第39話 衝撃波
「【文字置換】」
思考加速の登録して置いた英文を呼び出す。
――――――――――――――――――――――――
文字置換スキル
┌────────────────────┐
│侍魔法言語変換 ▼│
└────────────────────┘
【I nearly died and it went into slow motion】
[♯]
【殿! 如何した! [幕]年貢。一揆が起こりそうじゃと。矢!(驚) これからは種子島の時代ぞ!(驚) ザシュ(斬撃)♪ その方が謀反を企んでいることは知っておる(舌打ち音)♪ 小姓! 早馬の用意を申し付ける! いかん退け…… 殿は任せた…… なんと、乱戦!! 反撃じゃ!! [幕]そっ首!!(驚) 貰うぞ、乱世よのう!!(驚) 城!(驚) 与える、忠義を尽くせ!(驚) く…… 泣くほどのことか、わしも目頭が熱くなったわ…… 笑止!!(笑) このぐらいでは死なん!!(笑) [幕]飢饉…… 買うしかなかろうな、商人を呼べ…… 乱世。影武者は必要じゃ。じゃのう。なんぞ策を考えねば。[幕]城!(驚) 敵の城が落ちたか!(驚) ボー(ほら貝)♪ このような品が欲しいなど、欲のない奴じゃ、ボー(ほら貝)♪ [幕]ブオー、ブー(ほら貝)♪ 黒鉄来い、ピー(口笛)ヒヒーン(馬)♪ く…… やかましい…… 乱波? そうか、そのような策が? むっ…… 出会え…… [幕]酒。(笑) 拙者は酒に呑まれれたぞ。(笑) 年貢。軽くしてやるが良いぞ。ボー(ほら貝)♪ うるさい、誰が吹いておる、ボー(ほら貝)♪ 忍者じゃ? 報告の書状じゃな? [幕]掛かれ!! 一番槍は誰ぞ!! いかん退け…… こうも敵に勢いがあるとは…… キンカンかっ? その方が裏切るとは、なぜじゃ? ブオー、ブー(ほら貝)♪ 戦じゃ、カキン(金属音)♪ [幕]忍者? 書状を届けよ、褒美なら帰ってからでは不満か? 安穏じゃ! その方もそう思うか! むっ…… 諫言は要らぬ…… 城!(驚) 抜け穴から攻めて来たのじゃな!(驚) 天守じゃ。お役を希望か、文官希望とはな。天下。(笑) まだ、遠いのう、ふふふっ(笑) 】
――――――――――――――――――――――――
無詠唱。
「ぐぬぬ、なぜ呪文がー変わっーーてーーーー」
レスティガーの声。
スローモーションになる。
「るーーーーぅーーーーー?!」
変えたからだよ。
些細な変更だけどな。
無詠唱でも呪文は見破られるのがはっきりした。
さて、打開策だ。
声は聞こえているから、振動は通るってことだ。
マイクとスピーカー魔法を使っているなら、無意味だけど。
衝撃波をやってみるか。
思考加速を停止。
「【翻訳】」
――――――――――――――――――――――――
翻訳スキル
┌──────────┐ ┌──────────┐
│日本語 ▼│→│英語 ▼│
└──────────┘ └──────────┘
超衝撃波を放つ。
[↓]
Releases a super shock wave
――――――――――――――――――――――――
「【文字置換】」
文字置換での呪文はこんな感じ。
――――――――――――――――――――――――
文字置換スキル
┌────────────────────┐
│侍魔法言語変換 ▼│
└────────────────────┘
【Releases a super shock wave】
[♯]
【苦境…… 嘆くなら、殺してしまえ、苦境かな…… む? わしもここまでか? 謀ったな…… ふむ、そちに申しても栓無き事、仔細承知したぞ…… 死。天運じゃな。飢饉…… この程度ではびくともせん…… 愉快!(笑) 死なんぞ、死んでおらん!(笑) く…… 愉快過ぎて、片腹が痛い…… 家老! 大儀である! [幕]ザシュ(斬撃)♪ みなの者、根切りじゃ(無音)♪ [幕]家老! 裏切り者はその方か! 何故じゃ…… みな、なぜにわしの考えを理解せん…… ドドン、ドンコ(太鼓)♪ 出陣せよ、ドドン、ドドン(太鼓)♪ 死。乾坤一擲じゃな。家中! そやつが軍師なのか、つれて参れ! [幕]掛かれ!! 一番槍は誰ぞ!! やるのう。安穏じゃ! 憂慮すべき難題もなしじゃ! ふっ、まいった。(驚) 諫言が痛いのう(驚) 軍馬じゃ!(驚) そちに与える、ただし、次の戦では手柄を立てよ!(驚) [幕]ブオー、ブー(ほら貝)♪ 黒鉄来い、ピー(口笛)ヒヒーン(馬)♪ そりゃ!! 馬引けい、出陣じゃ!! 落ち武者? 負け犬など、物の数ではない、討ち取ってしまえ、我こそはと思う者はおらんか? 死。謀殺とはのう。】
――――――――――――――――――――――――
無詠唱。
びりびりと空気が振るえたのが感じられた。
「ぐはっ! なぜ……」
ボーデンが死んだか無力化された。
土のパワードスーツが倒れたから、勝ちで良いだろう。
止めを刺すか。
無詠唱で何度も衝撃波を放つ。
ピクリともしない。
たぶん死んだな。
「大層な前金を貰った割にはだらしない。大見え切って使えない奴だ」
レスティガーの声。
「お届け物を届けに上がりました」
後ろを振り返ると、女が立っていた。
「誰からだ?」
「お嬢様からです」
フェアフェーレンからだろうけど、安心はできない。
だが、第六感の仕組みなんて知らない。
チェックも無理だ。
とりあえず、地面に降りた。
女が差し出したのは腕輪。
微かな匂い。
この匂いはフェアフェーレンからの手紙に残っていた匂いと同じだ。
腕輪を貰う。
着けたりはしない。
手に取っただけなら、今のところ異常はない。
ポケットに入れた。
「ちっ、こんな奴が……、まあ良いでしょう。ここまで生き残れたのですから。努力は認めます。では」
女は踵を返すと、立ち去ろうとした。
「待てよ! フェアフェーレンはどこにいる?! 元気なのか?! 待てよ!! 待てったら!!」
追いかけようと思ったが、舌打ちしてたからな。
中立なら、しつこくして敵に回したくない。
フェアフェーレンのお世話係みたいだから。




