第27話 瀕死の重傷
弱い方から出してきた理由がなんとなく解ってきた。
消耗戦を狙っているに違いない。
それに幹部と言っても、テーテンクンストの家名持ちがいない。
門主の血族はかなり強いと思われる。
やっぱり、次相手が出てきた。
「私はテーテンクンスト序列8位のリューヴュルムヒェン、お見知りおきを」
「掛かって来い」
「では【……】」
何かが光ったと思ったら、剣に刺し貫かれていた。
「がはっ!」
俺が血を吐くと、リューなんたらは剣を抜いて、一振りして血を掃った。
傷口から血がどばっと出て、息が苦しい。
そして、傷口が塞がった。
ちょっと、クラクラするが問題ない。
俺は目をつぶった。
恐らく光で何か起こったと推測。
「【文字置換】」
超重力の登録して置いた英文を呼び出す。
目をつぶっていても思考操作はできる。
「心臓を貫いたのになぜ生きている? エリクサーか、それクラスの魔法でないと助からないのに。ハンフは中立のはずだ。裏切ったのか?」
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文字置換スキル
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│侍魔法言語パターン3 ▼│
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【super gravity】
[♯]
【おのれ…… 謀ったな、だが毒が少ないぞ…… 関所。なるほどのう、それがこたびの原因か。ドドン、ドンコ(太鼓)♪ 戦か、太鼓を鳴らせ、ドドドン(太鼓)♪ く…… やかましい…… 家中! 獅子身中の虫など、斬ってしまえ! [幕]甲冑!(驚) どうじゃ、見事であろう、そちにやる!(驚) 家中! 褒美に家来にしてほしいのか! ザシュ(斬撃)…… お主が謀反とは…… 落ち武者? そうか、そちがな? 城!(驚) 援軍要請か、持ちこたえろと伝えよ!(驚) くっ…… 褒賞は終いじゃ…… なんと、忍者? ふむ、お主敵か? 】
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一瞬、目を開けて、無詠唱。
超重力でリューなんたらは死んで、灰になった。
くっ、きつい。
次に同じ量の血を失ったら、たぶん死ぬ。
そう言えば何で助かった?
ふと、何か物足りない気がした。
手紙から匂ってたフェアフェーレンの香水の匂いが感じられない。
手紙を懐から出して、嗅いでも匂いがしない。
俺は気づいた恐らく手紙になんらかの魔法が掛けられていた。
それで、俺は回復したんだ。
仮死状態からの復活もきっと彼女のおかげ、彼女は回復の魔法が得意なようだ。
ぴゅっと血が出る。
やばい、魔法が消える。
「【文字置換】」
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文字置換スキル
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│侍魔法言語パターン4 ▼│
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【I nearly died and it went into slow motion】
[♯]
【火が!! 殿、城下に火が放たれましたぞ!! [幕]乱波? 耳寄りな話か、はよう申せ? 矢!(驚) 矢を与える、解っておろうな!(驚) 飢饉。偽の噂を流布したのじゃ。小姓! ふむ、何か良案を申してみよ! 武者ぶり! ふむ、忠義を期待しておる、励め! 一揆進軍!! 川で食い止めよ!! [幕]笑止!! 先の戦で逃げた奴がのう、今度こそ討ち取るぞ!! 火が!! 逃げて、落ち延びようぞ!! 矢!(驚) 一斉に放て、外すでないぞ!(驚) 笑止!! やせ我慢もほどほどにせい!! [幕]飢饉。買うしかなかろうな、商人を呼べ。乱波? 拙者がこの問題を任されるので? 笑止!! わははは、そちも笑え!! [幕]火が!! 殿、城下に火が放たれましたぞ!! ボー(ほら貝)♪ 掛かれ、ドドドン(太鼓)♪ [幕]矢銭じゃ。工面せよ。矢!(驚) これからは種子島の時代ぞ!(驚) 乱波? こやつは敵将の首を取った、そうじゃな? ボー(ほら貝)♪ 仲間を呼ばねば、ピィー(口笛)♪ [幕]火が!! 殿、城下に火が放たれましたぞ!! 乱波? 暗殺の計を仕掛けようかのう? ボー(ほら貝)♪ 仲間を呼ばねば、ピィー(口笛)♪ 天守じゃ。敵方は天守を残すのみ、勝ったな。[幕]家老! 裏切り者はその方か! 武者ぶり! ふむ、忠義を期待しておる、励め! 天守じゃ。みなを天守に集めろ。矢銭じゃ。足りぬ、まだ足りぬ。[幕]金山。見つけたのか、でかした。天守じゃ。この解決の糸口の書きつけが、天守にしかとあったはずじゃ。ボー(ほら貝)♪ うるさい、誰が吹いておる、ボー(ほら貝)♪ 火が!! なにっ、敵の城が燃えておるじゃと!! 天守じゃ。そこを攻めさせるのじゃ、そして伏兵で討ち取る。乱波? 拙者がこの問題を任されるので? 】
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無詠唱、スローモーションになる。
時間との勝負。
まず、俺は医者じゃない。
持っている医学知識なんて一般人の領域を出ない。
敵の言葉を信じるなら、エリクサークラスの回復魔法しかない。
エリクサーは欠損部位も治すと聞いている。
どういう理屈だ。
SFでナノマシンが傷を埋めるってのがあったな。
魔法で人工細胞を作るか。
細胞なら知っている。
全部じゃないが、周りの細胞に似せればいいはず。
そのイメージでどうだ。
とりあえずそれ。




