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第六話 子作りしましょ!

次の日の早朝、俺は案内を任された男と一緒に街へ出発した。


道中彼と話してみて分かったのだが、彼の名前はトーマスと言い、どうやら昨日盗賊が襲撃してきた時、俺が大声を出した時に斬られそうになっていた村人だったようだ。

貴方のおかげで助かったと物凄く感謝されたのだが、俺自身に自覚がないため何だかこそばゆい気持ちになった。


彼と色々と話しながら舗装されていない道を進んでいき、日が傾き始めた頃ようやくタルタニスに到着した。そういえば半日ずっと歩きっぱなしだったのに全く疲れてない。それにこの世界に来てから何だか身体が軽い気がするな……これも魔力とかっていうのに関係するのか?


タルタニスは四方を10m程の高さの壁に囲まれていて、いかにもTHE砦!といった外観をしていた。しかもその入口には門兵が立っており、出入りしている人達をチェックしている。出入りしている人達は皆、頭に猫耳やら犬耳がついていた。トーマスさんの話ではここガレウス王国は亜人達の国であり、人間は盗賊やら傭兵ぐらいしかいないらしい。

街へ入ろうとした時、門兵は目ざとく俺を見つけた。


「貴様!人間だな?何故タルタニスに入ろうとする!」


うわ何だか敵意を感じる言い方だな、俺何かしたか?

そんな俺の横で、トーマスさんは村を俺に救われたという事やギルドに用事があるという事を門兵に伝えてくれた。

すると門兵はすまなかったと謝ってきた。


「近頃は人間の盗賊が増えててな……それに傭兵にしても街で横柄な態度の奴が多くて.人間をみたら必要以上に警戒しちまった」

「いえいえ気にしないで下さい。そんな状況なら当然ですよ」


こうして俺は無事にタルタニスに入る事が出来た。トーマスさんとはギルドの入口まで案内してもらい別れた。最後まで俺に感謝の言葉を述べて去っていった、良い人だったなぁ。


それにしてもこの世界の人間……亜人達から良い印象を受けてないみたいだ。俺もあまり注目を集めない様にしなきゃな。そんな事を思いながらギルドに入ろうとした時、少し離れた所で人だかりが出来ているのを見つけた。


「ん……?なんだあれ?」


俺は気になってしまい、そちらをまずは確認する事にし近づいてみると、そこには鎧を身に纏った兵士の軍隊が行進していた。

周りの人の話を聞いてみると、どうやら魔王軍に対抗すべく王都から派遣されてきたらしく、さらに聞いているとこの軍は、王国最強の強さを誇ると言われている第一王女のレオナ姫とその親衛隊も同行しているようだ。


『お姫様で最強』という人物に興味を惹かれ、暫らくその隊列を眺めていると一際目を引く作りをした馬車がやって来た。

あそこにお姫様が乗ってるのかな〜?なんて考えていると、いきなり中から人が降りて来た。

その人物を見て俺は息を呑んだ。周り人達も同じような反応だった。その人物は俺が今まで生きて来た中で見た、どんな存在よりも美しかった。


スラリと伸びる長い手足、豊満なのに引き締まった印象を受けるプロポーション、黄金の様に輝く跳ね気味のセミロングの髪に、心地の良い活発さを感じる顔つき、そして全てを吸い込むかの様なセルリアンブルーの瞳。


どこを見てもとてつも無く魅力的な女性だった。こんな人もいるんだな、お姫様なんて初めて見たけど凄いなぁ。なんて考えながら見つめているとレイナ姫は周りをキョロキョロと見回し始めた。その瞳が俺に向けられたと思うとレオナ姫はいきなり


「みつけた!」


と大きな声で言った。

回りにいた人達は戸惑いながら俺から離れて行く。

な、なんだ!?俺が何かしたか?とテンパっている内にもレオナ姫はズンズンと俺に近づいてき、そしていきなり抱きついてきた。


「一目惚れしちゃった!私と子作りしましょ!」


「「「ファッ!?」」」


またしても全員の声が綺麗にハモった。




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