07
爆煙の中からソレは唐突に現れた。
「知らせを受けて来てみればウザったい事になってんな!」
細身だがしっかり鍛え上げられた肉体だと伺える悪魔がいた。
「貴女様は何故此方に!何故我等に攻撃なさるのです!?」
元締めは悪魔と面識があるらしい。又、上位の存在らしい。
「黙れ。此度は故あって介入した。今回は手を引け。さもなくば・・・」
上位存在の威厳。
「誰が貴女様の命に逆らえましょうか。マモン様。」
狐人達は恭しく平伏した後去って行った。エリーは自分たちを助けてくれたのが七大悪魔の一柱であることに大混乱している内にマモンがイービスに対して恭しく膝をついた。
「ハァやめてくれエリーも更に困惑してるだろう」
「なりません。邪神イビルス様の分体であっても我等が敬服するのは当然です。ましてや直々に使いの者に指示書を戴いたとなれば」
イービスの傍らでは「邪神様とは知らず…」とエリーも平伏しだし・・・
「まずい。天界の神共に気付かれた!いいかいエリー良く聞いてくれ唐突だが別世界で魔王となってくれ!」
話を聞くに別世界を舞台に神同士の代理戦争が始まること。その旗印にエリーが目をつけられていた事。
「本当はもっと余裕をもって下準備してから七大悪魔すべての業呪を与え万全を期して望みたかったが陣営の転移と開幕が早まった。マモン!エリーに業呪を」
「はっ!御命令のままに。感謝しな!」
業呪を貰った影響で右手に黒星がつき、灰色の羽も黒さが増した。
「強制転移を押さえるのも楽じゃない。行くぞ!」
「待ってくれ!俺達ゴブリン達も着いていく!」
「まぁ良い。詳しくは行ってからだ。」
「私の業呪は強奪だ上手く使いイビルス様の役に立て!」
行き際にマモンが言う。そうして2人とゴブリン達は転移した。