけかもしれませんが。いい奴ですよ。……本命のネタが無いとなると、あとはそうだな……本人がこの会社に入った経緯を考えると、会社自体が情報なり何なりを抱え込んでいる可能性もありますね。ええ、接収した可能性です。専属の病院も抱えてますから、そっちも探った方がいいかもしれないですね。ええ、はい、はい……はい、了解です。明日、病院の方を。あれだ、病院を探るんだったら、サブターゲットの何がしかも調べて……カルテ漁ればいいですかね? ええ……あ、そちらも丸ごとで大丈夫ですか。分かりました。ええ、はい……了解です。じゃ、また明日」

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