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第五話 そうだ、街へ行こう

俺は、どうやらこの世界とは違う世界からやって来た様だとニャジルさん達に伝えた。こんな話信じてもらえないだろうと思ったが、何故か納得した様にすんなりと受け入れられた。


「この世界には異世界人の伝説が、本やお伽話として多数ありますじゃ。異世界人達は皆、見たことも無い衣服に身を包み、莫大な魔力をその身に宿し、この世に発展や安寧、破壊や混沌をもたらすと伝えられております」


そういえば、学校に行くとこだったから俺は今学ランを着てるんだよな。それにさっき凄い魔力だったって言ってたし、それですんなりと信じて貰えたのかな。

それに俺以外にも異世界からやって来た奴らがいると知って、少し安心した。


「伝説ではその人達は元の世界には戻れたんですか?」

「儂の知っている限りの話では異世界人達は、この世界で生涯を終えております」

「そう、ですか……」


元の世界に帰る方法が残っていたら良かったんだが、そんな簡単に分かるはず無いか……けどまあ、異世界人の情報が残ってるのはラッキーだと思おう。


「その伝説ではどんな事が書かれているんですか?」

「異世界人はその力により、皆数奇な運命を辿ります。悪を討つ勇者になる者、新たな国を創り王となる者、そしてこの世界に恐怖に撒き散らす魔王となる者もおったとか」


ははは魔王だってよw別な世界に来てまで人に迷惑かけるなよなww

俺は力があったとしても絶対そんなのになりたくないなwww




それからニャジルさんからこの世界の話を聞いた。

この世界は『アルカディア』と呼ばれ、五つの大陸に分かれているという。

ここには人間の他に、猫人(ケットシー)竜人(ドラゴニュート)などをはじめ、多数の種族がいる亜人(ニャジルさん達はこの猫人(ケットシー)のようだ)そしてモンスターや魔人といった魔族が存在するそうだ。

今俺がいる大陸が『ナオーキオ大陸』といい、五大陸で一番大きな面積を誇り、元々八つの国があったらしいが一年程前に突如魔王が出現し、その力で瞬く間に三つの国を滅ぼし今尚その進行を続けているらしい。


そして今いるのが国王レオンが治める『ガレウス王国』という国で、魔王軍に滅ぼされた国と隣接しており、次に攻められるのはこの国ではと噂されているようだ。

なので最近治安が悪くなり、盗賊やら人攫いが増えてきているらしい。元々この大陸では人間と亜人の仲があまり良く無かったみたいで、人間達は特に亜人を下に見る傾向が強く、魔王討伐の為に手を取り合うことすら出来ずにおり、治安の悪化により拍車をかけているそうだ。

なるほど、だからニャジルさん達は最初俺を見た時警戒したのか……


「村を救って頂いた方に無礼な態度をとってしまい申し訳ありませんじゃ……」

「いえいえ、そんなことがあれば仕方ありませんよ!それよりも、魔力とは一体何なんですか?」

「はい、魔力とはこのアルカディアに存在するもの全てに宿る力のことですじゃ。魔法を使うにしてもスキルを使うにしてもこの魔力は必要不可欠になります」


スキル……? 魔法は何となくわかるけど、スキルってなんだ? ゲームに出てくる様な特殊能力的な物なのか?


「スキルとは何でしょうか?魔法とは違うんでしょうか?」

「儂も魔力感知と言うスキルを持っておりますが魔法やスキルについては上手く説明できないのです。詳しい者はタルタニス街の冒険者ギルドまで行けばおるのですが……」

「冒険者ギルド?」

「冒険者ギルドとは旅人や傭兵達の組合組織みたいなものですじゃ。そこには魔法使いやスキル持ちがおるのですが……ただタルタニスは国境の街でして、先ほど申しました通りいつ魔王軍が攻めてくるか分からないのです」


冒険者ギルドとは、これまたファンタジーらしいな。魔王軍が来るかも知れないが、魔法使いとかにも興味あるし!


「そうですか!その街 タルタニスへ行ってみたいんですが、どうすればいいですか?」

「ならば明日にでも村の者に案内させましょう。歩きで半日程かかりますが……」


歩きで半日かぁ……

けど行くしかないよな!


こうして俺は明日タルタニスという国境の街へ向かうことになった。


そこでふと俺は一番最初に気づくべき事に気がつく

「そういえば何でニャジルさんは日本語が、通じるんですかね?」

「ニホンゴとは何でしょうか?儂はアルカディア語しか使っておりませぬが」


どーなってんだ?俺は日本語にしか聞こえないぞ?

まっ良いか! 通じるんだし問題ないな!

そんな風に考えを止め、ニャジルさんの奥さんが作ってくれたスープを飲んでみると何だか懐かしい味がして、とても美味かった。


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