人嫌いの私は、いつも眠っている彼に話しかけられます。
私は通信の高校にに通っている。私は人と仲良くなるのが得意ではないと言うか、人が苦手。だから、席を自由に座れと言われても困る。
だから、今日も変人と言われている加野智くんの隣に座る。彼は寝てばかりいて、話しかけて来ないから。
そんなことを続けて、一週間経って彼は初めて話しかけてきたの。テノール声とも言えず、アルト声とも言えずの女子よりは低い心地の良い声で。
私は隣に座って、初めて彼の顔を見た。彼は同性でも見惚れてしまいそうなほどに整っていて、かっこいいより綺麗、美しいと表した方が正しいような感じがした。
「どーして、お前。俺が座る隣に座る訳? ストーカー?」
「断じて違います。私はお前ではなく、綾先茉莉と言う名前がありますので。
確かに、貴方の顔はここにいる生徒の中でもトップクラスと言っても過言ではないほどの綺麗な顔立ちをしているようですが、私は今日、初めて貴方の顔を見ましたから、ストーカーではありません。
と言うか、私は人嫌いなのであまり人と関わらないような人を選んで座っているだけのことですが……何か問題がありますか?」
私が彼に真剣な表情でそう告げると彼は、声をあげて笑いだした。
「ハハっ……面白いね、君? 初めてだよ、俺の容姿を見ても、一目惚れしない奴なんて。
人嫌い同士、仲良くなろうよ。ねっ? 茉莉ちゃん。」
人嫌いの彼ならば、私の気持ちを理解してくれるだろうか……?と私は考えて、彼の問いに私はこう答えた。
「人嫌いの友人は、大歓迎ですよ。智くん?」
私はそう作り笑いではなく、心から彼に私は笑いかけた。
その時、私は知らなかった。完璧な容姿を持つ彼に……。
恋をしてしまうことに。