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眠りから覚めて

作者: たかげるげ

 学生時代、よく眠っていた。夜眠るのはもちろんだが、昼間、学校でよく眠っていた。睡眠時間は一日10時間を超えていたことだろう。

 

私の居眠り人生は、中学二年生から始まる。社会の授業は退屈だった。歴史が好きで、日頃から歴史漫画を読んでいたので、授業内容は既に知っている事ばかりだった。それに、運動部の朝練で肉体的な疲れも重なり、思わず机に突っ伏して寝ていた。自分の筆箱が、机の上から落ちた音で目覚めた。それを自分で落としたとは思わずに、

「誰が落としたの?」

と、授業中に叫び、皆に笑われた。

 寝る授業は社会だけと決めていたつもりだったが、気が付くと数学でも寝ていた。全くわからないので、退屈だったのだ。その頃から、退屈になれば寝るという癖が身についてしまった。

 夜いくらしっかり眠っても、授業中に眠くなってしまう。こんな怠け者では会社でも居眠りで首になってしまうのではと、危機感すら抱いた。

 そのような理由もあって、就職では動くことの多いサービス業を選んだ。しかし、入社して半月程は座学の研修だった。居眠りの誘惑が頭をかすめた。だが同僚が、少し舟をこいでいただけで廊下に連れ出され、一時間以上も怒鳴られていた姿を見て、また何よりも、講義を聴いている時間も時給が発生しているという現実が目を覚まさせた。

 もう居眠りはしなくなった。仕事が退屈に感じることは、たまにある。だからと言って、学生時代のように、眠れば単に時間が過ぎ去る訳ではない。自分以外の人にも、迷惑がかかる。そう考えているから、夜、更に充実した睡眠が得られているのか。

 

 それとも、今までの眠りで、力を蓄えていたのか。


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