05
2人は豪邸の前に着くなりイービスが門番に告げる。
「この間手に入れたホブゴブリンの件で話がある。元締めと交渉したい。」
「確認する。待ってろ!」
しばらく待つと門番が戻って来て「入れ」と告げてきた。屋敷に入ると狐人のメイドが居て、どうやら元締めの元まで案内してくれる様だ。
メイドに引き連れられ豪華な扉の前に行き着くとメイドは扉を開ける。
中には誰もおらず困惑と警戒する2人を置いてメイドが上座にドカリと座った。
「それで?あたしに用ってのは?」
「あんたが元締めだったのか」
「それより用件は?」
メイド姿の元締めに先を促される。怪しい2人組を観察するのにメイドに扮していたのだろうとエリーは思った。
「門番から聞いてただろう?ホブゴブリンを引き取りたい」
「何を対価に?そこの堕天使かい?タダってなら話は終わりだ。レアな幻獣なんだ。マーメイドの血、ユニコーンの角、フェニックスの尾羽、エリクサー位出してくれなきゃ釣り合わないよ!」
「エリクサーならある!」
エリーが告げる。エリクサーは天界でしか精製出来ない神薬だ。
「本物かい?渡しな!」
「ホブゴブリンが先!」
「・・・・おい。連れてきな!」
とうとう元締めが折れホブゴブリンを連れて来させる。
「さぁ!エリクサーを渡しな!・・・・本物だねぇ」
元締めは嬉しそうにエリクサーを懐にしまい「いいよ!ソイツはくれてやる!今日は何て、ついてる日だ!」と言い放った。
2人は無事ホブゴブリンの救出に成功し喜んだ。