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愛してなどおりませんが  作者: 仲村 嘉高
 

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15/31

15:卒業式翌日




 卒業式の翌日。

 学生という免罪符が無くなって初めての、社交の場である謝恩パーティーが開かれる。


 アメリアは本日より王宮で暮らす事になっており、朝食後すぐに公爵家を立った。

 立場としては、準王族にあたる。

 見送りには、兄であるロバーツだけが居た。

「アメリア様、お元気で」

「えぇ、ロバーツ・パーソン伯爵閣下。パーティーで会いましょう」

 もう兄妹でも親しく話す事は出来なかった。


 迎えに来たアルフィーにエスコートされ、アメリアは王宮の馬車で公爵家を去ったのだった。




 前日の夜、使用人達はアメリアの部屋に集められ、今までのお礼を言われた。

「美味しい食事や、清潔な服、過ごしやすい環境をありがとう。これからも元気で」

 それだけの言葉だったが、これから先の人生で誇って良い出来事だった。


 当日の朝食が終わった時、いつもは無言で立ち去るアメリアが、公爵夫婦に声を掛けた。

「見送りは結構です。それよりもアンダーソン公爵家としてやるべき事をしなさい」

 公女として、最初で最後の優しさだったが、両親には通じなかった。



 昼食の前にフーリー殿下からの贈り物が、公爵家に届いた。

 どう見てもドレスサイズの箱を持った配達人に、使用人がアメリアは既に公爵家には居ない事を告げる。

 しかし配達人も仕事なので、「居ないです」「はいそうですか」とはならない。


「公爵家の令嬢宛なのです。他にお嬢様はいらっしゃらないのですか?」

「令嬢はおりますが、アンダーソン子爵令嬢ですよ?」

 そんなやりとりをして、玄関で長い時間揉めていた。


「あ!それ、私のドレスです!殿下からですよね?」

 ミアが配達人から勝手に箱を受け取り、部屋へと持って行ってしまった。


「今のは?」

「アンダーソン子爵令嬢です。差出人が殿下だと知っていたようですし、宛先は彼女で間違いないようですね」

「今の様子をそのまま上には報告します」

 配達人は無表情で帰って行った。




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