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桜ノ下デ〜lovelabyrinth〜  作者: 居待 瑞葉
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第1話「出会いとツンツン」

居待 瑞葉の処女作、よろしくです!

桜が舞う淡い季節。

この季節は、ある感情が溢れる季節でもある。

これは、ちょっぴり特殊な恋の物語…


外は柔らかい陽光と、心地よい風に包まれ春の到来を桜の花びらと共に各地に知らせている。

そんな中、とある一室では凄まじく恐ろしい顔で鏡とにらめっこしている青年がいた。

学ランをはだけて身に付け、ずっと鏡を見る。

「…似合わねぇな」

ずしっと低い声が部屋に消える。彼には初めての格好で、少し照れくさい。

彼の名前は天城翔、家庭の事情でこの町に引っ越してきた男子高校生。彼の顔には切り傷の跡に、鋭いつり目と非常に見た目は怖い。なので、前の高校では友達が出来なかった。

「翔ー?ご飯できたわよー!」

すると、下から母親の声が聞こえた。時計は朝7時を指している。

翔は慌てて下へ降りるのだった。


下へ降りると、トーストの香ばしい香りが鼻をくすぐる。

ダイニングキッチンでは、まだ母親が何か料理を作っていた。

「おはよう翔。もうすぐ出来るから椅子に座って待ってて」

「おう」

リビングの中央にある椅子に座り、テレビに視線を移す。

いつも通り、朝の情報番組が今日の天気を伝えていた、どうやら午後に雨が降るらしい。

翔は引越しをして初登校になるが、緊張はなかった、学校は正直面倒臭い。

そんなくだらないことを考えているうちに、朝ご飯が全てテーブルに揃う。

(うまそうだな…)

こんがりきつね色に焼けたトーストに、コショウが少しかかった目玉焼き。至って普通の洋風朝ご飯だ。

翔は無言で朝ご飯を口に運ぶ。トーストを口にした時、パリっと良い音が鳴った。

翔は基本的口が少ないため、前の学校で何かとガンつけられてきた。そして唯一の家族である母親ともほとんど話さないが、母親はわかっていた。

(…)

翔は表情に出やすい。今も美味しいトーストを食べ、頬が緩んでいる。

「なんか顔についてるのか?」

そして、かなり鋭い。

「何でもないわよ、それより早く食べて学校へ行きなさい」

「…」

無言でうなずき、黙って箸を進める翔。

数分後、全ての皿を空にして翔は家を出た、律儀に皿を片付けて行く彼は優しい…そう感じる母親だった。


翔は見慣れない道の中、歩みを進める。

やたらと自分に吠える犬を一睨みに黙らし、改めて周りを見る。春だからか桜の木が目立っていて、新しく立った家が彩りを添えている。

通学カバンを肩にかけ直し、信号を待っていると

「やめてください!」

「?」

ふと、近くの路地から悲鳴に近いソプラノ声が聞こえた。気のせいかと思ったが、それにしてははっきり聞こえすぎている。

(何だ?カツアゲか?)

翔は半信半疑だが、とりあえず路地に向かってみることにした。


少女は、恐怖でパニック状態だった。

今日は目覚めが良くて、少し家を早めに出て季節を全身で感じようかと考えたが近道の裏路地で明らかにヤバい男たちに出会ってしまった。

「ねぇねぇ君今からどこに行くの?」

「俺達と遊ばない?良い店しってるからさ〜どう」

2人の金髪男達は、少女に少しずつ迫っていく。もう1人の長髪で口にピアスをしている1番ヤバそうな男は黙っているが。

「や、やめて…」

恐怖で声が出ない、自然と身体が震え始める。

「もう、そんな怖がらなくていいからさ俺と遊ぼうぜ」

「やめてください!」

少女に近づいて来た手を振り払うと、男達の雰囲気がいよいよ不味くなった。

「調子に乗りやがって…いいから来い!」

「痛い!」

二の腕を掴まれ、無理矢理引っ張られる。恐怖で足がすくみうまく抵抗できない少女、普段は堂々としているがやはり空想と実戦は違う。

もうダメだ…歯をくいしばり最後の抵抗をしようとしたその時だった。


バキ!


「うぎゃぁ!」

少女はあっけに取られた。無理矢理引っ張っていた金髪の男に、黒い人らしき物体が来たと思うと男達と似ている学ランを来た高校生らしき人が飛び膝蹴りを食らわせてきたのだ。

「な、何者だお前!…ぎゃあ!」

異変に気付いたもう1人の男が振り返った瞬間、顔面に強力なパンチが命中する。

「え⁉︎あ、あなたは」

「黙ってろ、早く済ませたいんでな」

少女が何か言おうとした時、既に学ランの男がリーダーっぽい長髪の男と睨み合っていた。

「オメェ何者だ?邪魔をするな」

「うるせぇ、お前こそくだらないことしてるんじゃねーよ」

まさに龍と虎の睨み合い、少女はただ見ているしか出来なかった。

「しゃらくせぇ!」

長髪の男のパンチを交わし、カウンターの1撃を腹に命中させる。

「うぐ…!」

一瞬、長髪の男かまひるんだところに…

「ふん!」

学ランの男の強烈な上段蹴りが、頭に当たりドサっと音を立て倒れた。

…強い。新しく現れた学ランの男は、本当に強かった。

「あの、えっと、私は…」

「すまないが、遅刻しそうなんだ。またな」

カバンを拾い、男は去っていった。

少女は、それをただ見て立ち尽くしていた、自然と男の背中が『追うな』と語っているように感じたから…

初めまして!居待 瑞葉と申します。

今回は私の処女作、『桜の下で〜lovelabyrinth〜』を読んで頂きありがとうございます。

これからも頑張って書いていくので、感想や指摘をガンガンお願いします!

では、また次回で

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