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人嫌いな二人は、恋に落ちていました。

完結です♪

 ドキドキと鼓動が止まらない。きっと、最近ずっと人と関わっていなかったせいだよねと考えながら、私は沸騰のように熱い顔を包み込むように両手で赤い頬を隠した。


「茉莉ちゃん、ありがとー。保健室だけど……行かなくて大丈夫だよ。」

「そ、そう……。じゃあ、教室に行こうか。」


 そう智くんに頬を隠すように、下を向いて立ち上がると智くんも立ち上がり、先に歩き始めた。

 私は智くんの後を追って、彼の一歩後ろを歩いて教室に行くとクラスの男子が集まってきて私達を茶化してきた。


「おぅおぅ、おふたりさーん。ラッブラブだねぇ〜。」

「ひゅぅ〜。」

「おふたりさん、お熱いですなぁ〜……。」


 私はそう男子達に言われて、冷や汗をかいた。

 私が人嫌いになったのは、男子達の冷やかし。

 それに、私は男子みたいな性格をしていたから、中学の時は男子達と話したりしていた。その時に受けた嫉妬からくる女子からのいじめ。

 クラスの男子達のひやかしを聞くと、その時のことを思い出してしまう。

 そう私は考えているに吐き気に頭痛がしてくるし、目の前が緑色に見えてきた。だんだん、立つのも辛くなってきて、私は前乗りに倒れそうになると智くんは私の腕を掴んで、私のことを支えてくれた。


「……お前らは楽しいかもしれないけど、それで倒れそうになるまで追いつめてしまう子がいることを忘れるな。

それと、彼女が俺の隣にいるのは……彼女がお前らのようなことをした子達のせいで、茉莉ちゃんは傷ついて人が苦手になったんだよ。俺が彼女のことをどう思っていようがいまいがお前らには関係ないことだ。」


 えっ……?? なんで智くんは知っているの? 私はまだ、彼にこのことを言っていないのに……どうして……?

 私は呆けながら、そう考えていると彼は私の方を向いて、こう言った。


「保健室に行くよ。歩けるかな??」


 私はこれ以上、目立ちたくないから、コクンと頷いて智くんに支えて貰いながら保健室へと向かった。


※※※※※※※※※※※


 保健室のドアを智くんは開くと、保健室の先生は出張だったようで保健室には誰にもいなかった。

 智くんは私を支えながら、ベッドに連れていってくれて、私が横になると布団をかけた後に近くにあった椅子に座ってからこう言った。


「ごめんね、黙っていたけど俺はね、君と俺は同じ学校だったんだ。

違うクラスだったから、名前も知らなかったんだけど……顔は知っていた。

俺ね、良く図書室に行っていたんだ。茉莉ちゃん、図書委員だったでしょ?

部活の関係上、良く茉莉ちゃんの当番に当たることが多かったんだよ。君はいつも、本を借りる時に笑顔で俺に接してくれたんだ。

ほかの女子はいつも、色目ばかり使ってきて……君みたいな人は初めてだった。

何回も借りにいくうちに俺は君を好きになった。

でも、たまたまゴミ箱のごみを捨てにいく途中に茉莉ちゃんが一人で泣いていたところを見て、なんで泣いているかわからなかったけど……俺は何も出来ず、帰ってしまった。

そんな最低な奴に告白されても嬉しくないだろうと考えてしまって、俺は自分の恋心に蓋をした。

人嫌いな俺が叶わなかったけど、恋が出来ただけで十分だろうと思いながら、卒業して……この高校に入学したら君がいた。

君はいつも、俺の隣に座ってくれた。このチャンスを逃したら俺はもう恋が出来ないようが気がしたから、俺は君を知らない振りをして近づいた最低な男さ。

頼むから、返事を聞かせて? 気持ちに答えられなかったら、はっきり断ってくれていいから……俺にチャンスを下さい。

茉莉ちゃんのことが中学の時から好きです。」


……あの時の男の子がそうだったんだ……。彼は私の当番の時にいつも確かに借りに来ていたから、自然に笑顔で接することが出来た。ある時、いつものように笑顔で接っしていると、彼も嬉しそうに笑った。

 その時の笑顔があまりに綺麗で、胸が高鳴った。

 その笑顔で私は救われた。クラスの女子にいじめられていることを話そうと決意できた。

 あの時、泣いていたのは今までの辛いことから向かい合うことの出来たから、私は泣いていたんだよ?

 私は名前の知らない男子に助けられたの。

 なんで、私は気づかない振りをしていたんだろう?なんで、忘れていたんだろう?

 何処かで智くんがあの時の男子なんじゃないかって気づいていたから、私は人嫌いな智くんの近くに座っていたんだ……。


 智くんとお弁当を食べた時、中学の時に見た笑顔と同じ気持ちを感じた。

 智くんが私のことを好きって言ってくれた。

 そうか……私も、あの時から智くんに恋をしていたのかと結論が出ると、私はボンッと効果音が出そうなほどに、顔が熱くなった。


「……今度、逃げたら許さないんだからね? 智くん。」

「えっ!?」


 そう驚いている彼の腕をつかんで、私は彼に耳打ちをして、耳打ちで話終わると彼は私と同じくらいに赤くなっていた。

 そんな彼に、クスリと笑って、してやったりと言う顔をしてやった。


『私も君の笑顔に助けられたのに、一度は逃げられちゃったな〜……。』


 そう意地悪を言ってやった。彼はまだ、顔を赤くしながらも私のことを抱きしめて、こう言った。


「ごめんね、茉莉ちゃん。もう逃げないから許してよ。」


 そう私にたじたじな彼に私は、ニコニコと笑ってコクリと頷いた。









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