第三話 猫耳!?
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オイオイどーなってんすか?
俺が叫んだと思ったら目の前がいきなり真っ白になって、そしたら盗賊風の男が綺麗さっぱり消えていた。……意味が分からん。
と、ここで俺は戦闘をしていた集団の視線が自分に集まっている事に気づいた。
や、やばい……反射的に大声出したのがいけなかったな……
この状況から逃げられるか不安に思ったとき、盗賊風の男達が顔面を蒼白にさせながら口々に
「う、うわぁぁ!!お頭がやられちまった!!!」
「なんなんだよ!畜生の仲間にこんな奴がいるなんて聞いてねぇぞ!!」
「バ、バケモノだ……」
「殺される、逃げなきゃ殺されちまうぅ!」
と恐怖を染み込ませた様な声を発しながら蜘蛛の子を散らす様にどこかに逃げていった。
なんなんだ?
あいつら俺の顔を見たと思ったら……ますます意味が分からん。
そこで俺は戦闘をしていたもう一つのグループに目を向けた。村人風の人達は脅威が過ぎ去り安堵して良いのか、新たな敵があらわれ警戒した方が良いのか複雑な表情をしている。俺もどうしたら良いのか分からず戸惑っていると後ろの村の方から声をかけられた。
「人間の旅のお方、この度は我らが村をお救いくださり誠に有り難う御座いますじゃ」
驚いて振り向くとそこには俺の身長の半分もない、全身毛むくじゃらな尻尾を生やした猫みたいな爺さんがいた。
ん……?尻尾っ?えっ尻尾!?それにこの爺さん、よく見ると頭に耳が生えてないか?まるで本当の猫の様な……
「儂はこの村の村長のニャジルと申します。盗賊ではありますが、同族を打ち倒してまで、我らが村を救って頂いたこと感謝の念が絶えませんじゃ。同胞を弔ったあと、ささやかではありますが御礼をしたい、受けて頂けせぬか?」
あ、やっぱりあいつら盗賊だったんだ。
ん?あれ?俺があの男を倒した事になっちゃってない?
「あのー何の事だか分かりませんが、俺が助けた訳じゃありませんよ」
「なんと!その様な莫大な力をもっていてなお、なんと謙虚なお方だ。尋常ではない魔力の奔流を感じ、外にでてみればそこには貴方様がいらっしゃいました。謙遜なさる事は御座いません、旅だった同胞の手向けとしてもどうかお願い致します」
うーん、この猫耳爺さんあきらかに俺の事を勘違いしてるぞ。しかし魔力か……普通だったら信じられないが、さっきの光にこの猫耳……ここが地球ではない可能性が出てきたな。悪意は無い様だし、ここは言葉に甘えて情報収集をした方が良さそうだな。
「分かりました、御礼を受けます。質問したい事が沢山あるのですが宜しいでしょうか?」
「おおっお受け下さるか。有り難うございます。旅立っていった者も喜ぶでしょう。もちろん儂に答えられる事であればなんでも答えましょう」
こうして俺はニャジルさんの誘いを受ける事にした。