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*完結* 大海の冒険者~空島の伝説~  作者: terra.
第四話 決心 
36/133

(5)




「すっげぇ!誰か使ってんの見た?」




ビクターの問いかけに、三人は揃って首を横に振る。




「接近戦はダメね。

魔女に近付くだなんてできないわ」




「じゃあライフルは要るな」




ジェドは軽々とそれをフィオに突き出した。

彼女は何も考えずに受け取ると、想像以上に重く、落としてしまう。




「バカ、気をつけろ!」




大きな落下音を聞きつけるなり、ビクターが怒鳴る。




「こんなの持てないわ!」




フィオはシェナと共にそれを抱え、傍の棚に置いた。

彼女は、自分は使えそうもないと膨れ面をする。




「ジェットスキーは?」




ジェドの質問にビクターが止まる。




「どうやって持ってくんだよ。

それごと海に潜るってか?」



「ウエイト積みまくったら?」




ビクターは、無謀な策を真剣に提案するジェドを笑った。

一方、ビクターは手にした鉄製の弓矢の照準器を覗く。

これを使うには矢が要ると気付くと、更にそこら中を漁る。




「ねぇねぇ、空島の竜の精霊って、一緒に戦ってもらえなかったのはどうして?」




シェナの問に皆は考える。

ジェドは、グリフィンが魔女に立ち向かうところ、その精霊に阻止された話を思い出す。




「大人のグリフィンが止められたのに、あたし達が行ったらどうなるの?」



「グリフィンと一緒にすんなって叩いてやるさ」




背を向けたまま答えたビクターが、細長い黒い棒を見つけた。

鉄製の弓に合う物だろうかと、座って仕組みを調べる。




「そもそもだ。

助けてやるってグリフィンが言ってんのに、止めるのはバカだ」




ジェドがビクターから目を逸らし、竜の精霊とやらに呆れながら言う。




「協力できたら、きっともっと違ったでしょうね」




フィオは、床に刃物が纏まった木箱を置き、一本一本状態を見ていく。

シェナはそれを覗き込むと、続けた。




「その精霊にも力があるなら、仲良くなって協力すれば、魔女を捕まえられる?」




どうだろうかとフィオは首を傾るだけだった。

箱を漁る内に、普段持つナイフよりも長い物を見つける。

刃渡り二十センチは超えていそうだ。




「着いたらとりあえずその精霊を見つけねぇ?」




ジェドは手にしていたライフルの装弾方法を調べながら言う。




「だな。まずはそいつと話しをする。

色々教えてもらわねぇと、戦いにくい」




ビクターが照準器を覗いて構えた。

矢の仕込みが完了したといったところか、先端が鋭く光る。




「また怒ってこないかしら」




フィオが手にしていた刃物を下ろして呟いた。




「なら放っとくさ。俺らの島がかかってんだ。

阻止される筋合いは無い」




グリフィンが言っていた事が本当に起きてしまえば、命はない。

ジェドの言葉に、フィオとシェナは小さく頷く。






 そこへビクターが三人を立たせ、鉄の弓矢を持たせた。

ライフルよりも軽く感じたが、やはり扱いにくい。




「連射しねぇの?」



「さぁな。試し打ちは今はできない」




ジェドが徐々に発射口を上向きにしてしまうところ、ビクターが下ろしながら言う。

そのまま、矢の設置方法を教えた。









大海の冒険者~空島の伝説~


後に続く

大海の冒険者~人魚の伝説~

大海の冒険者~不死の伝説~ をもって完全閉幕します




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