6:ミアとアメリア
ミアが使用人に自室へと案内されていると、通路の先に自分と同じ位の令嬢を見掛けた。
使用人が止める間も無く、アメリアへと走って行くミア。
「初めまして!アメリアさんですよね?私、ミアって言います。おねえ様って呼んで良いですか?」
ミアは先程のロバーツの態度を見て反省し、まずは呼び方の許可を得る事にした。
しかし思った反応は返って来なかった。
ゆっくりと振り返った顔には優しい微笑みを浮かべていたが、そのまま何の反応も示さず歩き去ってしまったのだ。
一緒に居た使用人らしき人も、ミアに会釈もせず立ち去った。
「え?何あれ。挨拶くらい返しなさいよ」
ミアがポツリと呟いた後、使用人がミアに追い付いた。
使用人は屋敷内を走れない為に、時間が掛かったのだ。
「あの方に声を掛けてはいけません」
使用人がミアに注意する。
「え?アメリアさんでしょ?私と同い年の」
「公女様です。妄りに声を掛けて良い方ではないのです」
「はぁ!?意味わかんない」
公爵夫妻に是非にと言われて来たはずなのに、ロバーツには冷たくされ、アメリアには無視され、ミアは納得がいかなかった。
「私だって公爵令嬢なのに」
ミアの小さな声は、使用人の耳には届かなかった。
「今の方は、ミア子爵令嬢です。今日から公爵家で生活されます」
王家から派遣された侍女がアメリアに告げる。
「そうなのね」
アメリアは一言返しただけだった。
事実は事実として受け止める。
更なる関心は必要無いと、そういう教育を受けてきたから。




