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愛してなどおりませんが  作者: 仲村 嘉高
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31/31

リクエストa:フーリーのその後

初回公開時に要望の多かった、フーリーのその後です。

淡々と進みますが、内容はダークです。

ご注意ください。(今更?/笑)

これで本当に終了です。




 アメリアに復縁を断られたフーリーは、仕方なくアンダーソン子爵邸へと向かった。

 時間はかなり遅くなったが、自分がアンダーソン子爵邸に行く事は王命で決定している。

 何時だろうと、快く迎えられて当たり前だと思っていた。


 しかし、屋敷の扉は固く閉ざされていた。


 何度も何度も叩いたが、誰も出て来ない。

 しまいには足で蹴ったが、それでも中からは何の反応もなかった。



 扉の前で朝を迎えると、通いの使用人がフーリーを発見した。

 最初は不審者だと通報されそうになったが、執事がフーリーの顔を覚えており、家主であるミアの婚約者で昨日来るはずだった人物だからと家に招き入れた。


 そして家主であるミアをメイドが呼んで来ると、フーリーは笑顔で出迎えたミアを何も言わずに殴りつけた。


 殴られたミアはフーリーを(なじ)り、殴った側のフーリーもミアを罵倒し続けた。

 そのまま関係が修復される事は無く、結婚生活へと突入する。

 領地も無く収入も無いアンダーソン子爵家に婿に入ったのに、フーリーは王宮同様の生活を望んだ。


 使用人が居なくなると、その役目を妻であるミアに求めた。

 気に入らないと、すぐに暴力を振るうようになった。



 ミアがフーリーに愛想を尽かすのは当たり前だった。

 ある日、仕事に出たままミアが帰って来なくなった。

 夕食の時間になっても帰って来ないミアに怒り、部屋の中を滅茶苦茶にして、適当に食べられる物を食べて寝た。


 翌日、やはりミアは居なかった。

 部屋の中はフーリーに壊され、汚されたままだった。

 いつもの通いの掃除婦も来ない事で、やっとフーリーは異変に気が付いた。

「あの女!どこへ行きやがった!」

 フーリーは更に、邸の中の家具を壊して回った。



 疲れたフーリーが居間のソファに座って肩で息をしていたら、来客を告げるノッカーが鳴った。

「やっと帰って来やがったか!クソ女!」

 勢い込んでフーリーが玄関扉を開けると、見知らぬ男が立っていた。


「こんにちは。アザゼル不動産です。貴方がフーリーさん?」

 にこやかに笑っているが、どう見ても堅気には見えない。

 その証拠に、後ろには屈強な男を三人従えている。


 気圧されているフーリーを押し退けて、男は邸の中へと入って来た。

 歩きながらフーリーへと説明を始める。

「この屋敷はね、今日からうちの物なんですよ。あ、コレ、売買契約書の写しね。で、家の中の物はアンタの物にして良いって話だったんだけど、こりゃゴミばかりだな」

 端から扉を開けて中を確認していた男は、呆れたように呟いた。




 フーリーは「売れもしないから、どうぞお持ちください」と渡された私物と共に、屋敷を追い出された。

 売買契約書は本物で、家主のミアが交わした物だった。

 本来なら家具などを売ったお金がフーリーに渡されるはずだったのだが、それを全てゴミにしたのはフーリー自身だった。


 ゴミ処理費用を請求されなかったのは、不動産屋の優しさである事など、勿論気付いていない。

 屋敷に向かって聞くに堪えない暴言を散々叫んでから、フーリーは門を出た。



 役所に行っても、勿論離婚は出来ない。

 そのため、新しい寄生先(結婚相手)を探す事も出来なかった。

 ミアの行き先は『命の危険のある夫からの暴力による別居』が法的に認められていた為、フーリーが何をしても教えてもらえなかった。



 かつての王族で、王位継承順位第1位だったフーリーが最後に辿り着いたのはスラム街だった。

 働いた事も無く、威張り散らし、暴力を振るう事しか能のないフーリーは、数日で周りから忌避され、道端でその生を終えた。


 最期は誰にも看取られず、名前も判らない男として、共同墓地の大穴の中へと放り込まれた。




 終

最後までありがとうございました(*^^*)


もし面白いと思っていただけましたら、ぜひ★★★★★よろしくお願いします

(≧▽≦)

version.bはカクヨムにあります(笑)

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― 新着の感想 ―
面白かったです、フーリーざまぁ! ミアは25aで、根本は変わらないって書かれてたから、喉元過ぎたらまた野心(贅沢したい病)が芽生えて職場の伯爵家の誰かを籠絡しようとしそう。 そして伯爵家をクビになって…
共同墓地にってことは、結局、王都からは一歩も出なかったんだねー、狭い世界での一生だったねー
最後の一章、あれが良かった。
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