表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/28

第二話 森の中で

小屋から出ると隣りには民家らしき建物が建っていた。日本の家屋とは違う木で作られたまるでRPGゲームに出てくる家の様だ。


「マジでどこなんだ?ここは……?」


こんな建物がある所が日本にあっただろうか?少なくとも俺の家の近所には無いだろう。

さらに周りを見回すと、同じ様な建物が少し離れて建ち並んでおり、詳しく調べてみたかったが、先に怒声が聞こえる方を調べる方が良いよな。


地面がむき出しになっている道を歩いて行き、喧騒のすぐそばまできた。


「物凄い声だ、叫び声も聞こえるぞ……」


俺は恐る恐る近づいていき、近くにあった木に隠れながら様子をうかがう。


するとそこでは、これまたRPGゲームにでてくる村人の様な服装の集団と、盗賊みたいなボロボロの服装の集団が短剣や長剣を握りながら、戦闘をしているではないか。


「くそっ!マルコがやられた!」


村人みたいな服をきた少し大きな男が叫んた。良く見ると彼の足の近くを見てみると血だらけの男が倒れていた。


あまりにも現実離れしている、現代日本では信じられない光景を見た俺は、一瞬言葉を無くし、そしてすぐにこれは映画の撮影か何かだと考えた。

あはは、だよねー現実でこんなこと起こるはずないなよな!

だとすれば、今俺がこんな所にいるのは撮影の邪魔でしかないと思い、さっさとこの場所から離れようとした時、叫び声を上げた男の目の前にいたボロボロの服の男が、彼を剣で斬りつけたではないか。


「ぐぅぅおおお!!!」


斬りつけられた男は苦痛にまみれた声をあげ、血飛沫を撒き散らしながら倒れた。


「…えっ?」


今の叫び声はとても演技には聞こえなかった。

斬りつけられた男はなおもうめき声をあげており、その様子もまたとても演技には見えない。


「え、映画じゃ無いのか?」


いやいやそんなはず無いじゃないか。落ち着け俺!なんとか冷静さを取り戻そうとしていると、ボロボロの服の男が倒れている男を見下ろし、嫌らしい笑みを浮かべ、蹴りを入れた。


「戦闘中に相手から意識をそらすなんて馬鹿な奴だ!」


そういうと剣を振り下ろし男の首をはねた。

えっ、え?嘘だろ!

に、人間が首をはねられた……

とても信じられないが確かに今俺の目の前で確かに人が死んだ。

死んだ男からは血がとめどなく流れていてCGなどには見えない。

これは映画なんかではなく、リアルな出来事だったのだ。

そう考えると、目の前光景がとても恐ろしく感じる。剣を持ち人同士が殺し合っている。

俺は混乱したままその場から逃げようとした。その時視界の端に、首をはねた男が剣を振り上げ、他の村人をまたも斬りつけようとしているのが見えた。


俺ら何も考えず、斬られそうになっている人を助けたく、ただ反射的に叫んでいた。


「危ない!」


すると自分の中からほんの少し、何かが抜けた感覚が一瞬したと思うと、その瞬間目の前が真っ白になり

そして

ドゴン!!!

と爆音が鳴り響いた。


目の前の白さが収まり、元の風景に戻ると

剣を振り上げていた男が消えていた。


「「「えっ?」」」


その場にいた全員の声が綺麗にハモった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ